Kaizen(啓源会計事務所)

海外の会社設立手続き、税制等の方面に関する情報は、Kaizenは皆様とシェアしましょう。

マカオの所得補充税(一)

2024-05-29 | 税制

会社又は個人に関係せず、マカオで事業活動を行うと納税義務が発生します。事業活動による税金が基本営業税と所得補充税となります。しかし、近年、マカオ政府により営業税が免除されたり、営業税と対象なる基準額も引き上げられたりする政策が実施されています。よって、マカオは世界で最も所得補充税負担及び税務負担が軽い地域の1つだといっても過言ではありません。

 

マカオ所得補充税規定によると、マカオで会社登記を行えば、会社所有者がマカオ住民かどうか又は会社の本社がマカオにあるかどうか若しくは所得の性質(賃貸料収入を除く) に関係なく、マカオ政府に確定申告し、納税義務を負わなければなりません。たとえ外国の会社がマカオで事業活動をすれば、その事業活動による所得に関して所得補充税を納めなければなりません

 

事業活動による所得だけでなく、キャピタルゲインと利息所得も所得補充税の対象となります。

 

納税者はA組 とB組に分類されます。A組の納税者はマカオで登記設立された株式会社又は登録資本が100万MOPを超える会社を含みます。A組の納税者の場合、会計士による財務諸表の監査を受ける必要があり、税務上の欠損金を最大 3 年間繰り越すことができます。B組の納税者の場合、財務諸表の監査を受ける必要はありませんが、税務上の欠損金を繰り越すことは許されません。

 

近年、事業活動を行う個人又は企業にさらなる税制優遇を提供できるように、マカオ政府は中国本土、香港、ポルトガル等国や地域との間で二重課税回避条約及び租税情報交換条約を締結しました。

 

  1. 所得補充税の対象

 

所得補充税(法人所得税)とは、マカオ政府がマカオで事業活動による所得にたいして課された税目で、上記の事個人または法人が事業活動を通して得た利益が課税対象です。所得補充税はマカオで事業活動を行う個人又は企業に対して課されるもので居住地若しくは会社登録場所と関係ありません。マカオでの家賃収入はこの限りではありません。

 

  1. 納税者

 

マカオ政府はポルトガルの税務体制を承継し、納税義務者である会社をA 類とB 類に分類しています。通常ではほとんどの会社はグループ B に分類されます。 A類 とB類 については下記の表にまとめております。

 

 

Group A Taxpayers

Group B Taxpayers

納税基準

 

(1)   株式会社である場合

(2)         登録資本が100万MOPを超える又は且つ過去3年間の平均課税所得が50万MOP を超える場合

(3)  自らA類を選択した場合

 

 

(1)   個人事業主である場合

(2)   登録資本が100万MOP未満の株式会社の場合

(3)  過去3年間の平均課税所得が50万MOP未満の場合

 

A類に分類される納税者が完全な会計制度を導入する必要があり、且つ会計士が納税申告の責任を負い、課税所得が納税者の申告書類に基づいて判断されるも許されるといったところはA類とB類の一番大きな相違点です。一方、B 類に分類される納税者は会計制度や会計士による税務申告の義務を負いません。ただし、課税所得は税務評価委員会に評価されます。

 

  1. 税率

 

マカオの所得補充税規定によると、課税所得が30 万MOP以内の場合、税率 3% から 9% の累進税率で課され、30 万MOPを超える部分に対しては 12% の固定控除率となります。 所得が32,000MOP未満の場合、非課税所得となります。

 

2014 年より、マカオ政府は所得補充税の免除申請できる所得を 60 万MOPに引き上げました。つまり、所得補充税は2段階に分かれ、60 万MOP 以内の所得が0%の所得補充税、60万MOP を超えている部分が12% の所得補足税を課されます。下記の表とおりです。

 

課税所得(MOP)

税率

600,000以内の所得    

      

0%

600,000を超えている部分

12%

 

免責声明

本文の内容と意見は一般的な情報共有のみであり、専門的なアドバイスではありません。本文の内容への信頼によって生じた全ての損失に対しては、啓源が一切責任を負いません。専門的なサービスがご必要な場合は、お気軽にご連絡ください。

PVアクセスランキング にほんブログ村


この記事についてブログを書く
« 米国における会社資産の種類 | トップ | マカオの所得補充税(二) »
最新の画像もっと見る

税制」カテゴリの最新記事