2022.05.01(日)
VIVA LA ROCK
at さいたまスーパーアリーナ
セットリストを載せています。
JAPAN JAMに行かれる方は、ここまでで。
VIVA LA ROCKは2015年(ココ)と2018年(コチラ)に参加して、今回3回目。
それぞれの未熟なレポを読んでみて、スピッツ以外のバンドもすごく楽しみにしていて、で、たくさん刺激をもらって帰っていったのを思い出す。
だからレポもそれなりに力作(笑)。ビックリ・・・。
今年は、ARABAKIに続いて、私が参加を決意した春フェスは雨模様だな。
北与野からさいたまスーパーアリーナ。
雨がかなり降っていたので、本来なら賑わっているはずのけやきひろばのお店が寂しい限り。
androp、NUMBER GIRL(2000年のひたちなか以来)も楽しみにしていたけど、午後早めの用事をすませてようやく駆けつけたので、SHISHAMOも終わっていて、Saucy DogのMC真っただ中だった。
スタンディングエリアではなく、スタンド席の上方に席を見つける。この辺りは結構余裕がある。
相方は、フェスは野外以外は行きたがらないし、同世代でフェスに付き合ってくれる知り合いもいないので、もちろん単独参加。
ま、好きにできるので悪くはない、むしろいいかも。
ステージは3つ。
少し狭いCAVE STAGEには若手の注目ミュージシャンが次々に登場。
Creepy Nutsのボーカルさんが言うには、CAVE STAGEのトリを飾ったミュージシャンは次の年にブレイクするらしい。
ここで見たindigo la Endのライブを思い出す。
私が席を決めたのは、ここのいちばん広いアリーナ。
ステージを2つに分け、WORLD STAGEとPEACE STAGEと名づけ、交代でライブが行われる。15分間隔で交代するから、フェスでは異例の早さかもしれない(私が参加する中では)。だから、スタンディングエリアで待っていても、さほどつらくはないはず。
2つに分けると言っても、左右いっぱいにとっているので、見る限り、ステージの広さは十分。
スタンディングエリアも細かくブロックに分けられているけれど、どこからでも、左右どちらのステージも楽しめるという。
照明も創意工夫されていて、フェスといえども各バンドの個性が生かされている。
まず、WORLD STAGEのSaucy Dog はドラムが女子のスリーピースバンド。
https://vivalarock.jp/2022/report/saucydog.html
(ライブ画像やセットリストが見られます。以下同様)
エモーショナルな歌詞と歌唱で、たぶんグッと心をつかまれた若いファンが多いんだろうな。
スタンディングエリアも私の席の周辺も大いに盛り上がっていました。
女子ドラムは大好き。ついつい見入ってしまう私がいる。
ボーカルの彼は前回のVIVA LA ROCK出演の前に彼女に振られたとか、そんなことも言ってましたよ。
Zepp Nambaの「ここからLIVEができるなら-Spring lucky Monday-」で、奥田民生、スピッツと対バンしたメンバーです。
次は、PEACE STAGEのマカロニえんぴつ。
https://vivalarock.jp/2022/report/macaroniempitsu.html
曲を聴いていて感じていたよりもずっと熱いバンド、熱い真面目なボーカル。
MCでファンに伝える言葉にもそれが見える。
ずっとずっと年上のワタシには、それがちょっと心苦しい。もう真正面で捉えられない聖域に逃げ込んでしまった年齢です。
シンプルだけど気持ちのいいサウンドとポップで馴染みやすい言葉。
それは心地よく伝わってくる。
ホントに最近の若いバンドは歌も演奏もうまいなあ、と感心します。上から目線ではないのですが。
マカロニえんぴつ ギターの田辺さん、スピッツのパフォーマンス、見られたかな?
https://twitter.com/Toriashi_VYT/status/1520736269625860097
そして、WORLD STAGEのCreepy Nuts。
https://vivalarock.jp/2022/report/creepynuts.html
メチャメチャ盛り上がって、たぶん初めての人をも踊らせたんじゃないかな。
MCのR-指定さんはパフォーマンスを終えて話し出すと、優しいお兄ちゃんになる。
DJ 松永さんのテクニック、かっこいい。真上からのカメラでそれが見えると、私は何も知らないから余計に感動する。
最後の曲は、まだ「海のものとも山のものともわからなかった」であろう自分たちがこのVIVA LA ROCKに呼ばれて、カバーするように言われたザ・ハイロウズの「日曜日よりの使者」。
ヒロトさんの訴えた閉塞感とかすかな希望は、形を変えて今の世の中の若い世代の中にも生きていました。
スタンディングエリアのうねるような盛り上がりはさすが!
