隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

「似たような身なり~♪」と歌いながら。

2021年06月05日 19時18分06秒 | スピッツ

2021.06.05(土)



 
 マリトッツォをいただいた。「駅前のKaldyで見つけた!」と。
 人気の商品だなんて、全然知らなかった。
 https://magazine.tabelog.com/articles/149125
 生クリーム大好きおばさんには、ありがたい。


★「この法案が通っても、明日からも生意気な娘さんに口答えされます・・・」
 2013年、ニュージーランドで同性婚を認める法案が提出された際の議会での一議員の演説。
 日本では結局もたもたして見送られたけれど。
同性婚を認める法案の賞賛されたスピーチ

 簡潔でわかりやすく、立場の異なる人たちへの理解と思いやりに満ちた言葉の数々。
 「安心・安全な・・・」という呪文を繰り返し唱えて、「安心・安全」のイメージをすっかり汚してしまった日本の政治家にきかせたい。



★ 脱兎のごとく・・・
 こんな優れた演説のYouTubeのあとで、なぜか笑っちゃう父との思い出・・・。
 脈絡もなく、ふっと思い出してしまったのだ。

 父が亡くなる3年ほど前だったか、母が癌で半年ほど入院した際、私と相方が交代で家に寄って父の日常を見守っていたことがあった。
 父は少し物忘れがあったけれど、でもしっかり自分のことは自分でやっていたし、私が朝用意した食事をちゃんと食べて、私が仕事の帰りに寄ると、食器はきれいに洗ってあった。
 夜は相方が泊ってくれたのだが、事務所に「まだ仕事は終わらないのかい?」という電話をかけてきたり、彼が帰宅する頃に門を少しだけ開けていたりする以外は、大した問題もなく過ごしていた。

 父は仕事を引退してから、当時は電車のガード下に置かれていたゴミ集積場を毎朝きれいに掃除していた。
 近所の人たちとも良好な関係を築いていたし、とくに若い主婦の方たちと立ち話をするのが大好きだった。
 その父が、母の入院中に、ごみの日ではない日に自分の家のごみを出すようになった。
 「自分はいつもきれいに掃除している。だからいつ出しても大丈夫なんだ」
 「せっかく掃除して、みんなに感謝されてるんだから、違う日に出しちゃダメでしょ」
 「なんでダメなんだ?」
 この繰り返し。
 こんな父ではなかったのに・・・という思いからきつく言ってしまう娘と、なんでいけないのかと混乱する老いた父。

 その言い争いがヒートアップした土曜日の午後。
 「もういいから! いい加減にしてよ!」
 と話を断ち切って父から逃れるように2階への階段を上がる私の後ろから、
 「なにが、もういいんだ」
 と、普段は手すりをつかまりながらゆっくりあがってくる父が、猛スピードで一気に追いかけてくる。振り返った私はたぶん、驚愕の表情をしていただろう。
 結局、私は財布をもって外に出て、駅前の古い喫茶店の隅の席に落ち着くと、怒りと情けなさの入り混じった思いで1時間くらい座っていた。

 気持ちを静めて戻った私を父は少し怪訝そうな目で見ていたけれど、諍いのなりゆきはもう父の中ではあやふやになっていたようだ。
 だけど、その夜、仕事から戻った相方に、父は言ったそうだ、「○○は性格がキツイね」と。
 事の顛末を私からきいていた彼が「何かありましたか」ととぼけて尋ねたら、ふっと遠くを見るようにして、「○○くん(相方のこと)も大変だね」と笑ったそうだ。
 父は私との諍いを思い出したんだろうか、それとも?

 今思えば、父の出したごみをこっそり持って帰ることもできたし、父の毎日の清掃に感謝してくれていたご近所の方々に事情を説明すればすんだことだ。
 もう20年も前のこと。
 今ならもう少し優しく対応してあげられたのに、とときどき思い出す。
 それにしても、あのときの階段でのやりとり・・・。
 私の中では何倍にも大きく膨らんで、父が脱兎のごとく私のすぐ後ろに迫ってくる映像ができ上っている。
 これが、父との最後の喧嘩になった。笑える思い出になっているのが救いだ。



                              



 

 今の季節、周辺を歩くとあちこちで目にする。
 「植物」は私にとって「好きだけど詳しくはない分野」で、この黄色い花をずっと「ヤマブキ」だと思っていた。
 今年初めて調べたら、「オトギリソウ」だったとさ。
 (弟切草には、平安時代の悲しい不吉な伝説がある)

 アルバム『見っけ』のラストを飾る曲として、気持ちを上向きにしてくれる「ヤマブキ」。
 曲調も歌詞もキャッチーで鮮やか。足取りも軽くなる、いい曲だ。
 「→1987」にも通じる、スピッツのルーツを彷彿とさせる楽曲。
 去年の今頃のもやもやした気分の中で、この花を見ながら、ずっと頭の中を「似たような身なり~ 似たような能力~♪」が流れていた。 
 あの花は「ヤマブキ」じゃなかったけれど、それもご愛敬で、来年もきっと「雨がいろいろ消してくれそうで へへへと笑ってみた♪」と歌っているだろうな、私。


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