こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る9

2017年03月16日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)
 小腸

小腸の形

小腸の長さは三丈二尺、広さは二寸半、経は八分半ぐらい、重さは二斤十四両である。
臍の左から回って十六曲に重なり、穀を二斗四升水を六升三合ぐらい入れられる。

小腸の位置
小腸のうしろへ脊柱について臍にあたると左にまわって畳積して下っていく。
胃の下口、即ち小腸のの上口で幽門という。臍の上一寸に水分穴があって、これが即ち小腸の下口である。
関元穴が臍下三寸にあり、小腸の膜で背からは小腸兪が脊の十八顀すぐ下の両傍にある。

小腸の任務
胃が水穀を消化させると、その残滓が胃の下口から小腸の上口伝入して、再び下口に伝わって、
清濁な水液を分泌し、また膀胱の上に入って穢濁なものは、また大腸の上口に入る。

小腸病の治療法
小腸は心の腑で病があるとこれをみな便通させねばならぬので、導赤散・赤茯苓湯を使う。

導赤散   小腸熱と小便の不利治す。
   処方 生地黄・木通・甘草各一銭、青竹葉七枚を入れて煎じて服用する。 
    
赤茯苓湯  小腸熱と赤面多汗、小便不利などの症を治す。
   処方 木通・赤茯苓・檳榔・生地黄・黄苓・赤芍薬・麦門冬・甘草各一銭を一貼に剉作
      して、生薑五斤を入れて水で煎じて服用する。

小腸の気が切れるとき
小腸の気が切れると、六日目には死ぬ。毛髪がカサカサと枯れたようになり、汗が止まらない。

<単方九種>
沢寫    小腸を通じさせ小便が良く出るようにする。水で煎じて服用する。
木通    小腸を通す。水で煎じて服する。
瞿麦    心経を通じ小腸を良くする。水で煎じて服用する。
連翹    小腸を通させる。水で煎じて服用する。
茯神    小腸の不利を治す。煎服・末服ともに良い。
黒豆    汁をしぼって飲む。
梔子    小腸熱を治す。 水で煎じて服用する。
冬瓜汁   小腸を利する。
煮葵汁   小腸をなめらかにする。汁にして食べる。

東医宝鑑を観る8

2017年03月15日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)
 胃

胃の形

胃は大蔵と言い、俗称肚(はら)とも言う。水穀三斗五升を受け入れる。
普通一日に二回便をすると二升半、一日五升を排泄し、七日だと三斗五升
の水穀が出るので、七日食べないと死んでしまう。

胃の位置
咽門から胃に至るまでの長さが一尺六寸だが、胃が心蔽骨と臍の
中間上下各四寸に位置している。
中脘も一穴が胃の膜で心蔽骨と臍の中間上下各四寸にあって、
背には胃兪が脊の第十二顦下両傍にある。

胃病の治療法
人体はただ水穀で生を維持させるものだが、大体、脾・胃は土に属して
水穀を納入してその根本とbなっている。
胃病の治療法は飲食を調節し、寒温を適切にして澄心息慮して徐々に
真気の回復を期さねばならなぬ。
胃が重いと平胃散をつかい、胃が弱いと胃功散・補中益気湯。
食欲がないときは養胃進食湯を使う。

平胃散   脾骨の不和と食欲不振の症は、心腹の張痛と嘔吐、悪心と噫気、
      呑酸と面黄、肌痩と怠惰、嗜臥、そして霍乱、五噎、八痞、膈気、
      反胃などの症状に効く。
   処方 蒼朮二銭、陳皮一銭四分、厚朴一銭、甘草六分、を剉作して薑三、棗二を
      入れて水で煎じて服用する。または粉末にして薑棗湯で二銭づつ点服する。

胃功散   脾胃が虚弱で食欲がなく、お腹が痛くなるときに効く。
   処方 人蔘・白朮・白茯苓・陳皮・甘草各一銭を一貼に剉作して、薑三、棗二を
      入れて水で煎じて服用する。

養胃進食湯 脾胃が弱く、食欲もなく顔色が黄色く痩せて来るなどの症状に使う。
   処方 蒼朮二銭、人蔘・白朮各一銭、陳皮・厚朴・白茯苓・甘草灸各七分、
      神麴炒・麦芽炒各五分、一貼に剉作して、薑三、棗二を入れて
      水で煎じて服用する。また蜜で梧子大に丸め毎二銭を米飲で調下する。

