2022.01.23
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
放送よりもかなり前に録音しているので、今「どのくらい寒いのか」「新型コロナの状況がどうなっているのか」、草野くんはわからない中でおしゃべりしている。
(はい、今日はかなり寒いし、コロナも見通しがはっきりしません)
草野「でも寒いので、ご自愛しつつ、この冬を乗り越えていきましょう」
そして、今回は、【新春スペシャル・スピッツメンバーで漫遊記2022: 﨑山龍男編】 。
大トリを飾るのは・・・、
﨑ちゃん「体調は万全です! えー、スピッツのドラムの﨑山達男です」
さてさて、昨年の﨑ちゃん登場の回のテーマは、「﨑ちゃんが家で一人で練習していた曲!で漫遊記」(コチラ)でしたっけ。
草野「激しめな曲が多かったよね」
「若いバンドの激しい楽曲」「ロック大陸!」というような選曲だったと。さて、今回は?
オンエア曲
01 君が思い出になる前に(スピッツ)
02 春夏秋冬(泉谷しげる)
03 星空のディスタンス(ALFEE)
04 お祭り(上田現)
05 SAY YES(CHAGE and ASKA)
06 Only You(BOØWY)
07 本能(椎名林檎)
08 Keeps Me Runnin’(Sing Like Talking)
漫遊前の一曲は、「あ、久しぶりです」と草野くん、スピッツの「君が思い出になる前に」(1993年、4thアルバム『Crispy!』/7thのシングル)。
(お、意外な選曲。こうきましたか。この曲、リリース当時より今のほうが心に響くなあ。年とったのかな)
「なんでこの曲を選んだのか」というと、この曲のドラムプレイは、今回あとでかかる曲のどなたかのドラムプレイを参考にしているんだそうです。
そこで今回のテーマは、「大尊敬する日本人ドラマーで漫遊記」。
「またドラマーにこだわってしまうんですけど」という言葉に、ちょっと笑う草野くん。
﨑ちゃん「去年(の特集で)は年下のドラマーが多かったけど、今年はちょっと年上のドラマーで」
ただの「尊敬」ではなく「大尊敬」している、「大いなるリスペクトをしている先輩ドラマー」ということで。
最初の曲は、泉谷しげるさんの「春夏秋冬」(1993年、ベストアルバム『自画自賛』/1972年、デビューアルバム『春夏秋冬』)。
(懐かしい・・・)
もともとは「フォークの名曲」だったが、ここでは「モダンなロックアレンジ」されている。
ドラムと言えば、最初に名前があがる、「musician’s musicianの村上ポンタさん」が参加。
﨑ちゃんは2回ほど会ったことがあるという。
そのころ、「歌うドラム」ということを考えていて、影響を受けた。
ポンタさんはインストルメンタルやfusionやっていたり、矢沢永吉さんをはじめ多くのミュージシャンのバックで演奏していたが、﨑ちゃんの中で「歌うドラム」というと、この「春夏秋冬」の演奏だと。
泉谷さんの歌があって、その中でドラムが前に出て「歌ったり」、バックに徹したり・・・。その「出たり引いたり」(「やりすぎず、やらなすぎず」も含めて、インタビューなどで﨑ちゃんがよく使う表現だ)が「歌うドラム」だ。
村上“ポンタ”秀一【翼をください】赤い鳥コンサート
(﨑ちゃんが選んだ理由に対して、この動画は適切ではないかもしれないけれど、赤い鳥時代のポンタさんの映像が見られるなんて・・・ということで)
また、この番組はフルで流すのを基本にしているけれど、「今日は曲が長めなので、途中でフェイドアウト」することもある、と。
次は、ALFEEの「星空のディスタンス」(1984年、17thシングル』)。
このバックでドラムを叩いているのは、山木秀夫さん。
この曲はいろいろな人がバックでドラムを叩いているそうだけど、「バージョンによって違う」。
山木さんは、SHOGUNの初期のころのメンバーだった。
﨑ちゃんがこの曲に出会ったのは、高校2年のころ。「あの頃、流行ってたよね~」と。
﨑ちゃんの楽器がベースからドラムにかわった頃で、「ラウドネスを中心に練習してたけれど」、この曲にもチャレンジ。
草野「(笑)叩きたくなるよね~。ドコドコドコドコ・・・」
﨑ちゃんは年末のコピーバンドのイベントで「この曲を本格的にやりました」と。
草野くんも当時、ギターソロをコピーしたという思い出があるそうだ。
次の曲は、上田現さんの「お祭り」(1991年、ソロデビューアルバム『コリアンドル』)。
