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新型コロナウイルス感染症が中国での外国人の個人所得税に与える影響

2021-12-07 | 税制

御周知のように、外国人が中国に居住する日数は、当該外国人が税務上の居住者であるか非居住者であるかを判断するための重要な基準です。税務上の居住者又は非居住者という身分は、中国での個人所得税の計算及び納付に直接的に影響を与えます。

 

新型コロナウイルス感染症の影響により、中国等の多くの国は外国人の入国を停止する政策を実施しました。当該政策の実施は、当該年度の外国人の中国居住日数及び税務上の身分の判定に影響を及ぼす恐れがあります。例えば、中国で働く外国人は、海外での出張又は休暇により海外に滞在し、中国に戻ることができません。また、出張又は商談のために中国に一時的に入国した外国人は、その政策により、計画通りに帰国することができないかもしれません。

 

『中国人民共和国個人所得税法』及び『中国人民共和国個人所得税法実施条例』により、中国国内において1納税年度に累計183日以上居住する外国人は当該年度の税務上の居住者であり、1納税年度に中国滞在累計183日未満の外国人は当該年度の税務上の非居住者です。

 

中国が居住者及び非居住者に対して異なる個人所得税の計算方法が採用されているため、外国人の個人所得税を計算・申告する際に、当該外国人の税務上の身分を確認する必要があります。通常、毎年初めに個人所得税を申告する場合、当該年度の外国人従業員が中国に居住する日数を確認し、外国人従業員税務上の身分を判断した後、それらに基づいて個人所得税を申告します。

 

新型コロナウイルス感染症の拡大及び入国制限の実施により、外国人従業員の中国居住日数は、年度初に推計された結果と異なる可能性があります。

 

中国の財政部及び税務総局が発行した『非居住者個人および中国国内に住所のない居住者個人の個人所得税政策に関する公告』(2019年35号公告)により、税務上の非居住者と事前に判定されている外国人は、中国居住日数が延長されるため、税務上の居住者の条件に該当する場合、年度終了後、居住者の関連規則に従って決算・納付を行うことができます。その外国人が出国し、且つ同一年度内に再入国する予定がない場合、出国前に決算・納付を行うことができます。逆に、税務上の居住者と事前に判定されている外国人は、中国居住日数が短くなるために税務上の居住者の条件に該当しない場合、条件に該当しない日から15日以内に管轄機関に申告しなければならず、非居住者の関連規則に従って課税所得額を改めて計算し、税額を補足する必要があります(延滞税が課されない)。税金の還付が必要な場合は、規則に従って行う必要があります。

 

新型コロナウイルス感染症の影響により、外国人の個人所得税はいつでも変更される可能性があります。外国人従業員の実際状況に基づいて当該年度での居住日数を改めて計算し、必要に応じて個人所得税の計算及び申告の方法を変更することをお勧めします。


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