幸いなことに、5日後には全快、傷はすっかり治癒しました。
視力は、0.9あると思っていたところ0.7に落ちていましたが
これは怪我とは無関係と思われます。
私の自己治癒力もまだまだ捨てたものではない…
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皆様、ご心配をおかけしました。
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さて、後回しにしていた神坂雪佳展@汐留ミュージアム。
今回は時系列に忠実に、まず琳派の創始者といえる俵屋宗達、本阿弥光悦から
京都、大坂、江戸…と変遷をたどって
後半に雪佳の作品を紹介、という流れでした。
先に雪佳の感想を述べると
「彼は画家というよりは、図案家なんだなあ」ということ。
またプロデュースにもたけていて、それが後世に彼の名を遺す実績に
なっているなあ、とも。
ヨーロッパでも、例えばミュシャしかり、ラウル・デュフィしかり
画家なんだけれどもデザインにも長けているアーチストって
活躍の場も多いし、大衆受けもいいし、商業ベースにのっかりやすいんですよね。
雪佳にも同じオーラを感じました。
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旧くて新しい、図案の数々。現代にも活きていますよね。
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尾形光琳と比べるとだいぶ、デザイン化されているように感じます。
でも、絵の味わいもなかなかあって
画像はないのですが、12か月の花々を染め付けた向付(雪佳は原画を担当)、
写しでいいから欲しい!と思ってしまいました。
ただ……
琳派としてはどうか、という視点で考えると
私の個人的な好みとしては
江戸時代の画家の方が華やかで
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こちらは私が大好きな鈴木其一。
やっぱり明治に入ると、着物もそうですが地味目になるんですよね…。
特に今回、いいなあと思ったのが
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丸い犬でもおなじみの、中村芳中。
大坂~江戸を拠点に活動した画家です。
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この、枝豆の絵が独特!
たらしこみという、墨や絵の具を水でにじませたような彩色のしかたが
西欧の印象派とも、ましてやキュビズムとも違う
光の表現を試みているような気がして…
雪佳は、アールヌーヴォー全盛のヨーロッパを訪問したものの
すでに日本には同じようなモチーフはあるじゃないか、ということで
琳派を後世に伝える活動にますます力を入れたとか。
こうした、人をまとめあげる力のある人のおかげで
日本の伝統文化はつながっていくのだなあとつくづく、思いました。