ドラムは青山純さん。
キャリアもあり、山下達郎さんのレギュラードラマーとしても知られる、「トップのセッションドラマー」。
﨑ちゃん「一発入魂というか、一発一発をビシッと叩く人」
スピッツのプロデューサーでもあった笹路正徳や土方隆行さんらとササジーズを組んで活動していたこともある。
この曲は「好きな曲で、ラジオなんかに出るとリクエスト曲にあげたりしていた」そうだ。
草野「ああ、そうだ。だからよく聴いていた気がするんだ」
「(上田現さんは)レピッシュの中でもミステリアスな感じ。(レピッシュは)普段は元気な曲が多いけど、上田現さんが作った曲はちょっと神秘的だった」と草野くん。
上田現 お祭り
(ステキなPV。そして、光景が浮かぶ歌詞のせつなさ)
こちらも。
今剛「Lost In Asia」 青山純Super Sessions feat.今剛×伊藤広規×KAZ南沢×エルトン永田×Mac清水 LIVE! Digest
(聴き惚れますね~)
そして次は、CHAGE and ASKAの「SAY YES」(1980年、7thアルバム『Back in Black』)。
ドラムは、江口信夫さん。
キャリアも長く、チャゲアス、ユーミン、槇原敬之さんら、多くのミュージシャンの曲に参加している。
少し前にスピッツがカバーした「YAH YAH YAH」も江口さんのドラムで、「知らず知らずのうちに、江口さんのプレイを耳にしてるんだね」と草野くん。
音楽の神様 江口信夫
﨑ちゃん曰く、「(江口さんのプレイは)1発で決めて、手数が多め」
今回の漫遊前の一曲「君が思い出になる前に」のレコーディングの際には、﨑ちゃんは江口さんの「SAY YES」のプレイを参考にしたそうだ。
(いい曲だなあ。この二人のハーモニーの気品。耳の届くドラムの音まで優雅)
曲終わりに、
草野くんは「なるほどね」と納得したうえで、当時「ZARDみたいな曲を作って売れなくちゃ」と思っていて、「(この「SAY YES」は)当時のポップスのお手本みたいな曲だったね」と。
前半終わったところで、「(時間の過ぎるのが)結構はやいね」と。
草野くんに「尊敬するドラマーの曲を聴いていると勉強モードになるんじゃない?」と言われていました。
(﨑ちゃんは練習も熱心にやるドラマーだしね~)
メッセージコーナー。
学生時代は剣道部に所属していた﨑ちゃん、「得意な技や好きな技は?」。
﨑ちゃんのお得意は「出小手」。
(「相手が面に入ろうとして手が上がったところを、小手に打ち込む技」だそうです)
「背が低かったから、大きい相手に下からはやく攻めるしかなかった」と。
草野くんも小学校のころ習っていて、高校の授業でも剣道があったので、「面や胴と違って、小手ってなかなか審判がとってくれない」という印象があった。
﨑ちゃん「ちゃんと決まればとってくれるけど、面や胴と違って音がしにくい。パコッとか・・・」
MAN WITH A MISSIONから、「スピッツメンバーがイヌの被り物をするとしたら?」と妄想したリスナーさん。
「﨑ちゃんは秋田犬、リーダーはゴールデンレトリバー・・・」。さてさて・・・。
草野「みんなスピッツの被り物をするのは?」のあとで、「﨑ちゃん・秋田犬、田村・ゴールデンレトリバーなら、テツヤはダルメシアン?」
﨑ちゃん「それともボルゾイ。細くて大きい・・・」
草野くん「ああ、ボルゾイがサングラスかけてるやつね」
(断然、ボルゾイ! さすが犬派の﨑ちゃん)
草野くん、自分は「似てない」ということで、パグをあげていました。
﨑ちゃん「かわいいね~。ペチャンコの顔がかわいい」
次は、BOØWYの「Only You」(1986年、5thアルバム『BEAT EMOTION』)。
ドラムは高橋まことさん。
若いときから、BOØWYは好きだった﨑ちゃん。「高校のころ、BOØWYのコピーをやりだす同級生がいたんだよね」
そうか、「同じ北関東のバンド」なんですね~。
「疾走感のある8ビート」「たまにシンコペーションが入る」ドラム。「ミスター・エイトビート」の異名あり。
還暦のお祝いに若手のドラマーが裏地に「ミスター・エイトビート」の刺繍入りの赤い革ジャンをプレゼントしたが、「まことさん、しばらくはその革ジャンばかり着ていた」そうだ。
草野「その後のGLAYやLUNA SEAにそのビート感が引き継がれている楽曲もあるよね」
﨑ちゃん曰く、速い8ビートをかっこよく叩くのは難しいんだそうだ。
(ファンではなくても知っている曲!)
