隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

ロック最高!とこれしか言えません~「NANO-MUGEN FES.2009」

2009年07月22日 22時08分13秒 | ライブリポート(スピッツ)
NANO-MUGEN FES.2009 (2009.07.20 横浜アリーナ)

 すばらしいフェスだった。 今、日本の音楽シーンでは、ロックやバンドが中心にいるとは言いがたいかもしれないけど、やっぱりロックはいい!という思いを改めて感じた一日だった。

■MCアジカンの重い
 こういうフェスって楽器交換やサウンドチェックの間の微妙な退屈感があるんだけど、今回はそれがうま~く演出されていた。
 もちろんフードエリアでいろいろ物色しつつ腹ごしらえしていてもいいんだけど(全国の名物屋台的な感じで、美味しいし値段も抑え気味だったと思う)、そうそう食ってばかりもいられない。
 そういう時間にアジカンのメンバーがステージや客の入っていない3階正面席に現れてくれる。軽妙なやりとりがおもしろくて、会場にあったかい空気が流れる。「音良し、お客さん良し、伊地知き良し」の連発には笑ってしまった。ゆる~いキャラだったんですか?
 今年のテーマは「フェスに来てまでドラクエやるか!?」(笑)。後藤さんは冗談のように言ってたけど(「カルチャーショック」って)、案外マジ?(笑) ま、メンバーもドラクエもってきたらしいし。
 会場で実際にドラクエやっているおじさんをスクリーンに映してみたり、笑いを誘っていた。
 こういうフェスに対する考え方、洋楽邦楽という垣根をとっぱらおうよという願い(昔は洋楽だけだった、という私も最近はあまりチェックしなくなっていたし、また聴いてみようかな)、音楽って楽しいよねというメンバーの思い…、そういうものがいろんなところで感じられた一日だった。


■客の煽り方、ハンパじゃない洋楽バンドの皆さま
 日本のバンドだって最近はすごいけど、洋楽バンドの煽り方はハンパじゃない。楽しい時間はもっと楽しくしなくちゃ、ってとこだ。客をおいてきぼりにして勝手に突っ走って去っていくバンドも嫌いじゃないんだけど、この日はみんなサービス精神100%な感じ。
 オープニングアクトのFARRAH(さっき調べたら、今回はメンバーの中から男(ボーカル&アコギ&キーボード)女(ベース)2人)がアコースティックなライブを。さわやかな雰囲気で始まったけど、客席へのアプローチも熱くて。いつの間にかスタンディングエリアも盛り上がっていた。ロックバンドとしてのパフォーマンスもみてみたい。

 そして、スピッツ草野もiPodに入れて聴いているというNada Surf。メチャメチャよかった!
 3ピース(ボーカル&ギター、ベース、ドラムス)なんだけど、音がものすごく重くて、私にはアレンジがシンプルに聴こえてよかった。メロディーも際立っている感じ。アルバムを1枚だけ聴いたことがあるのだが、ライブパフォーマンスの心地よいデカさに圧倒された。
 「シンプル」なダンスをお願いね、ということで、ただ左右に触れるだけの動きを要求するボーカル。そのシンプルなステップだけでスタンディングエリアが揺れていたのを上から見ていてほんとうに気持ちよかった。
 パンフでアジカンが「こんな良質のバンドが来日したことがないなんて」と書いていたが、それなら貴重な経験をさせてもらたんだな。
 そうそう、ステージを去るときにデジカメで会場を撮影して、「みんな、チーズ!」ってオチャメなところも。いえいえ、最近は「チーズ」ってあんまり言わない?

 そしてサイドステージでのTHE YOUNG PUNX
 オフィシャルページに「UKダンスプロデュサー2人から結成されるザ・ヤング・パンクス! ロック×ハウス×ブレイクビーツ×ドラムンベースをアナーキーにmashup(マッシュアップ)し、さらにユーモアを加えた音作りが大きな話題を呼び、ファットボーイ・スリムから「最もぶっちぎりでキャッチーな飛びっきりなやつらだ!」と書いてあったけど(正直、私にはよくわからん)。
 でも楽しさと客を煽る煽るのパフォーマンスで気持ちよく酔ってしまった。ダンスユニット全盛のシーンを思えば、会場が揺れるのは十分納得。
 オープニングの曲はアジカンの「Understand」のカバー。盛り上がらないわけないね。サイドステージのパフォーマンスなのに、アリーナ全部が揺れてたもの。