そして、PEACE STAGEにスピッツ。
https://vivalarock.jp/2022/report/spitz.html
15分ほどの短めのサウンドチェックを経て、「SUGINAMI MELODY」のSEとともに、スタンド席のお客さんの多くが立ち上がったことに驚き。
ここまでスピッツ以上に激しいバンドたちが続いたけど、スタンド席の大部分は座って聴いていたように見受けられる(もちろんそれで十分なんだけど)。
待ちに待った・・・という感じなのかな。
正直、今回のVIVA LA ROCKは会場に入ったとたんに、あ、お客さんの年齢層、かなり低め!という印象で(ま、毎回ここではそう感じるんですけど)、それなのにこの「待っていました!」感にちょっと感動すら覚えた。
そこまで多くのスピッツファンが結集したとも思えないから、ベテランバンドへのリスペクトなのかな??
私は後列に誰もいないので、遠慮なく立って楽しむことにする。
そして、スピッツって実はすごいの?と、フェスに行くたびに思う、笑っちゃうけど。ワンマンでは味わえない喜び? 90年代末頃、「スピッツはもう終わり?」なんて記事も読んだことあるなあ、と思い出したり。「今も一線で続いてるよ」。
セットリストは次のとおり。
01 魔法のコトバ
02 春の歌
03 8823
04 チェリー
05 アパート
06 優しいあの子
07 大好物
08 涙がキラリ☆
09 みそか
10 こんにちは
ARABAKIからの変更は、「仲良し」→「魔法のコトバ」、「胸に咲いた黄色い花」→「アパート」、そして、最後に「こんにちは」が加わる。
「アパート」・・・、イントロからリリース当時の光景が浮かぶよう。年代ごとに異なるかもしれないけれど、でも共通して「若さゆえの切なさ」が蘇りそう。
柔らかく包み込むようなボーカルの声とサウンドがアリーナ全体に広がる。
私がライブで聴いたのは、2013年の『横浜サンセット』以来だろうか(ココ)。
「魔法のコトバ」や「春の歌」は、スピッツビッグ3ほどではなくても、広い世代に知られている楽曲。すぐ前の席の若い女性がイントロで思わず手を叩いたのが「魔法のコトバ」だったな。
「8823」で会場はヒートアップ。陳腐な言い方だけど、まさにそうなんで。前は最後の盛り上がり数曲に含まれることが多かったけれど、最近はそういう曲も増えたんで、「8823」は案外初っ端でこちらを熱くさせてくれたりする。
ARABAKIでもそうだったけれど、圧巻は最後の「ロックだぜ!」的なカッコいい攻め具合!
「涙がキラリ☆」の最後のギターが終わらないうちに?、﨑ちゃんのカウントが入って、そのまま「みそか」へ。
アナログバンドの音がどれほどの破壊力をもっているのかを、きっと普段聴かない人たちにも届いたのでは? エモーショナルではないけれど、それなりに振り切ったボーカルの声が心地よくサウンドに乗る。
ここでラストなのかな、と思ったけれど、途切れることなく﨑ちゃんの強いカウントがまた聴こえてきて、パンクな「こんにちは」!
心の中で叫んでいる自分がいる。
力の抜けた言葉たちが、サウンドを伴うと、こんなにも力溢れる楽曲になるのか。それが広いフェスの会場に響いて、それがまたこちらにも戻ってきて、本当に「圧巻」のラストだった(「圧巻」って便利な言葉で、これを使うことで自分の力不足を露呈してるんだけど。ま、いいや。だって圧巻だったんだもの)
MCを思い出すと・・・。(記憶と、帰り道のメモを頼りに)
草野「フェスのステージで立つのは久しぶり。去年一昨年とそういう機会もなくて。世の中的にもみんなそうですけどね」
草野「オレたち、結構年いってるんで月日が経つのはすごく早く感じるんだけど。それでもこの2年は長がったね」
草野「今日は、初めて出るぐらいの初々しいおじさんたちの演奏を見届けてください」
「初々しい」・・・、そろそろ結成35周年が何を言うか、と笑いたいけど、貫禄?と初々しさが表裏一体のバンドです。貴重なバンド。
「アパート」について。
草野「古い曲で、久しぶりだよね」
テツヤ「・・・久しぶり? 久しぶり!」
草野「(最近古い歌も選んでいる、というようなことを言ったあとで)スピッツ、古い曲が溜まっちゃうお年頃なんです。今年結成35年。(ありがたい拍手)でも、常に好奇心のアンテナは張り巡らせて吸収してて。『のびしろ』しかないよね」
直前のCreepy Nutsの曲とMCに関連付けて・・・。
草野「のびしろがなかったら、(自分の首の皮膚を引っ張りながら)このへんを無理やりに伸ばして作るよ」
前に出た他アーティストのパフォーマンスやMCを取り上げるあたりは、ベテランの域?
