神奈川絵美の「えみごのみ」

父の日の一曲

父に因んだジャズで、私が真っ先に思いつくのがこの曲。
ズバリ〝父にささげる歌”ソング・フォー・マイ・ファーザー(1964年)。



作曲&ピアノプレイはホレス・シルヴァー。
一般的な知名度はあまりないと思いますが、
簡単に言うとジャズとファンクとの橋渡しをした人で
常に時代を先んじていた天才の一人、と私は思っています。
この曲はアフリカンなテイストが魅力。

同時代にスタン・ゲッツとか、リー・モーガンがいて、
同じように、ラテンやファンクの要素が強く、
ジャズに新しい風を入れた人たち。

H.シルヴァーは親日家でもあり
1962年に初来日した後、
こんなアルバムを発表。

「The Tokyo Blues」。
ネット情報の受け売りですが、
向かって左側の女性は、私がよく行く出光美術館初代館長、
出光興産創業者、出光佐三氏のお嬢さんだそうです。

話をH.シルヴァーに戻しますが、
もしかしたらこちらの曲の方が、聴いたことあるかもと思い
もう一曲アップします。
「Nica's Dream」といって、1950年代~のNYのジャズメンのパトロネス、
ケーニグスウォーター男爵夫人、愛称ニカにささげた曲。
多くのミュージシャンが、ニカの名前を冠した曲をつくっていますが、
たぶんH.シルヴァーのこの曲が一番メジャーだと思います。



音量小さ目ですが、これは巨匠ハンク・ジョーンズ(2010年没)の
最晩年の演奏@東京で
ベーシストがこれまた巨匠のジョージ・ムラーツだったので
選んでみました。
もっと華々しいファンキーなスタイルで演奏されることが多い曲です。

H.シルヴァーは2014年に85歳でこの世を去り、
以前、拙ブログで紹介した“ハーモニカおじさん”T.シールマンスも昨年
94歳で亡くなってしまいました。
現役の著名ジャズミュージシャンの最高齢は、R.ヘインズの92歳かな…。
活動状況はわかりませんが、C.テイラーが88歳、S.ロリンズが86歳。
上のG.ムラーツも(まだまだ元気ですが)70代だし、
みなさん、歳を取ったものです。

コメント一覧

神奈川絵美
セージグリーンさんへ
コメントありがとうございます
いえいえいえ、私も人の名前は出てこないわ、
顔と名前が一致しないわで…
ルバルカバさん、私が聴いていたのは20年以上前
でしたが、今ちょっと調べたら、第一線で活躍中の様子、
何よりです

>長い時間、地道な練習が
なるほど! ピアノは編成によってはリズム隊にも
なりますしね・・・(私はリズム隊好きですが)。
ピアノは場所もとるし、お金もかかりそうですしね。

文楽も、三味線方は楽器が必要なので、
人形遣いや義太夫に比べると人気が…だそうです。
どこの世界もたいへんですよね。
セージグリーン
ゴンサロ・ルバルカバ、、、初めて聞きました。
絵美様、固有名詞に無茶苦茶お強い!私はもう覚えきれません。
わが師匠が仰るには、プロスポーツでも野球からフットボールに才能ある黒人が移動しているのと同じで、すぐに結果の出るホーンズやドラムス、ヴォーカルに人気が集まっていて、ジャズでは支える役が多く、しかも長い時間、地道な練習が求められるピアノは人気がないそうです。
それにしても、、、ラッパ屋さんは長生きですよね。
神奈川絵美
コメントありがとうございます
ご存知なのですね、これらの曲。
嬉しい~です
ソング・フォー・・・の方はスリーコードで(ですよね)
ブルージー。おっしゃる通りシンプルなのですが
その分、代理コードなどのバリエーションが
楽しめますよね。
スキャット、なんてカッコいいんでしょう

Nica's・・・は、個人的にはホーンセクションなんかも
入った、ラテンでファンキーな雰囲気が好きですが、
このトリオは大人な感じでいいですよね、さすがの
メンバーです。
確かに…最近のピアニストは良く知らないのですが
…ゴンサロ・ルバルカバは活動しているのかな…
一時期、好きでした。
Unknown
H.シルヴァーのピアノ、よいですね。
この曲は、スキャット・ヴォーカルで練習しましたが、ピアノも抑制された曲想からこそ、あちらこちらにちりばめられた凝ったコードが生きてますね。

「Nica's Dream」は、ヴォーカリスにとっては、なかなかリスキーな曲ですが、トリオではなんと安定していることか、、、。
最近は黒人のピアニストが減っているそうで、
残念なことです。
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