 そして、私だって知ってるBEN FOLDS。ドラマ「ロンバケ」で知った人も多い? もちろんパフォーマンスははじめてだったのだが、もう「ロック」です! これ以上アグレッシブなピアノ演奏はない?っていうくらい。
 曲は「Philosophy」「ヒロシマ」しか知らなかったけど(恥)、そんなこと関係なく楽しめた。
 アジカンがMCで「ピアノを打楽器のように弾く」と言ってたけど、スクリーンに映る指先はまさしくそんな感じ。
 でもそれはたぶんどうでもいいことで(?)、すてきなのは3人(+ギター+ゴラムス)の歌がすごいってこと。声もいいし、迫ってくるものがあるし。
 たぶん私はそれほどのめりこまないだろうけど、でもこのライブを経験できたことはよかった。
 BEN FOLDSはピアノ演奏とは関係なく(はないけど)、からだ全体がパフォーマンスなんだな。エルトン・ジョンがグランドピアノに寝っ転がって演奏したのを思い出した。
 最後、椅子をピアノめがけて放り投げてたように見えたんだけど、そうだった?

 さっきと反対のサイドステージに登場したのはHard-Fi(「ハードファイ」と読む)。なんか妖しい4人組(笑)。腰のひねり方といい、客を煽る感じといい、なんか妖しい(笑)。ついでにボーカルの眉毛も妖しいの(関係ないけど、私の主観)。
 ちょっと引いて見てたんだけど、演奏が進むにつれて違和感なくノッている自分に気づいた。愕然…。
 曲名をちゃんと教えてくれるサービス精神。だけど早くて私にはよくわからない(演奏が始まって、歌詞からもれてくる単語で「あ、さっきのはタイトルだったんだ~」って)。
 上から見る限りでは、最初はステージ前あたりのコアなファンっぽい集団だけ揺れていたように見えたけれど、最後の曲で気づいたらスタンディングエリア全体がたしかに揺れていたな。引っ張っていく力に脱帽だ!
 妖しいけど、最後は「かっこいいな」と思わされてしまった。

 今回のフェスのメインイベントとも思われていたマニック・ストリート・プリーチャーズ。残念ながらベーシストの急病で急遽キャンセル。アジカンのメンバーがMCで何度も「残念」と言っていたが、がっくりしているようすがうかがえた。
 今見てきたら、なかなかドラマチックというか、紆余曲折な経歴のバンドなんですね。
 その彼らが大みそかに主催したカウントダウンのライブ(5万人収容というスタジアムで)での3曲の演奏ビデオをスクリーンで流してくれたんだけど、アジカンのがっかりがよくわかりました。ホント、来てほしかったな。
 とにかくかっこいい大人のロックバンド!という感じかな。大人といっても決して「落ち着いている」とかそういうのではなく「深い」ということかな。激しいんだけどパフォーマンスだけじゃなく中身が限りなく奥深い。
 スクリーンでのパフォーマンスなのに、そういうことを忘れて見入ってしまって「拍手」。あとで「みんながビデオなのに拍手してくれてうれしかった」と後藤さんも言ってました。
 スクリーンの中のオーディエンスが全然統一感なんてなく各自好き好きに盛り上がっているさまが、やっぱりロックの王国だな、と。


■サカナクション!!!
 マニック・ストリート・プリーチャーズが不参加ということでタイムテーブルがちょっと変更になったのだけれど、そのあたりを正確に把握していなかった私たちのミス。
 フードエリアでの腹ごしらえのあと会場に戻ったら、なんか心地よい空気感。ああ、それがサカナクションの演奏だったのだ。
 で、残された曲は2曲。ああ…。その最後の曲(「ナイトフィッシング 」らしいのですが)の終わり方というか、その感じが今まで経験しなかった広がりのある雰囲気で。
 ツレはそこだけで気になったようで、さっそく帰りにツタヤでレンタルしようとして、「貸し出されてた…」とがっくりきていました(たぶんすぐにネットで検索したはず)。
 アジカンのコメントも「大絶賛」という感じで、「これからのロックシーンを担う」的な後輩への最大の賛辞。
 アルバムチェックだな。
 ちなみに堂々たる演奏とは裏腹に、MCでかみまくっていたのは緊張から? 初々しい…。


■ユニコーン、虫の音のSEとともに
【セットリスト】(順番は自信なし)
◎ひまわり
◎服部 
◎BLACK TIGER 
◎自転車泥棒 
◎すばらしい日々 
◎WAO! 
◎ヒゲとボイン 
◎HELLO 


