2018.08.19 21:00~
『草野マサムネのロック大陸漫遊記』
TOKYO FM
https://www.tfm.co.jp/manyuki/
いきなりZO-3ギターで「夏が来て僕等」の「高校野球なんか見ないで~♪」を披露してくれたDJ草野! (ハスキーな声がよい)
「そうだよな~、高校野球なんて見ないよな~と共感しつつ、実は子どもの頃、めっちゃ見てました」(笑)
と。
最近は暑さがハンパではないので、
「マツコさんが言うように、そろそろドームでやるべき? 7回までで終わらせる? そうなると戦い方も変わってしまうけど」
と持論をちょこっと。
そして今夜は「スピッツメンバーと漫遊記 Part 3」。
草野「ベース 田村、ギター テツヤ・・・と続いて、さて今回は誰でしょう!ってバレバレですが。トークに関していえばスピッツの切り札的存在。場外ホームランか初級キャッチャーフライか!」
おお、なんだか冴えてるオープニングトークです!
オンエア曲
01 オーバードライブ(スピッツ)
02 Colorado Bulldog(MR. BIG)
03 Come Dancing(Jeff Beck)
04 Sparkle(山下達郎)
05 I Want Your Love(DEAD END)
06 The Weight(The Band)
07 GパンとTシャツとBOOTSで(The Wells)
漫遊前の一曲は、スピッツで「オーバードライブ」。
演奏の荒削りな勢い、アレンジの感じ、粘質的?引っ張り気味のボーカル(「?」ばかりで自信のなさがモロ)が、今のスピッツにはなくて、それが妙に好きな楽曲です。締めのドラムもカッコいい!
そして登場前に、
「野球をテーマに語ってみたくもある、スピッツのドラマー登場です」
って、オイオイ。
﨑ちゃん第一声、「野球は観るのも好きですが、やるのも好きです」(笑)。
好きなドラマ―、好きなグルーヴで選びつつ、「選曲はバラバラになっちゃったかも」。
1曲目は、MR. BIGの「Colorado Bulldog」(1993年、『Bump Ahead』)
「To Be With You」のヒット後に制作されたアルバムなんですね。
来日した際、NHKの番組で一緒になり、﨑ちゃんはリハーサルをガン見していたそうだ。
ギターのポール・ギルバートが「でかくてフレンドリー」で、「がんばれよ」と言ってくれたとか。
草野氏は「知ってる曲は結構あるんだけど、ちゃんと聴いてない」。 だけど、ふなっしーが好きなバンドに挙げていることは知っていたみたい。
ギターもドラムも超テクニカル!
﨑山「おもしろいフレーズとかがあって。ライブでドラムソロのとき歌ったりしちゃう。『ドラムソロのときはみんなトイレに行くから、だからオレは歌うんだ』とか」
草野「それ、いいね~」(笑)
﨑ちゃんはそういうところも好きだと。草野氏の「そういうところが﨑ちゃんのシンバル芸にもつながってると」にも否定しなかったな。
2曲目は、Jeff Beckの「Come Dancing」(1976年、『Wired』
草野「ロックの歴史では偉大なギタリストなんだけど、実はオレ、あんまり聴いてないんだよね。Beck, Bogert & Appice(1972~74年活動のスリーピース・ロックバンド)はそこそこ聴いたんだけど」
フージョンとか、ちょっと「アダルトな」路線を進んだジェフ・ベックを二人で「うんうん、そうだね」と確認して(笑)。
﨑ちゃんはジェフ・ベックと活動をともにしたドラマーの中で、ナラダ・マイケル・ウォルデンの演奏に惹かれたそうだ。
﨑「もう一人、エド・グリーンともやってるんだけどね」がよくわからなくて調べたら、「Dance Coming」で二人のドラマーが演奏してるのかな? ちょっと不明です。
﨑ちゃんはナラダ・マイケル・ウォルデン(彼は「さん付け」でした)のクセのある演奏に驚いたと。
﨑ちゃんは「それまではハードロックのストレートなドラムが好きだったから、少しレイドバックしたようなグルーヴな感じが新鮮だった」と。
草野「ジェフ・ベックがそういう人を選ぶんだろうね」
﨑ちゃんは好きになって、いっときコピーしてたそうだけど、「でもシンプルなんだけどクセのあるグルーヴって、なかなか出せないよね」。
ドラムで始まるこの楽曲は、フージョンの要素もありの、ちょっと大人な雰囲気。そういえば、﨑ちゃんがアマチュアの頃ジャズドラマーに師事したことあったのでは??