<単方二十七種>
石膏    胃熱をなくす、一両を水で煎じて服用する。
葛根    開胃・下食して酒毒を解かす。水で煎じて服用する。
人蔘    胃気を補強する。煎服・末服ともに良い。
白豆蔲   胃の冷えを治す。末にして水で煎じて服用するか、末服でも良い。
蒼朮    胃を強め、胃中のしめりを除去する。煎・丸・末服ともに良い。
白朮    補胃、服法は上記に同じ。
大豆    胃中の熱痺を除く、大豆黄巻が良い。煮・末服共に良い。
丁香    胃を温める。煮・末服共に良い。
縮砂    胃を温め水穀を良く小化させる。煎・末服共に良い。
乾薑    開胃する。煎じて服用する。
生薑    開胃に効く、煎じて服用する。
大麦    平胃、開胃する。飯または粥につくって常食すれば良い。
粳米    胃気を補う。白粥にしたのが良い。
稞米    胃を養う。粥が良い。
青梁米   胃痺を治す。
牛肚    胃の保健に良い。
羊肉    胃の補強に良い。
黄狗(イヌ)肉   胃の補強、腸胃を厚くする。煮て食べる。
黄雌鶏   胃の補強に良い。
鰤(ブリ)魚  胃気を補強する。蒸しても焼いても良い。
石首魚   常食すると良い。
辛     開胃、常食すると良い。
橘皮    開胃、茶をつくって飲む。
大棗    胃気を和らげる、常食すると良い。
乾柿    腸胃を丈夫にする。常食すると良い。
韮     胃中の熱を治す。常食する。


次回は小腸です

東医宝鑑を観る7

2017年03月04日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)
 胆嚢

胆嚢の形

その色は玄、形はぶらさがった瓢に似て、肝の短葉のあいだについている。
重さは二両三銖、精汁三合をただよわせ、出入りの窮はない。
肝に残った気が精となり、清浄の腑で目に通ずる。

胆嚢の位置
胆は腋を主管し、両脇と欠盆が胆の通路である。
日・月の二穴は胆の膜で、乳下の三肋端と期門下の五分にある。
背にあっては胆兪が脊の第一〇顦下の両傍にあり、これが胆の位置である。

胆嚢病の治療法
胆嚢の弱ったときには仁熟散を使い、重いと半夏湯を使う。
小柴胡湯が寒熱の往来治し、小陽経の主薬である。
水で煎じて上ずみを取って温めて服用する。

仁熱散    胆虚、恐怖におののいて一人で寝ていられない症状に使う。
  処方 柏子仁・熟地黄各一銭、人蔘・枳殻・五味子・佳心・山菜萖・甘菊・茯神・枸子各七
     分半を一貼に剉作して水に煎じて服用し、または粉末にして温酒で二銭づつ服     用する。
半夏湯  胆の熱と煩悶を治す。
  処方 生地黄・酸棗仁炒各五銭、半夏・生薑各三銭、遠志・赤茯苓各二銭、黄苓一銭
、     黍(キビ)米一合、みな切って一両づづを水で煎じて服用する。

胆嚢の修養法
平坐して両足の裏を合わせ、頭を後ろにそらせながら両手で足をくり寄せ三~五回揺り動かし、
足をつっ張って坐り、両手で身体を支え、腰・脊を三~五回揺り動かすと胆の風毒邪気はなくなる。

<単方五種>
柴胡    胆病の主薬である。切って水で煎じて服用する。
乾地黄   心胆気を補強する。煎服・丸服ともに良い。
黄連    胆を良くする。煎服・丸服・末服ともに良い。
細辛    胆気を養う。水で煎じて服用する。
白百合   胆を定める。水で煎じて服用する。


次回は腑の<胃>です

東医宝鑑を観る6

2017年03月02日 | 日記



東医宝鑑 内景篇(内科)
 腎臓


腎臓の形
腎臓は二つあるが、その形は紅豆が互いにからみあったのに似て、
脊骨の筋にくっついている。
腎は二つだが、重さは欠く9両で合わすと一斤二両である。
左は水に属し、右は火に属する。
男は左腎が、女は右腎が主である。
腎の形は紅豆が互いにからみ合っているような形で、
環曲に背骨の膜中ついていて、中は白く表は紫色である。
両腎の二系が互いに通じ合って下に行き上に心系と通じ合っている。

腎臓の役割
他の臓はみな一つだけなのに、腎臓は二つで次のような役割をする。
両腎のうち左は腎で、右は命門である。
命門というのは精神と元気入っていて腎ではない。
男子は精を、女子は胞がついているのを推してみても腎でないことが証明出来る。

腎臓の位置
腎臓はヘソと互いに対向し、腰に応じ、腰は即ち腎の外候である。
腎は列女のように前面には現れず、後宮にありながら二枚になっている。
京門の二穴は腎の膜で、腰にくっついて脊季と肋下の一寸八分にあり、
脊の十四顀下から臍と相対している。
命門の系即ち心包絡でその経は手蕨陰である。
その腑は三焦、その位置は心下と横隔膜の上にあって隔膜の下にタテに黄膜と
互いに粘着してい、そこに黄脂が何重にも積まれているのが心臓である。
その黄脂の外に出る筋膜が糸のように心肺と互いに連なって包絡となる。

