こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る40(大便5)

2017年09月28日 | 日記

 

東医宝鑑 内景篇(内科)四
大便(五)

<脾泄>
脾泄は四肢と全身が重く、中脘を害し、顔色が黄色くなる症で、蒼朮・白朮・厚朴・木香・乾薑・生肉豆蔲などを使う。
脾泄 という症は食後いっぱいで下すと治り、脈が早くなる症だが香砂六君子湯を使う。
脾泄は老人腎虚から来る症で呉茱萸湯を使う。
脾泄が長いあいだに腎に伝わると痢疾になって、なかなか治らないとき調中健脾丸を使う。
脾泄が長くなると、大腸が弱まり、これは脾気が脱落した症である。赤石脂・肉豆蔲・
乾薑類を使う。
老人の保養で肥りすぎて食べ物が脾を傷つけると、いつも下痢する症は、やはり脾泄だが山楂麴朮丸を使う。

香砂六君子湯  脾泄を治す。
     処方 香附子・縮砂研・厚朴・陳皮・人参・白朮・白芍薬・蒼朮炒・山薬炒

        ・各一銭、甘草灸五分、薑三片、鳥梅一、を入れ水で煎じて服用する。

呉茱萸湯    脾泄を治す。
     処方 呉茱萸揀浄毎五銭を白水で煮て滓を取り、塩を入れて煎じて服用する。

調中健脾丸   脾気の腎気が弱って朝夕下痢するときに使う。
     処方 白朮・破古紙炒・肉豆煨各一両、赤茯苓・陳皮各八銭、黄連七銭、神

        麴六銭、木香・厚朴・茴香炒・縮砂・山薬・連子各五銭、を作末し、

        粥で梧子大に丸め、空腹時に連子煎湯で七〇丸呑み下す。

固中丸     脾が弱く長い間下痢する症状を治す。
     処方 蒼朮・肉豆蔲煨各一両を作末し、粥で梧子大に丸め、空腹時に五〇~

        七〇丸呑み下す。破古紙炒一両を加えると固下丸という。

山楂麴朮丸   老人の肥りすぎで飲食が脾を傷つけ、常に下痢する症を治す。
     処方 白朮炒二両、神麴炒・山楂肉炒各一両半、黄苓炒・白芍薬酒炒・半夏

        薑製各五銭を作末し、青荷葉でくるみ、ついた飯で梧子大に丸め白湯

        で五〇丸呑み下す。

<腎泄>
一名晨泄、またの名を瀼泄というが、毎五更に一回づつ下痢する。 
これは五味子散を使う。毎五更初に洞泄して諸薬の効なき症を脾腎泄といい、

二神丸、四神丸を使う。老人の脾腎、虚泄に猪臓丸を使う。
腎が弱く色が悪く、足が冷たく長くなると肉脱となり、臍下切れるように

痛むとき、また腹が鳴り㿉泄を一回づつやるときは二神丸・四神丸、

五味子散を使う。
腎泄は腹痛が痢疾に似て、顔色が黒く、足の裏が冷たく脈が弱い症で、

破古紙・生乾薑・肉桂・木香・当帰で治す。
脾腎が弱くなると晨泄し三神丸・調中健脾丸・六神湯・香薑散・木香散を使う。

五味子散    腎泄で毎五更と夜明けに洞泄をするのを晨泄という。
     処方 五味子二両、呉茱萸五銭を炒香と作末し毎二銭を空腹時に米飯で調服

        する。

二神丸     脾腎虚泄を治す。
     処方 破古紙炒四両、肉豆蔲生二両を作末し、肥棗四九枚、生薑四両切って

        煮たあと薑は捨て棗肉を取って薬末を入れ梧子大に丸め、空腹時に塩

        湯で三〇~五〇呑み下す。

四神丸     脾腎虚泄痢と晨泄の長くなる症を治す。
     処方 破古紙炒四両、肉豆蔲煨・五味子炒各二両、呉茱萸湯炮炒一両を作末

        し、生薑切った物八両、大棗一〇〇枚を一緒に煮て薑は捨て棗を取っ

        て梧子大に丸め空腹時に塩湯で三〇~五〇丸呑み下す。

猪臓丸     老人の日腎が弱くて下痢する症を治す。
     処方 呉茱萸多少にかかわらず塩水を浸み込ませ、猪臓の片方の頭を煮て油

        を抜き、きれいに洗ったあと茱萸をくるんでゆわき、煮て搗いて梧子

        大に丸め五〇づつ呑み下す。

三神丸     脾腎が弱く下痢する症を治す。
     処方 即ち二神丸に木香一両を加えたもので、剤法・服法は本法と同じ。

