東医宝鑑 外形篇(外科)一
二、面(九)
三、眼
四、外障の場合の続き
浩肝明目湯 一切の風熱と目が赤くはれ疼痛するものを治す。
処方 当帰尾・川芎・赤芍薬・生地黄・黄連・黄苓・梔子・石膏・連翹・防風・荊芥・薄荷・羌活・蔓荊子・甘菊・白蒺
藜・草決明・桔梗・甘草各五分を水で煎じて食後服用する。
散熱飲子 目が赤くはれ疼痛症を治す。
処方 防風・羌活・黄苓・黄連を角等分に切って五銭づつ水で煎じて服用する。
柴胡湯 肝火がおきて赤く腫れて痛むときにに使う。
処方 柴胡・赤芍薬・川芎・当帰・青皮・草竜胆・梔子・連翹各一銭、甘草五分を煎じて服用する。
四物竜胆湯 目が赤く腫れて痛み、雲瞖が出来る症を治す。
処方 川芎・当帰・赤芍薬・生乾地黄各一銭三分、羌活・防風各八分、草竜胆・防己各六部を水で煎じて服用する。
羚羊角散 目に硬いはれものが出来て、目が開けられない症を治す。
処方 羚羊角屑・防風・羌活・人参・赤茯苓・升麻・大黄・車前子・玄参・黄苓各七分、梔子・細辛各三分を水で煎じて服
用する。
地黄散 混晴を治す。
処方 生地黄一両、赤芍薬・当帰・甘草各五銭を切って五銭づつ水で煎じて服用する。
二黄散 固い肉が瞳をおおう症を治す。
処方 大黄・黄苓・防風・薄荷各一銭二分に蜜を少し入れて煎じて服用する。
定心元 固い肉が瞳をおおう症を治す。
処方 麦門冬一両、石菖蒲・枸杷子・甘菊各五銭、遠志二銭半を作末して蜜で梧子大に丸め、熟水で三〇丸呑み下す。
速攻散 努肉・紅絲・紅白瞖障と白珠眼に死血があって紅筋または目にあがって、はれ上がり昼夜痛みに耐え切れに証
に使う。
処方 黄連・黄苓・黄柏・梔子・連翹・薄荷・荊芥・柴胡・当帰・生地黄・地骨皮・天花粉・蔓荊子・甘菊・悪実・白蒺
藜・草決明・石決明・枯殻・甘草各五分を水で煎じて服用する。
炉甘石散
処方 炉甘石を多少にかかわらず、先に童便で七回こして、黄連を煎じた湯で煆淬すること七回、また雀舌を煮た水で煆淬
すること七回、この三つの汁を合わせ再び煆淬させたあと、炉甘石を細末にして脳麝それぞれを少しずつ目の痛いところ
へたらすと治る。
聖草散 爛弦風と虫痒を治す。
処方 覆盆子の葉の汁をしぼって、黒い絹で目隠しをし、筆で汁をしめして両瞳をしるりて、そこへ汁を落とすと虫が出
る。
清涼散 水瑕と深瞖の青色を治す。
処方 蔓荊子・荊芥穂・苦竹葉・甘草各一銭半、梔子七分半、薄荷七葉を水で煎じて服用する。