Kaizen(啓源会計事務所)

海外の会社設立手続き、税制等の方面に関する情報は、Kaizenは皆様とシェアしましょう。

シンガポール出版社の開業マニュアル

2021-08-17 | 会社設立
  1. シンガポール出版社の設立手続き

 

1.1   会社設立

 

シンガポールで事業を始めるための第一歩は会社を設立することです。

 

1.2   事務所の選択

 

会社設立後、事務所として適切な場所を選択する必要があります。シンガポールに各種のオフィスがあり、投資者はその出版社のニーズ及び予算に応じて選択できます。住宅を事務所として利用する場合、住宅が私有地であるか政府の公営住宅であるかに応じて、予め都市再生局又は住宅開発庁の承認を取得する必要があります。

 

1.3   従業員の雇用

 

出版事業を始めるには、従業員を雇う必要があります。従業員は編集、販売、出版の仕事を担当します。外国人従業員を雇用する必要がある場合は、当該外国人従業員が適切な就労ビサを保有していることを確認する必要があります。

 

1.4   ライセンス・許可の申請

 

会社設立後、ライセンス・許可が必要であるか否かを確認する必要があります。

 

  1. シンガポールの出版業に関するライセンス・許可

 

2.1   新聞許可証(Newspaper Permit)

 

以下のいずれかに該当する場合、シンガポールのメディア開発庁(MDA)に新聞許可証を申請する必要があります。

 

(1)  シンガポールにおける新聞の印刷又は出版。上記の「新聞」とは、ニュース、イベントのレポートや情報、及び前述のニュース、レポート、情報のオブザベーションやコメントを指します。新聞は、任意の言語で印刷又は出版でき、その他の方法で販売したり、無料で配布したりすることができます。新聞にはまた、日刊紙、年次報告書、カタログ、会社又は協会の社内配布用の通報などの出版物が含まれます。政府の出版物は新聞に属しません。

 

(2)  シンガポールにおける海外新聞の販売又は発行。当該新聞はシンガポール国外で発行される週刊新聞であり、東南アジア国の政治及び時事ニュースを掲載し、シンガポールで発行部数が300以上である必要があります。

(3)  シンガポールにおけるマレーシアの新聞の販売又は発行。

備考:小説又は一回限定発売のアルバムの出版又は発行は、新聞許可証が不要です。

 

新聞許可証の申請手続きは以下の通りです。

 

(1)  出版物の所有者又は編集長は、新聞登記機関に申請表を提出し、以下の書類を添付する必要があります。

(i)     最近発行された出版物のサンプル。出版物が時事新聞雑誌、ファッション雑誌、エンターテインメント雑誌、健康生活雑誌、芸能音楽雑誌、女性誌又は旅行雑誌の場合は別途ライセンスを申請する必要があります。

(ii)    出版物の所有者又は編集長がシンガポール国外に居住する外国人である場合、所有者又は編集長の身分証明書及びパスポートのコピーが必要です。

(iii)   KDN(Kementerian Dalam Negeri)ライセンスのコピーの有効期限が申請日から3か月未満であり、且つ新聞がマレーシアで発行及び印刷される場合、新たなKDNライセンス及び直近3期の新聞の各2部が必要です。

(iv)   申請者が第三者である場合、代理委任状が必要です。

(2)  許可証の申請は無料ですが、海外新聞を発行しようとする場合、20万シンガポールドルの銀行保証が必要です。

(3)  申請手続きには15営業日かかります。申請が成功する場合、1年間有効な新聞許可証を取得します。

(4)  新聞許可証は他人に譲渡できません。許可証の所有者、新聞の内容の性質、新聞の名称や言語、発行頻度に変更があった場合、新たな新聞許可証を申請する必要があります。新たな新聞許可証には当該変更が反映されしなければなりません。

(5)  許可証取得後3ヶ月以内に出版物の初号を発行する必要があります。その後、各号の2部を新聞登記機関に提出する必要があります。

 

2.2   印刷ライセンス(Printing Press License)

 

シンガポールにおいてあらゆる種類の出版物を印刷する出版社を経営しようとする場合、新聞登記機関から印刷ライセンスを取得する必要があります。印刷ライセンスの申請手続きは以下の通りです。

 

(1)  印刷ライセンスを申請する前に、以下の事項を確認する必要があります。

(i)     事務所が都市更新局に認可されたこと。

(ii)    会社がACRAに登録されていること。

(2)  新聞登記機関に申請表を提出し、以下の書類を添付する必要があります。

(i)     申請者が第三者である場合の代理委任状

(ii)    印刷機械の所在地がACRAに登録されている場所と異なる場合、その所在地が印刷機械の使用に適していることを証明するために、工場長からの証明書類が必要です。

(3)  印刷ライセンスの申請が無料です。

 

(4) 申請手続きには3営業日かかります。申請が成功する場合、1年間有効な印刷ライセンスを取得します。

(5) 印刷ライセンスは他人に譲渡できません。ライセンスの所有者、印刷機械の所在地に変更があった場合、新たな印刷ライセンスを申請する必要があります。

 

2.3   電子出版ライセンス(Online Publishing License)

 

シンガポール新聞出版法により、電子ジャーナルの出版にはライセンスが不要です。但し、購読料に基づいてオンライン新聞を発行し、又はインターネットで情報を発行するコンテンツプロバイダの場合は、メディア開発庁(MDA)に登録する必要があります。

 

配信サービスの開始から14日以内にMDAにフォームを提出し、登録手続きを完了する必要があります。登録の際に、出版者の詳細、出版社の登録情報やWebサイト情報、及び出版物の性質や言語などをMDAに提供する必要があります。登録の申請者は、編集長又は電子出版物の管理を担当するその他のプランナーである必要があります。


この記事についてブログを書く
« 外商投資企業設立後の手続き―... | トップ | シンガポール貿易会社の開業... »
最新の画像もっと見る

会社設立」カテゴリの最新記事