上野リチはジャポニズムの影響も多分に受けた
装飾性豊かな時代の、ウィーン出身のアーチスト。
今でも十分に通用する「可愛い」がたくさん!
そんな展示にはやはり「可愛い」系がいいのかな、と
おこがましいのですが
春らしいピンクのきもので出かけました。
上野リチに対し、私がもっとも強く抱いた印象は
「イマジネーションが豊か」であること。
というのも、まだ来日していない時点で
関東大震災のニュースに胸を痛め
「東京」というタイトルでのデザイン画を発表するなど
想像で描いているモチーフが目についたから。
(しかも、そこに描かれた東京は
その時点では存在していないビル群を思わせる造形で
埋め尽くされていた)
もう一つ、初期のうちから「花鳥風月」を思わせる作品が多く
この方は日本に来る前から、日本的なものに親和性があったのだろうなあと
感じました。
こちらは、花鳥風月とはちょっと違いますが
私がひとめ見て気に入った、そら豆の作品。
彼女が来日し、京都出身の建築家 上野伊三郎と結婚してから
なんと、故郷 群馬での工房立ち上げや活動をしていたというのにも
親近感を覚えました。
美術館の解説では
彼女の七宝は日本的、と書かれていましたが
私はちょっと同意しかねます。
左右非対称で、スノッブな感じがしたけどなあ。
撮影OKエリアにて(明るさ調整をしています)。
今回は同時代で親交のあった作家の展示もあり
以前、パナソニック汐留ミュージアムで観て感激した
ダゴベルト・ペヒェの作品とも再会。
ワタシ…リチも好きですが、
ダゴベルト・ペヒェに「はずれなし」。とっても好き💛
彼女は、「作品がすべてを語る」といわんばかりに
自伝とかエッセイなどの文章は残していないそうなのですが
それだけひたすらに、見せることで自己表現をしていたのかな、と。
戦争を経験しながらも、アートへの愛や熱意が下がったり変容したりすることなく
可愛らしさと力強さがあふれ出ている展示でした。
余談ですが…
こちらの展示は紙での作品リストがなく
解説も掲示されておらず、
スマホでQRを読み取り、手元で読むようになっていましたが
慣れていないので視線の動きが大きくなり、ちょっと疲れました…。
これからはこういうスタイルがスタンダードになるのでしょうか。
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