最後は、椎名林檎さんの「本能」(1999年、4thシングル)。
ドラムは村石雅行さん。最近はスキマスイッチのバックでも演奏しているそうだ。
(wikiを見たら、吉田拓郎、ユーミン、ドリカムなど、多くのミュージシャンのバックで演奏されている・・・)
最初の出会いは・・・。
スピッツがデビュー間もないころに出演した、名古屋市民会館でのイベント。
嘉門達夫さんやクライズラー&カンパニーらが出演していたが、村石さんは当時クライズラー&カンパニーのバックでも叩いていたそうだ。
草野「椎名林檎さんの『本能』でも、いい感じでswingしてるよね。いいグルーヴだよね」
「ゴーストノート」という小さい音にもswing感があって、﨑ちゃんはそこがとても好きなんだそうです。
特集の最後に一言。
﨑ちゃん「やっぱりみなさん、ビート感がすごいね」
草野くん「ちゃんとしてるって感じだよね」
草野くんにとっては、「ドラマー=アスリート」。
亡くなった方もいらっしゃるけれど、60過ぎて現役バリバリのドラマーも。
﨑ちゃん「(昨年亡くなった)チャーリー・ワッツも、70過ぎてツアーをしようとしてたしね」
オレたちも頑張らなくては、と。
草野くんは昨年軽く腰を痛めたそうで、「気をつけなくては」と。
(耳を澄ませてドラムの音を感じるとき、体の奥にズンズン伝わる音をとらえるとき。それがロックに触れる気持ちよさだったりする)
そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
曲は、Sing Like Talkingの「Keeps Me Runnin’」(1995年、デビューアルバム『Further Along』/同時リリースのシングル)。
草野「Sing Like Talking、いいねえ」
﨑ちゃん「いいですね~」
このアルバムを草野くんも当時よく聴いていた。「あくまでボーカル目線で、佐藤竹善さんの声が気持ちいいなあと思って」。
ラジオで竹善さんが「ロビンソン」をカバーしているのを聴いて、「それまでこんなに歌のうまい人にカバーしてもらったことなかったから感激した」。
(当時、雑誌のインタビューで、スピッツのカバーは女性のほうがいいと思うけど、男性シンガーでは佐藤竹善さんが・・・と語っているのを読んだことがあるなあ)
ドラムは沼澤尚さん。
(内外で共演したアーティストをみたら、ものすごい数のものすごいメンバー)
これは、アメリカでの活動から帰国してすぐのレコーディオング。
﨑ちゃん「タイム感が日本人離れしていてすごいなと思った」
2人の話題に上がったのは、ファンクロックバンドのTHEATRE BROOKでの活動。
以前にNHKホールのスピッツライブにみえたことがあって、﨑ちゃんは挨拶したあと、その日のライブは緊張しまくりだったとか。
草野「誰が来てるかわかると緊張するよね。神的な人が来てくれたらよけいだよね」
(気持ちのいい声と、なんの抵抗もなく乗りこめる音の流れ。いいなあ)
曲終わりで、
草野「ドラムももちろんだけど、曲全体が気持ちいいよね」
﨑ちゃん「気持ちいいね。竹善さんの声も大好き」
こちらもすてきなパフォーマンス。ドラムは沼澤尚さんです。
SING LIKE TALKING 「止まらぬ想い」
そして、来週は【ポール・ディアノで漫遊記】。
ブリティッシュ・ヘビー・メタルの代表的バンド、アイアン・メイデンのデビュー当時のボーカリスト。
80年代前後、パンクのエッセンスを含んだメタルバンドは出始めて、彼はそのアイコン的存在。
草野くんは個人的に、ロックヒストリーの中でかなり重要なシンガーだと思っている。
そして、「草野さん、100円ショップですごい鼻毛カッター見つけたんですけど」
(どんなだ??)
草野「今日のゲストは、スピッツ、﨑山達男、﨑ちゃんでした。ありがとうございました!」
﨑ちゃん「楽しかったです」
草野「はい、また来てください」
同じギタリストとして共通の思いを楽しそうに語り合う草野+テツヤ、田村オタクの暴走(笑)を一緒に走りながらもときどき手綱を締める草野くん、﨑ちゃんの思いを優しく拾ってリスナーに示してくれる草野くん。
それぞれに異なる色や風があって、底辺には変わらぬロック愛が流れていて、それが見事に絡み合ってスピッツというバンドを作り上げているのだということを感じて、私たちは幸せな気持ちになれる、そんな「メンバー回」でした。
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