隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

音楽雑誌を地図代わりに~『ミュージック・ライフ 72年10月号』

2024年11月26日 12時37分57秒 | スピッツ

2024.11.24
ロック大陸漫遊記
TOKYO FM



 「11月4週目。運転中の方、お仕事中の方、暇こいてる方、いろんなシチュエーションの方がいらっしゃると思いますが、ちょっとした息抜きにしていただけたら幸いです」

 そして今日は、【ミュージック・ライフ1972年10月号で漫遊記】
 「たまにやります、音楽専門誌を地図代わりに漫遊する回」です。
 1972年と言えば、「日本ではあさま山荘事件があったり」、突然「ハチのムサシは死んだのさ~♪」と歌いだして、「とか流行っていたころ、ロックの世界ではグラムロック全盛期だった」(草野くんは「リアルタイムでは幼稚園児」)。


 オンエア
 01 コメット(スピッツ)
 02 Hang on to Yourself(David Bowie)
 03 TELEGRAM SAM(T.Rex)
 04 Wind Of Change(Peter Frampton)
 05 The Sheriff(Emerson, Lake & Palmer)
 06 Woman from Tokyo(Deep Purple)
 07 The Lamb Ran Away With the Crown(Judee Sill)
 08 SATORI PART 1(FLOWER TRAVELLIN' BAND)


 漫遊前の1曲は、スピッツで「コメット」(2016年、15thアルバム『醒めない』)。
 だいぶ肌寒くなってきたのかな? そんな季節にちょっぴり寂しい曲を・・・。
 (切なく悲しくなってくるけど、でも大好きな曲だ)

 最初の曲は、「本誌の表紙を飾っている」、David Bowieの「Hang on to Yourself」(1972年、アルバム『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars ジギー・スターダスト』/2012年、リマスター音源より)。
 「(表紙が)もうカッコよくてね。これでジャケ買いした」。
  
 高校生の頃に福岡の六本松というところにある古本屋さんで手に入れた記憶があるとか。「今はその本屋さんもないと思いますが」
 80年代のことなので、草野くんにとって「David Bowieさんは完全に後追いのファン」で、巷で流行っていた「Let’s Dance」のイメージしかなく、「実はね、『Let’s Dance』のDavid Bowieさんは苦手でした」。
David Bowie - Let's Dance (Official Video)
 で、ラジオで流れた彼の『ジギー・スターダスト』あたりを聴いて、衝撃を受けて、レコードを買って、「あの人、昔はこんなにロックでカッコよかったんや」と思い、「その後、音楽的な変遷を知って、『Let’s Dance』のカッコいいと思うようになった」。
 この雑誌の中では、「今イギリスで話題沸騰の新しいアーティスト!」として紹介されている。中性的なアーティストがブームだったということで、「マーク・ボランの次に来る人」のような扱い。

 次の曲は、「当時ブームだったグラムロックのアイコン的アーティスト」、T.Rexの「TELEGRAM SAM」(1972年、3rdアルバム『The Slider』)。
 「グラムロック」を簡単に説明すると、「グラマラス・ロック。派手にメイクをして着飾っている、中性的な雰囲気のアーティストたちのブーム」。
 今では、グラムロックとして、David Bowie、Roxy Music、Sladeなど名前を挙げることができるが、72年当時は、「グラムロックと言えば、イコールに近く、マーク・ボランさん、T.Rexだった」。
 こうして当時の雑誌を見ると、今の認識とは異なり、「それもおもしろい」。
 この雑誌では、マーク・ボランのインタビュー記事、ファッション特集も組まれている。
 下は、草野くんが「カッコいい」と言っていたジャケット。
  


 そして、Peter Framptonの「Wind Of Change」(1972年、ソロ・デビューアルバム『Wind Of Change』)。
 草野くんはロックを聴き始めたころ、「エリック・クラプトンもピーター・フランプトンも、『プランクトン』に引っ張られて、エリック・プランクトン、ピーター・プランクプトンって、ついつい言ってましたね」。最近でも「とっさに言うこと、あるかもしれない」(ええっ?)
 Peter Framptonは、60年代から、The Herd、Humble Pieのバンドのメンバーとして「そこそこ知られた方でした」。
 72年当時はまだ22歳。あまいルックスもあって、「日本ではそっちで大人気だったかもしれない」。
      
 草野くんいわく、「ルックスはアイドルっぽいが曲は意外と地味なので、最近はちょっと忘れられている感がある」。
 この『ミュージック・ライフ』では、表紙をめくって、「いきなりのカラーページに掲載されています。とってもかわいらしいです」。
 (すっかり忘れていたけれど、思い出した~)

 そして次は、Emerson, Lake & Palmerの「The Sheriff」(1972年、4thアルバム『Trilogy』/今日は2014年のリマスター音源で)。
 この10月号には、年末に向けて、アーティストの人気投票の中間発表が載っている。それによると、
  5位 T.Rex
  4位 レッド・ツェッペリン
  3位 Chicago
  2位 The Rolling Stones
  1位 Emerson, Lake & Palmer
 となっている。
 人気投票の中間発表で1位だったのは、プログレッシブロックのバンド、Emerson, Lake & Palmerでした。
 キース・エマーソン、グレッグ・レイク、カール・パーマーのスリーピースバンド。
 イメージ的には「キース・エマーソンさんのキーボードのプレイが売りのバンドという印象」。
 表紙がDavid Bowieということで、「グラムロック全盛期という観点で特集しているが、実はハードロックもプログレッシブロックもまだまだ大人気で、ビートルズの解散後ロックの多様化が進んだ時代がこの72年ごろだったと言えるのではないか」と。
 Emerson, Lake & Palmerは長い曲が多いが、その中で「ちょっと短めでポップなナンバー」ということで、この曲をセレクトしたそうです。
 (『Trilogy』とライブアルバム『展覧会の絵』は聴きつくしたなあ)