マ「最近気になるメロディがありまして。(アコギを弾き始め)はい、手拍子ちょうだい」
客に要求。あまりこういうことがないから、「・・・ちょうだい」が心もとなく、おかしい。
そして、歌い始めたのが、「これ絶対うまいやつ~ これ絶対うまいやつ~ ラララ~(とごまかして?)ウチで食べられるの~」。
草野「これ、知ってる? 朝にこれTVで聞くと、一日中頭の中で回ってる。今年の後半くらいにそっくりな曲が出るかもしれない」
そして、「こんな緩いトークにお付き合いいただき、ありがとうございます。まだまだよろしくお願いします!」
まさか、フェス恒例の「カバー曲」(!!)が、これとは・・・。
【CM】日清食品 日清これ絶対うまいやつ
きれいなハイトーンの「これ絶対うまいやつ」でしたー。
こういうチョイスも、結構はずすことはなく、そのあたりは微妙に巧みな老舗バンドのボーカル。
チョコレートプラネットの長田さんが、こんなふうに・・・。
https://twitter.com/ChocoplaOsada/status/1520773677972742144
ボーカルのMCの間、ノースリーブで腕組みをして、意外にたくましい二の腕を見せながら、笑みを浮かべたように穏やかな優しい表情で会場を見つめるギタリストの姿がモニターに映し出され、なんとも幸せな気持ちになった。
こういうところ、本当に絵になる男!だ。
ときどきモニターに映る﨑ちゃんの後ろ姿。たくましいドラミングの動きが目に焼き付いている。
安定のステージを彼のドラムが作ってくれる。いつもそうだ。
姿は小さくしか見えなかったけれど、暗転から聴こえるカウントさえ、バンドの屋台骨を彷彿とさせる。
懐かしい「アパート」でのボーカルのブルースハープ。
ロックバンドでのボーカルのブルースハープ姿は基本的に好み。
演奏中にパンツのポケットからさりげなく出して、吹き終わってまたさりげなくポケットにしまうという一貫した流れを、「プロの所作」と言う人がいて、今回初めてその「プロの所作」を盗み見みできた。
吹いているときの表情はモニターに大写しだったけれど、それよりもそっとしまう動作に心惹かれたヘンな私です。
そして、ドッグランに放されたイヌのように(誰かさんの形容を拝借)ステージを縦横無尽に走り回るベーシスト、田村!
「8823」でモニターに映ったボーカルの後ろを何かが横切った!と思ったら、それは全力疾走でステージを移動する田村くんの残像だった。
この曲でだったか、まさかの大移動は、隣のWORLD STAGEまで!!
自分たちのステージだけじゃ物足りない?のか、仕切りを越えて「世界」へ。
真っ暗なはずのステージで、田村くんにだけあたるピンポイントの照明。
あとできいたけど、若いバンドたちもほかの激しいバンドもいたけれど、自分のステージを越えて隣まで行って演奏をしたのは、「ベテランバンド」のベーシストだけだったらしい。
珍しくテツヤくんが田村側にきて演奏したんだけど、そのとき田村くんは「世界」に行ってたんだっけ??
ステージ上には、いつもスタッフが3人くらい右往左往してベーシストを追いかけ、シールドを操作している。
4階から見る限り、それまでのバンドを含めて、ステージ上がいちばん雑然とごちゃごちゃしたバンドだなあ、と笑えたよ。イメージとか、ベテランとか、そんなこと関係ないんだな。
VIVA LA ROCKに行かれたメグミさん、宮田くん、KTさんからもメッセージをいただきました。
「感動だけです。後ろの若者は、『マサムネさんは変わらないな。すごいバンドだよね』発言」
「余韻が・・・。まさかの『こんにちは』でとどめを刺されました」
「初スピッツ。気持ちの高ぶりで過呼吸になりそうでした。CDより全然、ゴリゴリのロックバンドでした」
ありがとうございました!
フェスのスピッツは、お客さんの反応も含めて、二度三度と行きたくなる魅力を届けてくれる。
ワンマンと比べて曲数は少ないし、そこがネックという人もいるだろうけど、それを補って余りあるものが、フェスにはある。少なくとも私にとっては。
この春フェスでも、それは期待を裏切らず、私の心に強いものを残してくれた。
懐かしい曲の数々もうれしかったけれど、最後の「涙がキラリ☆」~「みそか」~「こんにちは」の高まりは、近年のスピッツライブの中でも出色のラストだったと思う。
次のアルバムにもツアーにも、期待だけが膨らみます。
そして、帰り道のスピッツ・・・。
https://twitter.com/CQ2D/status/1520739641548480512
ほっこりするなあ。
北村真平アナ(ABC)も参加したようです。
https://twitter.com/kitamura_sp/status/1520745633275342849