曲終わりで、
草野「気持ちのいいリズム。マネしたくてもできないっていうのはわかる気がする。シンプルなのにカッコいいプレイっていうのはなかなかマネできない。その人の体から出てきているっていうのがあるからね」」
﨑山「ベースの人の切る感覚(カッティングのことかな)も好きなんだよね」
そして3曲目は、山下達郎の「Sparkle」(1982年、『For You』)。
バックで演奏するドラマーの青山純さんが「大好き」と。
﨑ちゃんがうれしそうに勢い込んで「青山純さんのお話をさせてもらいたいんですけど・・・」と言うのをきいて、楽しそうな笑い声をあげる草野くん。
青山さんは、基本的にフルショットのドラマー。常に強い音を出す。数限りないアーティストのバックで演奏しているけれど(ミーシャとか)、その姿勢を崩すことはなかったと。
﨑山「CDは加工されてしまうけれど、ライブでは音はデカイまま」
「オレのタッチはロックタッチ!」(カッコいい)と、﨑ちゃん自身もその姿勢で今までやってきた、そういう共通点があると言う。
草野「実は、この番組でSparkleを流すのは2回目」(ココでギター初心者の頃を話しています)
ギター教室での課題曲だったことを話して、「いつかスピッツでカバーしてもいいね。でも誰にも聴かせずにヒミツの特訓曲として」。いやいや、聴かせてください・・・。
﨑ちゃんがいつも参加している年末のイベントで山下達郎特集をやったときの1曲目がこれだったとか。
そして、DEAD ENDの「I Want Your Love」(1989年、4th『ZERO』。
草野くんの笑いを含んだ「DEAD END !」の言い方に「来ましたか!」感が察せられておかしかった。
彼らの世代の中では、「DEAD ENDは革新的なバンド」「早すぎたバンド」「ジャパメタの枠にとらわれないバンド」「メタルとオルタナの美味しいところどりなバンド」だったと。
草野少年は「モーリーさんのシャウトがすげーカッコよかった。自分はシャウトできないから」
﨑ちゃんが影響を受けたドラムの湊雅史さん(DEAD END時代はMINATO)。若いときにヘビメタバンドの草分けSABER TIGERに入って、脱退後、DEAD ENDに。
﨑ちゃんは参加したドラムのサマースクールでゲストに来た湊さんのドラムを「いちばん光っていた。スネアの切れ味がすごかった」と。
実力派の彼は今でも売れっ子で、「民生さんのバックでも叩いている」(﨑山)そうだ。
草野「親しいの?」
﨑山「ちゃんと話したことはない」
草野「そうなんだ~。ドラマーは職人の組合(笑)みたいに横のつながりがあるから」
﨑ちゃんが言う「ゾクッとする。シンプルだけど切れ味のいいナイフみたい」に、草野くんは「わかるわかる。メタルはやっぱりドラム大事だもんね」と応じていました。
今回知ったのだけれど、X JAPANのYOSHIKIをはじめ、多くのアーティストがボーリストとしてのモーリー、ドラマーとしてのMINATOに影響を受けてリスペクトしている。
たしかに、この曲、声も魅力的だし、イントロからドラムの音がかっこいいですね~。
曲終わりで、草野くんは「この頃はそんなにシャウトしてなくて、ちょっとポップな感じ?」と。その後のビジュアル系バンドのルーツとも言われているとか。当時、DEAD ENDやREACTIONらの登場で、「またすごいのが出てきたな」と思ったことを思い出したと。
そして最後は、The Bandで「The Weight」(1968年、1st『Music from Big Pink』)
草野「ジェフ・ベックと同じで、大人なイメージがあって。The Bandにはまるほど、まだ大人になってないのかな(笑)。バンドマンとしてCDは持ってるんだけど」