 新旧とりまぜてのラインナップ。フェス向けにはOKですね。
 秋の虫やらセミの声やらでの登場には会場もメンバーも苦笑い? これ、やっぱりユニコーン!ってことですか。
 実はリアルタイムではあまりユニコーンには食指が動かなかった私なのですが、奥田民生ソロにははまってしまったので、ユニコーンの曲、けっこう知ってるんだ~と再発見。ライブはもちろんはじめて。
 グレーっぽいつなぎのユニフォームがダラダラ感を際立たせるけど、そして「こんな大きな会場ではやったことないんで…」という民生MCには笑ってしまうけど、でも演奏が始まるとタイトで安心感があって、さすがだった。
 あちこちのレビューで再結成してからのほうがパワーある?とか書かれていたけど、迫力十分、遊び心たっぷりなライブだった。一人一人がパフォーマーということか。
 会場の盛り上がりもヒートアップしすぎって感じで。みんな「待ってたぜ」という表情だった。
 私としては「服部」になぜか感動。あとできいたら、再結成ツアーでもこれはやらなかったとか? 「すばらしい日々」は民生ライブでも何度か聴いているけれど、いい曲だなあ。
 私としては、バックでコーラスやってる奥田民生でさえ新鮮だった。


■「今」~「放浪カモメはどこまでも」で「おおっ!」
 ロックなスピッツ全開なはじまり!
【セットリスト】(以下は間違いないと思います)
◎今
◎放浪カモメはどこまでも
◎チェリー
◎スパイダー
◎ガーベラ
◎8823
◎俺のすべて
◎僕のギター


 暗転したステージが「今」のイントロとともに白い光で浮かび上がった瞬間、会場に気持ちのいいどよめき。ステージ上の4人がいつもの位置でガチッと決める。CDではアコギがタイトなカッティングを聴かせるが、ステージではエレキ2本。
 そこから続くのは「放浪カモメはどこまでも」。この流れは最高。もう、これしかないでしょ! アルバム「ハヤブサ」のこの流れはいまだに心地よい。
 ロックなモードのスピッツに一気に熱くなったあとは、一転、「チェリー」。そこここから聞こえる「おーって」という反応。ファンじゃなくても知っている曲、ということか。つづく「スパイダー」もプレ「ロビンソン」的な存在だから、よく知られた曲。左右への手振りがスタンディングエリアだけじゃなくスタンド席にも広がる。
 そして「ガーベラ」。この世界観のある曲をアリーナで聴くことができるとは思わなかった。声がしっかり伸びて届いて、ただのバラードじゃないぞ、と教えてくれる。私には、歌詞の広がりと、いろいろ想像させてくれる危うい妖しさがたまらない作品。
 ヒット三部作以外を知らない人にぜひぜひ聴いてほしいのがライブでの「夜を駆ける」なんだけど、この「ガーベラ」でもよかったな、とつくづく満足。この人、歌うまくなったよなあ(なんて、失礼な言い方ですが)。
 ちょっと長めのまったりMCのあとは、「8823」~「俺のすべて」。ライブに何度も足を運ぶファンのなかには「また?」とか「マンネリ」とか言う人もいるかもしれないけど、こういうフェスではじめてスピッツのライブを見た人には、きっとかっこよく映ったと思うなあ。
 テツヤのタイトな演奏、開脚も絶好調で飛び降りる田村、後ろでしっかり支える崎ちゃんのドラミング、目一杯がんばってステージの端からタンバリンを振り上げるボーカル。「いつもながら」でも、やっぱり感動。
 そして、あっという間のラストは「僕のギター」。これ、ライブでこんなに映えるとは思ってなかったな、アルバムを聴いたときには。
 ミディアムなテンポで優しい歌詞(おおげさじゃない言葉だけで、ひそかにこのバンドの未来を見せてくれる)でも、徐々に大きく広がりのある盛り上がりを見せるアレンジ。スクリーンに大写しになったテツヤの手元のかっこよさ。ちょっと感動だ。
 「ありがとう! 楽しかったです」
 いつの間にか会場に不思議な一体感を作り上げて、4人はなにげなく消えていきました。
 さて、MCをちょこっと紹介(こんなまったりMCやってたのはスピッツだけでしたが)。ニュアンスなんで正確じゃありません。悪しからず。
「久しぶりのライブなんで、ちょっと緊張しています」
「ここ1、2年は呼んでいただけないのかなと思っていたけど、今回は本当にうれしい」というような第一声。
「横浜アリーナははじめて」と草野とテツヤ。
 草野「このフェスのなにがすごいって、交渉してるってこと」(場内笑い)「噂によるとメンバーが直接交渉することもあるっていうし。
 テツヤ「それって英語がぺらぺらってことだから」
 その流れで、海外でのルームサービスでの失敗談。
 草野「『Cheeseburger, please』(これを英語っぽい発音で)って注文したあと『以上です』ってどう言えばいいかわかんなくて『The end.』って言っちゃったよ」 (草野君、それは『That’s all.』でいいんだよ)(笑)
 テツヤ「俺なんて、『あれとって』でも通じたよ」と微妙な流れ(笑)。
 草野「(こんなMCで)ちょっと涼しくなってきましたか(笑)」のあと、「がんばるぞ!」ってちょっと力込めて会場の笑いを誘う。そこから「8823」へとなだれ込む。
 今回、スピッツの前にかなり時間があって、いつもより入念なサウンドチェックができたようなんだけれど、そうせいかどうか、音がすごくよかったように感じたのは私だけかなあ。
 それから緊張のせいか、最初ボーカルの声の通りが悪かったような。心配したけれど、そのあとは十分すぎるくらいののびやかな声だった。
 「スピッツ、ロックやねえ」と関西弁のお姉さんが興奮して誰かにしゃべってたっけ。こういう感想、絶対に多いと思う。
 セットリストは「スピッツってこういうバンドです」と伝えるのに十分説得力があったと思う。ほかにもいい曲がありすぎなのだが(キャリアもあるし)、難産の末に選ぶとして、かなりいい線のような気がする。
 ほんとうにいろんな「顔」をもったロックバンドだっていうことを改めて知った思いだ。
 「亀の恩返し」のアットホーム的な中でのスピッツもいいけど、今回のようなアウェイなところでの気合十分なスピッツは「かっこいい」よ、絶対に!


