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米国の所得税がない州―ワシントン州

2021-05-19 | 税制

ワシントン州は米国の北西部にあります。当該州の最も大きい産業は航空宇宙、農業及び食品製造、クリーンテクノロジー、情報通信技術と林産品です。ワシントン州は投資者にとても友好的な商業環境を提供しています。ボーイング(Boeing)、マイクロソフト(Microsoft)、アマゾン(Amazon)及びコストコ(Costco)などの有名な大手企業は全てワシントン州にあります。

 

ワシントン州は投資者に他の州にはない競争優位性を提供しています。ワシントンは米国の個人所得税を課さない7つの州の1つであり、かつ法人所得税またはフランチャイズ税を課しません。このような税収の仕組みは、企業が利潤を保有することで更なる発展と拡大を促進するのに役に立ちます。

 

1. 事業・職業税(Business and Occupation Tax, B&O税)

 

ワシントン州の企業は州法人所得税を納付する必要がありませんが、B&O税を納付する必要があります。B&O税は会社の各事業活動から得た総収入に基づいて計算されますので、計算時に労働力や材料などのその他の経営コストを差し引くことができません。B&O税の税率は業種によって異なります。

 

B&O税の主要類別

税率

小売業

.00471

卸売業

.00484

製造業

.00484

サービス業及びその他の活動

.015

 

B&O税を計算する際、要求を満たす企業はワシントン州が提供している税収優遇措置を享受できます。例えば、資格を満たす民用航空機メーカーや航空宇宙非メーカーは、「航空宇宙」類別の税収優遇を受けられます。企業はクリーン代替燃料を使用する商用車を購入する場合に、「クリーン代替燃料商用車両及び車両基礎施設」類別の税収減免を利用することができます。資格に該当するハイテク企業も「ハイテク」類別の税収優遇を享受できます。

 

2. 売上税・使用税(Sales or Use Tax

 

会社はワシントン州において小売業または卸売業で有形動産の販売又は賃貸を行い、商品を使用し、あるいは課税サービス(設置、修理、清掃など)を提供する場合、関係部門に売上税を申告・納付することが義務付けられます。

 

ワシントン州の売上税は、州税(6.5%)及び地方税によって構成されています。地方税の税率は各地区の状況によります。

 

3. 給与税(Payroll Tax

 

ワシントン州で設立された会社は、州内で従業員を雇用しかつ給与を支払う場合、ワシントン雇用安全局(Washington Employment Security Department)に登録を行い、且つ四半期ごとに従業員の給与及び給与税の報告書を提出しなければなりません。雇用主はまた、各従業員の給与の最初の56,500ドルに対して失業保険税を支払う必要があります。同時に、雇用主は従業員のために労災保険税(雇用主と被雇用者が共同で負担する税種)を納付する必要があります。関係法規に違反した雇用主は罰金を科されます。罰金の金額は1,000ドルまたは毎四半期の未納付の税額の2倍のいずれか高い方に準じます。 

  

4. 年次更新(Annual Renewal

 

ワシントン州で設立された全ての会社は、ワシントン州会社法に従って維持管理されなければなりません。当該ワシントン州会社は、ワシントン州における物理的な住所を有する登録代理人を選任する必要があります。当該登録代理人の役割は、会社に代わって法律文書を受領し、毎年ワシントン州政府に年次報告書(Annual Report)を提出し、政府にビジネスライセンスを時間通りに更新することです(適用される場合)。年次報告書の提出期限は会社設立日の月の末日です。規定された期間内に報告書を提出しない会社に対して、ワシントン州政府は罰金を科し、さらに会社を解散する可能性があります。


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