六神湯     脾と腎がともに弱く下痢する症を治す。
     処方 肉豆蔲煨・破古紙炒・白朮・白茯苓各一銭半、木香・甘草灸七分、薑

        三片、棗二枚を入れ水で煎じて服用する。

香薑散     晨泄を治す。
     処方 生薑四片、を切って黄連二両と一夜つけて弱火で炒り、薑が紫色にな

        ったら薑は捨て、黄連を作末し毎二銭づつ茶漬けで一剤を調服する。

木香散     脾・腎泄を治す。
     処方 肉豆蔲・破古紙・白朮・白茯苓各一銭半、木香・甘草各七部分、薑三、

        棗二を入れて水で煎じて服用する。


東医宝鑑を観る39(大便4)

2017年09月06日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二六、大便(四)

<飱泄>
飱泄という症は米穀が消化されず排泄される症をいう。俗称水穀痢というもので加減木香散が主治剤である。
飱泄の症勢は食べないと止まるが、食べるのを止めるのは胃が弱いか、消化されないためである。だが食べるとまた下痢をする。一体食べないと何が下るのか? これは当然薬で治すべきで養元散八仙糕の類で元気をつけ、下痢が収まると少しずつ食べる。
飱泄には防風芍薬湯・蒼朮防風湯を使う。

加減木香散   飱泄と水穀痢を治す。
     処方 木香・良薑・升麻・檳榔・人蔘・白朮各二銭半、神麹炒二銭、肉豆蔲        ・互茱萸湯洗・乾薑炮・陳皮・縮砂各五分を粗末して毎五銭を水で煎        じて空腹時に服用する。また腸風飱泄を治す。

八仙糕 脾胃が虚損し下痢が止まらない症を治すが、老人と小児に最も良い。
     処方 枳実麩炒・白朮土炒・山薬各四両、山楂肉三両、白茯苓・陳皮炒・蓮
        肉各二両、人蔘一両を作末し、粳米五升、糯米一升半をくだいて蜜三
        斤を入れて薬末でまぜてつき、焙って乾かして湯水で飲む。

防風芍薬湯 飱泄でねつがあり脈がゆるく腹の痛いときに使う。
     処方 防風・白芍薬各二銭、黄苓一銭を水で煎じて服用する。

蒼朮防風湯 水が飲めず食べた物がそのまま出る症を治す。
     処方 黄朮六銭、麻黄二銭、防風一銭、薑七片を入れて水で煎じて服用する。

<痰泄>
または下りまたは下らず、或いは多く或いは少なく、こういうときに二陳湯に乾葛・
白朮・神麹を加える。重いと海青丸、軽いと六君子湯を使う。
痰泄で脈が沈むとき万病二陳湯を使う。

海青丸 痰積下痢を治す。
     処方 海粉一両、青黛三銭、黄苓二銭、神麹五銭を作末し、別途に神麹糊で
        梧子大に丸め空腹時に白湯で二〇~三〇丸呑み下す。

万病二陳湯   痰温下痢を治す。
     処方 半夏・陳皮・赤茯苓・白朮・蒼朮・山薬各一銭、縮砂・厚朴・木通・
        車前子炒・肝臓灸各五分、薑三片、鳥梅一、燈心を入れ水で煎じて服
        用する。

<食積泄>
下痢で腹痛がひどく、出ると腹痛が少しなおり、匂いが卵の腐ったようで、このときは
平胃散に香附・縮砂・草呆・山楂子・麦芽を加えて煎じて服用する。
腹痛が酷く下痢すると痛みが減り、脈がゆるいときは香砂平胃散から枳実を抜いて白朮・
白茯苓を加える。
積滞下痢は腹が痛んで下痢し、または腹がつっぱる症には神麹・麦芽・山楂類を使って
消化させる。
数日間食べなかったあと下痢したときは枳朮丸を使う。

<酒泄>
飲食と酒で身体をこわして骨だけ残り、食べられず、ただ酒を一~二盃だけ飲んで
長年治らないとき香茸丸を使う。
酒泄は飲酒したあと、よけいひどくなるのだが、平胃散に丁香・縮砂・乾葛・麦芽・
神麹を作末したものを加え、空腹時に米飲で二銭を服用する。
酒で身体をこわし、朝方必ず下痢をするときには理中湯に生薑を加えて使い、
乾葛煎じた水で酒蒸黄連丸を空腹時に二銭呑み下す。

香茸丸     酒泄を治す。
     処方 乳香三銭、鹿茸燎去を酥灸黄五銭、肉豆蔲一両、麝香二銭を細末にし
        て陳米飲い梧子大に丸め米飲で五〇丸呑み下す。