■アジカン、すごいな!
 インストロメンタルでスタート。それだけで,アジアン・カンフー・ジェネレーションの実力が伝わる感じ。
 すべてのアルバムをちゃんと聴いているわけではない私には残念ながらセットリストをここにかかげられないけど、知っている曲もたくさん演奏してくれた。ベスト的なセットリストだったのかどうかは不明。
 ツレは最近アジカンにはまって徐々にチェックしてる途中なんだけど、「アジカンってさ、ライブを想定してアルバムをつくってるんだな。CDそのままでライブできる感じだ」とのこと。
 最初の曲は「夜のコール」(これは「NANO-MUGEN COMPILATION 2009」におさめられた彼らの新曲。そのほか、「夏の日、残像」「リライト」「アンダースタンド」「君という花」「転がる岩、君に朝が降る」、そしてアンコールは「ループ&ループ」から「ワールドワールドワールド」へ。
 そのどれもが疾走感と重厚感?にあふれていて、ブレない強さがある。
 さすが主催者! 会場の盛り上がりは最高潮に達して、いかにこのバンドを愛しているかがストレートに伝わってくる。
 途中でフェスにまつわるMCでは、参加してくれたアーティストへの感謝とオーディエンスへの感謝を真摯にあらわし、音楽への思いを語る。
 「この空気がアリーナから抜けていって外に伝わっていけばいいな」などと。
 まじめな素朴なキャラが伝わってきた。
 そうそう、「昨日(初日)とは雰囲気がちがう。今日はアダルトチーム?(笑)」なんてことも言ってたっけ。「だって、スタンディングエリアで待っているとき、座っている人が今日は圧倒的に多かったもん」
 そりゃ、しかたないですよ、後藤さん。邦楽バンド、19日はストレイテナーとthe HIATUS、20日はユニコーンとスピッツですから(笑)。
 最後はものすごい量の紙吹雪が「発射」されてスタンディングエリアの前方を覆う様子に見とれました。



 満足感いっぱいでアリーナをあとにしました。アジカン、改めてありがとうございました。

 最後にちょっとだけ。
 アジカンのメンバーも最初に注意をうながしていたけど、スタンディングエリアに行くときは、スタンド席に荷物を置かないで、って。それは守ってほしいな。
 それからもうひとつ。ま、これは人の自由でしょ、ってことなんだけど。
 ユニコーン、スピッツが終わったところで(とくにスピッツかな)会場をあとにした結構おおぜいのみなさん。
 せっかくだから最後まで聴いていけばよかったのに。フェスでの新しい音楽との出会いっていうのもいいもんですよ。



ココで、オフィシャルページのレポが見られます。

コチラでは、RO69の最速ライブレポートが。



 いつもいつもだらだら~な文章を読んでくださって、ありがとうございます。

【追記】
ツレのひと言(ツレは男子です)
「マサムネさん、髪長すぎない? もうちょっとでマッシュになるよ。40代のマッシュってどーなの?」(マズイでしょ)
 その男子は、「俺のすべて」でがんばって(笑)ステージ脇にきたボーカルを見て、「フッ」って笑っていました(あ、これは愛ある「フッ」ね。

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