﨑ちゃんが言うには、彼ら特有なグルーヴがあり、それはマネできない、と山下達郎もインタビューで語っていたとか。
メンバーがそれぞれに複数の楽器を演奏できるらしいし、﨑ちゃん曰く「ドラマーがメインボーカルをつとめたりする」んだそうだ。
「3連符とか、8とか16とか、いろんなものを感じさせる」と﨑ちゃん。
それを受けて、「なんだろうね~。シンプルのようで、じつは考えられてる・・・?」と草野くん。
私にとってThe Bandはボブ・ディランつながりでしか認識がなく・・・。
Bob Dylan and The Band - Like A Rolling Stone (rare live footage)
最後に、
草野「1人じゃないと、あっという間(に番組が終わる)」
そして、
草野「選曲がばらけるっていうのはドラマーらしいな。やっぱりジャンルを飛び越えて音楽を聴ける人がドラマーには多いのかな、って気がするけどね」
そして最後はこのコーナー、「ちょっぴりタイムマシーン」。
楽曲は、The Wellsの「GパンとTシャツとBOOTSで」(1990年、1st『Rough Labour』)。
スピッツ結成間もない頃、よく対バンをしたというThe Wells。
草野くんが初めて対バン相手に「衝撃を受け、敗北感を味わった」のがこのバンドだったと。
﨑山「すごかったよね!」
﨑ちゃん自身は、ドラムのお兄ちゃん(ベーシストの兄貴だったので、バンド仲間からもこう呼ばれていた)に、
「ラッシュを教えてもらったり(バンドのRushのこと?)、CDをダビングしてもらったり、ドラムを借りたり」、いろいろお世話になって、﨑ちゃんにとっても「ドラマーとしてのお兄ちゃん」的存在とか。
「ホコ天も一緒にやったね~」とか、「お兄ちゃんとジュンスカの小林君と呑んだ」のは﨑ちゃんにとって初めてのドラマー飲み会とか、そんな話題も。
スピッツメンバーは今でもこの歌を口ずさむことがあるそうで、「今でも、GパンとTシャツとブーツがあれば大丈夫!」という気がするって。
ただし、CDもいいけど、彼らの「ライブの圧」がすごい!と二人の共通認識です。
ぼくらの唄 - The Wells
2回くらいライブを見たことがあるけれど、演奏もボーカルもすごくうまいなあと感じた記憶が鮮烈。
最後に、
草野「また助けに来てください」
﨑山「曲選ぶの、楽しかった」
こんなやりとり。
草野くんの「次はまた、横浜銀蝿とか聴かせてください」に﨑ちゃんが晴れやかに笑い声をあげていたけれど、たしかにLOUDNESSとかそういうイメージ強いので、今回の選曲も、「こういうところが好き」という﨑ちゃんの説明もとても新鮮でおもしろかったなあ。
メンバー登場の3回分を聴いて、なにげないやりとりの中に、バンド名やアーティスト名が共通語彙としてあるっていうのは、いいなと単純に思いました。
ルーツも年代も似ているから同じ空気の中で盛り上がれるし、それぞれの音楽の好みの違いが刺激にもなる。
草野くんも、「知らない曲もあったし、知っている曲でも聴き方をかえると新鮮に感じられた」と言っていたけれど、こうやって、淀むことなく空気が流れているというのは凄いことです。
音楽性の違いがあったとして、それが原因で離れるバンドもあるだろうし(それはそれで理解できる)、そこをお互いに認めつつやってきたスピッツの強みを見せてもらえた「メンバーと漫遊記」だったのかもしれませんね。
来週は、11月のモンパチイベント参加を記念して?、「沖縄のバンドで漫遊記」だそうです!
http://www.www800.asia/2018/