 メッセージコーナー。
 「マンドリン」を知らない人に「ギターとウクレレの中間」と言ってごまかしているリスナーさん、「マサムネさんなら、どう説明しますか?」
 マンドリンは、「『ギターとウクレレの中間』と言うにはちょっともったいない、いい楽器だよね」。
 だから、「音がきれいな、小さいギターみたいな楽器・・・というのはどうですか?」。
 「ギターとは全然違います!!という意見もあるかもしれないけど、あくまでわかりやすく説明するには・・・、これでどうでしょうかね」と。


 1972年って、どんな年だったの?
 このころは、高度経済成長の真っただ中!
 札幌冬季オリンピックが開催された。「虹と雪のバラード」♪
 あさま山荘事件があり、グアムのジャングルで戦後28年サバイブしていた横井庄一さんが帰国。
 ヒット曲は、「瀬戸の花嫁」(小柳ルミ子)、「ひとりじゃないの」(天地真理さんのモノマネで)、「ハチのムサシは死んだのさ」(平田隆夫とセルスターズ)。
 「ハチのムサシは死んだのさ」は幼稚園でみんな歌っていたそうで、「ハチのムサシって誰やろ? みつばちハッチみたいなやつかな?」とか思っていた記憶があるらしい。
 映画は『ゴッドファーザー』が大ヒット。
 アニメは『マジンガーZ』『ど根性ガエル』などが人気。
 そんな時代。

 

 次の曲は、Deep Purpleの「Woman from Tokyo」(1973年、第二期ラストアルバム『Who Do We Think We Are 紫の肖像』)。
 10月号には、彼らの初来日公演のレポートが掲載されている。
 このときのライブを収録したライブアルバム『Made in Japan ライヴ・イン・ジャパン』が世界的に大ヒット!
 日本でのライブを収録したアルバムが大ヒットする・・・というのは、チープ・トリックの『Cheap Trick at Budokan』にも繋がっていく。
 「Woman from Tokyo」は来日に際して、日本に捧げる曲として制作したそうだ。
 (わかりやすくてカッコいいなあ)

 漫遊最後は、Judee Sillの「The Lamb Ran Away With the Crown」(1972年、デビューアルバム『Judee Sill』/プロデュース:グラハム・ナッシュ/今日は2022年のリマスター音源で)。
 女性シンガーの人気投票は、
  1位 キャロル・キング
  2位 ジャニス・ジョプリン
  3位 メラニン
  4位 カレン・カーペンター
  5位 ティナ・ターナー
 と続いて、「ぎりぎり20位にJudee Sillさんが入っていました」。
 以前に、ココで特集を組んだときには、「ほとんど知られていないシンガーソングライターとして紹介しました」が、「この『ミュージック・ライフ』を読むと、当時からちゃんと聴いていらっしゃる方はいたんだな、と思いました。
 当時リリースされた、帯がついている日本盤は「ネットのオークションですごいプレミアがついているので、そんなには売れていなかったのかな」。
 巻末のモノクロページで「暗い人生経験をもった大人のシンガー」として紹介されている。
 (特集のもっと前に、ココでかけてくれてから、ときどき無性に聴きたくなるシンガーです)


 特集の終わりに。

 ほかには、ポール・マッカートニーのWings、ソロアーティストとしてのジョン・レノンの記事がしっかり載っていて、レッド・ツェッペリンの2度目の来日の記事などもある。
 「オレの好きな70年代ロックの情報がてんこ盛りの内容でした」と、「てんこ盛り」を強調して。


 今日の「ちょっぴりタイムマシン」は、FLOWER TRAVELLIN' BANDの「SATORI PART 1」(1971年、日本・アメリカ・カナダで同時リリースされたアルバム『SATORI』)。

 (イントロは、「けもの道」。ライブでは、ベースソロがイントロみたいに感じてたけど・・・。そういえば、ですよね)
 FLOWER TRAVELLIN' BANDは、人気投票の国内バンド部門では1位。
 「当時、最先端の日本のロックバンドだったんですね」
 (このころは洋楽一本だったから、印象は薄いなあ)
 内田裕也さんのプロデュースで、「その後の日本のロック界に影響を与えたバンド」なんだろうけど、「今聴くと、ルーツロックというより、独特で孤高な不思議な感じ」で、それは「ジョー山中さんの神がかりっぽいボーカルも要因かな」。
 アルバムのジャケットの「イラストもカッコよくて、「学生時代にジャケ買いしました」。
  
 曲の前に「イントロ、いきなり雄叫びが入るので、びっくりしたいでください」。


 そして来週は、「ヤンキーロックで漫遊記」。
 1980年代前半、日本ではヤンキーブーム。
 リーゼント、短ランボンタン、なめ猫、ビー・バップ・ハイスクールなどなど。
 草野くんは「個人的には洋楽ファンだったので、ヤンキー文化、ツッパリカルチャーみたいなのは、実は嫌悪していました」が、「今改めて80年代のヤンキーな音楽を聴くと、なかなかおもしろいな、興味深いな、と思い」、ちょっと聴いてみようかな、と思ったそうです。

 「草野さん、私の仕事が休みの日はだいたい雨です」
 (ああ、いたいた、そういうヤツ・・・。一緒に外遊びの計画は立てたくないなあ、とか)


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