Kaizen(啓源会計事務所)

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ベトナム会社の税務に関して

2020-10-08 | 会社設立

ベトナムにおいて設立される外資系独資会社が下記の税金を納税する義務を負います。

 

法人所得税(CIT)

 

2016年1月1日から、ベトナムの法人所得税率は22%から20%に引き下げられました。但し、石油またはガスなどの天然資源分野に従事している企業には32%~50%の税率が適用されます。より多くの投資家がベトナムに投資することを誘致するために、ベトナム政府は多くの法人税優遇措置も提供しています。具体的には以下の通りです(それらに限らず)。

 

1) 10%の優遇税率(15年間)を適用する対象

 

(i)   会社が指定された特別経済・社会条件の困難な地域、経済区及びハイテクパークにおいて新規投資プロジェクトを実施することによる収入

(ii)    会社が下記のいずれの事業分野で新規投資プロジェクトを実施することによる収入。ハイテク産業またはそのインキュベーション施設への投資、給水施設、発電所、橋梁、道路、鉄道、空港またはその他の政府が指定したインフラ施設への投資。

(iii)    会社の環境保護分野の投資プロジェクトからの収入

(iiii)   会社の生産分野の投資プロジェクトからの収入

 

2) 10%の優遇税率を適用する対象

 

(i)    会社が社会的教育と訓練、職業訓練、文化、スポーツなどに従事することによる収入

(ii)  報道法に従って、出版社が出版活動に従事すること及び印刷会社が新聞印刷に従事することによる収入

(iii)  会社が林業・農業の植栽及び植林保護事業に従事することによる収入

 

3) 17%の優遇税10年間)適用する対象

 

(i)  会社が高品質鉄鋼の製造、省エネルギー製品の製造、農業生産などのプロジェクトに従事することによる収入

(ii)  会社が特別経済・社会条件の困難な地域において新規プロジェクトを実施することによる収入

 

欠損金の繰越は発生した翌年から最大5年間認められますが、欠損金の繰り戻しは認められません。優遇税率が適用される事業活動から生じる欠損金は適用されない事業活動からの利益と相殺されることができます。また、不動産、投資プロジェクトの譲渡による欠損金をその他の事業活動からの利益と相殺することができます。

 

ベトナム法人所得税法により、企業は四半期ごとに当年の予定の損益金に基づき予定納税を行う必要があります。年次法人所得税申告書は、各会計年度末から90日以内に作成して提出しなければなりません。

 

ご注意くださいますように、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって影響された企業をサポートするために、ベトナムは2020年8月3日から中小企業の2020年分の法人税の30%減額に関する政令を発行しました。年間売上高が2,000億ベトナムドン未満の中小企業、協同組合には該当政令が適用されます。

 

付加価値税(VAT)

 

ベトナムにおける生産、貿易及び消費に使用される商品、サービス及び輸入品に対しては付加価値税が課されます。付加価値税の計算方法は控除法(売上VATから仕入VATを控除して納税額を算出する)及び直接法(付加価値額に税率を乗じて算出する)に分けられます。

 

ベトナムの付加価値税の税率は0%、5%及び10%の3段階に分けられ、且つ標準税率は10%です。

 

税率0%は輸出品または輸出サービスに適用されます。輸出品及び輸出サービスには、海外または非関税地域へ販売された物品・サービス、海外又は非関税地域で消費された物品・サービス、輸出もしくは内地輸出に用いられた加工品、免税店へ販売された物品、特定の輸出サービス、輸出加工企業に提供された建設及び据付、航空・海上及び国際輸送サービスなどが含まれています。

 

税率5%は必需品または必需的サービスに適用されます。必需品または必需的サービスには、清掃用品、教育助成、書籍、未加工食品、医薬品及び医療機器、農産品・農業サービス、科学技術サービス、砂糖、芸術品、スポーツ製品などが含まれています。

 

ベトナム外資系独資会社は原則として月次申告を行い、且つ翌月20日までに月次付加価値税申告書を提出する必要がありますが、年間売上高が500億ベトナムドン未満の会社は四半期ごとに申告できます。

 

ベトナム外資系独資会社は、自ら印刷したインボイス又は電子インボイスを使用することができます。タックスインボイスの内容には法令規定による項目が含まれなければならず、且つ会社が当地税務機関に通知して登録する必要があります。

 

 


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