神奈川絵美の「えみごのみ」

国展で、布・布・布 2023

毎年開催される国展は、
会期が短いのでつい忘れてしまいがち。
今年は数か月前から日程をチェックしており
必ず行こうと予定していました。



ラッキーなことに、一日だけ無料の日があり
その日に行くことができました。
ほかに予定もあったので、今回は工芸の部だけ。


開場一番乗り。


国画会の雰囲気、私は好きですが
以前よりも若々しいというのか、
特に染の方は明るい&コントラストのはっきりした
色使いが目立ったような。
逆に織の方はおとなしめかな…


一つひとつ紹介できませんが、
例えば以前は輝くばかりの白が象徴的だった
北畠雪子さんが、今回は渋めの茶紫を帯びていたり
笠原博司さんも、臙脂がかった薄い茶を基調にしていたり

公募展なので見当違いかもですが
消費者のニーズに寄せてきたような印象も。

そんな中で

ああ、美しいなあと見とれたのが
和宇慶むつみさんという方の花織。
「花桃」というタイトルがつけられていました。


染で印象的だったのは


共通の知人がいて、
以前、呉服屋さんでじかに作品を観たこともある
山本由季さん。今年から参加のようで
彼女にしては柄付けが小さく色もおとなしめですが
かわいい兎さんがいたり、イチゴミルクのようなピンクが
使われていたりと、山本ワールドは健在。


こちらは岡本紘子さん(左)。
帯合わせは難しいかもですが、昭和の世界を
令和にあらわすとこうなるかな。オレンジがあか抜けていますよね。

今回、私が一番素敵だなあと思ったのは

やっぱり、古澤万千子さん。
私、いつも古澤さんの作品は楽しみにしていますし
必ず足が止まるのです。


リアルクローズではないけれど
リアルクローズのような、
個性的だけど、私にも着られるかも、なんてつい
思ってしまうその微妙なバランスが、心を浮き立たせるのです。

異論はあると思いますが、勝手な想像として
私がもしこの着物を着るとしたら、80代くらいになってからで、
ほっこりと、縁側に座っていたいな、なんて思います。
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