kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

夕陽のガンマン

2024年04月21日 | ★★★★★
日時:4月11日
映画館:Tジョイ出雲





1965年に日本公開された「荒野の用心棒」を皮切りに一世を風靡したイタリア製西部劇「マカロニウエスタン」。

小学校の頃から戦争映画や西部劇が好きで、本格的にマカロニウエスタン好きとなったのは高校生になってから。その頃はすでに劇場でマカロニウエスタンを観ることはできず、テレビ放送(特に京都テレビと奈良テレビ)が唯一の視聴源だった。

時は流れ1990年代に入ってからマカロニウエスタンの再評価が始まり、何本かの作品が劇場でリバイバル公開されるようになった。広島に越してきていたワタシは、横川シネマの前身だった広島ステーションシネマで「ミスター・ノーボディ」「殺しが静かにやってくる」「J&Sさすらいの逃亡者」を観たのが劇場マカロニ初体験だったはずだ。

余談だが、一昨年、横川シネマで「殺しが静かにやってくる」が上映された時、当時から支配人だった溝口支配人に25年ぶりの再上映に謝意を伝えられたのはマカロニちょっといい話だ。(ちょっと違う)

1990年代後半からもマカロニのリバイバル上映は数年ごとに続き、「続・夕陽のガンマン」「怒りの荒野」「続・荒野の用心棒」「ガンマン大連合」「豹/ジャガー」と主要な作品は劇場で観ることができたし、長年の権利問題が解決して「荒野の用心棒」も朝十時の映画祭にかかり、「ウエスタン」こと「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスト」もシネコンで上映される世の中となった。
劇場で未見の作品として心残りなのは、マカロニウエスタンの代表作にして大傑作、そしてマカロニウエスタン中一番好きな「夕陽のガンマン」だけとなった。

そして、遂にドル三部作として「荒野の用心棒」「続・夕陽のガンマン」とともに「夕陽のガンマン」が劇場上映されるとのニュースが入ったのが昨年。その時は劇場未定だったが、劇場公開日は早々にスケジュールしておいた。
なのだが、公開予定劇場が公表されるとその中に広島が1館も入っていない!そんなバカな話があるかー!

直近の劇場でも出雲市。ということで片道3時間かけて「夕陽のガンマン」を観に行くことになったのである。(3時間もあれば国内マカロニの聖地名古屋でさえ行けるぞ。)

ストーリーはマカロニウエスタンの王道で、クリント・イーストウッドとリー・バン・クリーフの賞金稼ぎが悪党一味を追うものだが何十回見ても面白いし、演出も画面作りも音楽も主役と悪党の顔ぶれもすべてがカッコよさと魅力にあふれている。
バリバリにカッコいいメインタイトルが大スクリーンに流れるだけで血沸き肉躍り、涙が出そうになるし、ゴミひとつない綺麗な画面に大迫力の音響で展開される緊迫感に満ちた物語と撃ち合いは言うまでもなく最高!

何十回も観てきたのに、今になってイーストウッドがいつの間に悪党どもの死体を馬車に積んでいたのか気になったりしたし、最後の決闘が終わって余韻に浸る場面で、イーストウッドの後ろに赤子を抱いた女性が写り込むという無駄な新発見もあって楽しい!
あっという間の2時間。やっぱりマカロニウエスタンはいい!!

ということで、評価はもちろん
★★★★★

「荒野の用心棒」と「続・夕陽のガンマン」の今回の上映も何とかして観たいところだ。
もはや、あと劇場で観たい作品といえば「史上最大の作戦」ぐらいなもんである。

ところで、行きも帰りも当然、車中ではずっとマカロニウエスタンを口ずさんでいたし、途中通る町も町の有力者同士が派閥争いしている物騒な町に見えてくるってもんだ。






題名:夕陽のガンマン
原題:Per Qualche Dollaro in Piu / For a few dollars more
監督:セルジオ・レオーネ
出演:クリント・イーストウッド、リー・バン・クリーフ、ジャン・マリア・ボロンテ
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