腎臓病の治療法
腎がかわいて苦しいときは、急いで辛い薬を飲んで潤さねばならぬ。
腠理を開いて津液をつくって気を通さす。
腎のかわいたときは知母・黄柏を使い、丈夫にするにも、やはり知母が
良いが、黄柏で補い、沢写で寫す。また、腎弱には熟地黄を使う。
腎病には黄黍(キビ)・桃・葱の辛を取る。
左腎は水に属するので、水が不足すると腎は弱まる。
補腎丸・六味地黄丸・滋陰降火湯を使い、右腎は火に属するので
火が不足すると陽が弱くなる。
これには八味丸・加減八味丸・温腎散を使う。

〔補腎丸〕   腎水不足と陰虚を治す。
    処方 亀板酒灸四両、知母と黄柏の酒に浸して炒ったのを各三両、
       乾薑一両、を粉末にして、粥で梧子大に丸め、空腹時に
       塩湯で五〇~七〇丸呑み下す。
〔滋陰降火湯〕 腎水不足・陰虚・火動を治す。
    処方 白芍薬一銭三分、当帰一銭二分、熟地黄・天門冬・麦門冬・白朮各一銭、
       生地黄八分、陳皮七分、知母と黄柏を蜜で炒ったもの、甘草灸各五分、一貼に
       剉作して、薑三片、棗二枚を入れて水で煎じて服用する。
〔八味丸〕   命門に火不足と陽虚治す。
    処方 熟地黄八両、山薬・山茱萸各四両、牡丹皮・白茯苓・沢寫各三両、肉桂・付子
       炮各一両を粉末にして梧子大に蜜で丸め、空腹時に温酒または塩湯で五〇~
       七〇丸づつ呑み下す。五味子を加えると腎気丸となる。
〔加減八味丸〕 腎水を専ら治す。
    処方 熟地黄二両、山薬を少し炒ったもの、山茱萖各一両、沢寫を酒で蒸したもの、
       牡丹皮・白茯苓各八銭、五味子炒一両半、肉桂五銭をそれぞれ粉末にして、蜜
       で梧子大に丸めて、早朝塩湯または温酒で五〇~七〇丸づつを呑み下す。ま
       た日没時の空腹時にまた服用する。
       この材料を切って煎じて服用すると加減八味湯となる。
〔温腎丸〕  腎が弱く命門が冷え、腰の痛みを治す。
   処方 熟地黄一銭半、牛膝・肉蓯蓉・五味子・巴戟・麦芽冬・甘草灸各八分、茯神・乾薑
      ・社仲炒各五分、を一貼に剉作して水で煎じて服用する。

腎臓の修養法
いつも十・十一・十二月の朔望む旭旦に北に向かって平坐し、歯をかみ合わせながら七回つばを
呑み込み、玄宮の黒気を三回吸い五回呑み込み六〇回の息をとめる。

単方<二十三種>
磁石    腎気を育て、耳聾・目がくらむのを治す。末にして薬に入れて用いる。
陽起石   腎気を強くし、冷えを治す。粉末にして薬に入れて使う。
塩     薬を腎に入れる作用をする。
兎絲子   腎中の陽を強め、冷えを治す。
      酒に浸して粉末にして酒で服用たり、薬に入れて用いる。
肉蓯蓉   命門の補強剤、酒に浸して蒸して薬に入れて用いる。
五味子   水臓を温める。丸服・煮服ともに良い。
熟地黄   腎精を補強する。
知母    腎陰の不足を補い、熱を治す。塩水で炒ぶり丸服・煮服ともに良い。
柏子仁   腎臓を潤し、冷えを治す。丸服したり、薬に入れて服用する。
杜仲    腎の冷え治し、腎労と腰脚の冷えを治す。丸服・煮服ともに良い。
沈香    命門の火の不足を補う。粉末にして薬に入れて飲む。
山茱萸   補腎・水臓を温める。丸服・煮服ともに良い。
牡蛎    腎の補強に良い。
桑螵蛸   腎が弱くなると漏精するのを治す。 
覆盆子   腎臓を強くし、温める。酒に浸して焙って薬に入れて用いる。
破故紙   腎臓を温める。薬気を腎に引き入れる作用をする。
      炒って薬に入れるか、粉末にしても良い。
鹿茸    腎の補強剤で冷えを治す。切って粉末にして丸薬にしても良く、末服でも良い。
鹿角髎   腎臓の気の衰えに効く。炒って珠をつくって粉末にして服用する。
膃肭臍   腎を良くし、腎精の衰えと過色で労瘁になったのを治す。酒に浸して、香臭が出た
      ら、末服・丸薬でも良い。
狗陰茎   腎の補強と精力減退を治す。末服・丸薬ともに良い。
牛腎    腎の補強に良く常食すると良い。
栗     腎を補強する。焼いて食べると良い。 
  


次回からは六腑の胆になります