とても久しぶりの国立西洋美術館。
1908年ごろから20年ごろにかけて
西欧でムーブメントを巻き起こしたキュビスムは
決してピカソだけに冠される様式ではなく
例えばマリー・ローランサンも……
……展示されていたのはこちらの作品なのですが
私は、少し前に渋谷のザ・ミュージアムで観た
ローランサン展の
こちらの作品の方がキュビスムっぽいかなあなんて
素人ながら思ってしまいました。
一方、シュルレアリスムの巨匠と呼ばれる
マルク・シャガールも……
どうなんでしょう。
シャガールやモディリアーニは「ラ・リュッシュ」という
芸術家グループに属して、キュビスムを極めるというよりは
キュビスムのエッセンスを取り入れつつ自分の画風を
確立していった、という感じがします。
ラ・リュッシュのアトリエと
マルク・シャガール。
モディリアーニの彫刻は、いわずもがな
ピカソのプリミティヴィズムの影響を受けています。
こちらは
左がピカソの輪を持つ少女、
右がスペインの女性の画家、ブランシャールの輪を持つ子ども。
輪っかを持つ子どもは画家に好まれたテーマの一つだそうです。
どちらがいいということではないのですが
右の方が直線的で、左の方がうねっとしているにも関わらず
私には右の方が優しく軽やかに見えます。
色遣いのせいなのか、質感のせいなのか。
こちらは、西洋美術館の設計をした
ル・コルビュジェの作品。
今まで彼の絵画をまったく観たことがないわけではないのだけど
建築の方で有名すぎて、とても新鮮な気持ちで
観られました。
キュビスムを、当時誰もが一度は通る道、と考えれば
なるほど名前だけみて「えっ、この画家もキュビスム?」と
思うような画家も、こうして展示されているのが
理解できます。
さて、こちらの企画展は観覧料2200円でなかなかの額なのですが
常設展(500円)も観られるので、半日ゆっくり時間をかけて
同美術館を楽しみたい人にはお得かな。
なのですが、私は企画展だけでかなり、疲れてしまい
常設展も一通り観ましたが写真を撮ったのは
好きな画家の一人、ナビ派のピエール・ボナールと
1930年代中心に活躍したフランスのラウル・デュフィ
そして初展示作品だという
ピカソの作品、こちらは1940年代です。
あと、前回紹介したフェルナン・レジェのキュビスム後の作品
くらいでした。
常設展はそれこそ、高校時代からしばらくの間、何度も
訪れたものでしたが
10年以上ご無沙汰しているうちに、レイアウトもすっかり
変わってしまって……疲れてはいたものの
初めての場所のようにわくわくしながら観て回りました。
こちらには有名なモネ、マネ、シスレー、クールベなど
写実派や印象派の作品も多数あるので、
もしかしたら、常設展を先に観てから企画展へ移る方が
時系列に沿った鑑賞ができたのかな?
(まあ、常設展は近現代もバロックもいろいろありますが)
500円で観られるのなら、常設展目当てで
またこよう、と思いました。
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