カジュアルな着物で行こうかな、と思っていたら
相手が老舗ホテル「ニューグランド」のカフェを指定してきたので
“しっとり路線”(?)に予定を変更。
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なす紺の結城に、大切な着物友からいただいた椿の洒落袋を合わせて。
後ろはこんな感じ。
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山下公園そばにあるホテルニューグランド。
「THE 有頂天ホテル」や「華麗なる一族」のロケ地でもあり、
ユーミンがこの辺でのコンサートの折には常宿にしているとも聞いた。
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打ち合わせの相手は、年末にも会ったばかり。なのに。
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「Aさん、最近、海外旅行にでも行かれました?」
へっ? 相手は怪訝そうな顔。
「いや、黒く焼けているので……」
とたんに、(うわ、まずい)とバツの悪そうな表情になった彼。
「昨日、雪山に登ってきたんだよね……」
聞けばここ2年くらいで、すっかり山にはまったそう。
彼とはその期間、仕事のご縁がなかったので会うこともなく、
そんなことも全く知らなかった。
「雪山っていってもね、低い山なの。丹沢のね。
夏に高い山へ登るための、トレーニングなんだ」
季節が廻れば、3000メートル級の山に登るそう。穂高とか、立山黒部とか……。
丹沢なら半日程度で行き帰りできる場所だが、「本番に備えて」
コンロやら寝袋やら、20㎏もの荷物を背負っていくというから、真剣そのもの。
3000m級なら、富士山にも? ― 私のいささか間抜けな質問に
「富士山? あそこはラクラク。だって道がちゃんとできてるもん。
あ、でも、冬は登っちゃだめだよ。あそこは夏に海外の山へ行く人たちが
トレーニングするところだから」
どうも、山といえばおにぎりとお茶を持って、
周囲の緑を見ながらてくてく歩くといった、ハイキングのイメージしか持てない私には
遠い世界のようだ。
鎖を頼りに、道のないところを歩くのが醍醐味らしい。
「まあ、何というか、登山の好きな人は被虐的だよね」
難しいところへ身を置きたくなるとか、そのためにストイックなトレーニングするとか。
「そうですか? 私は、登山って征服欲みたいなのがないと…
って思うのですが」
だって、もっと上へ、もっと高みへ、って挑戦していくでしょ?
それもそうかな、彼は少し考える風な表情になった。
「山って…… 女性が多いんですよね」
で、これまた強いの。女性が。男性よりもすたすた行くしね。
すっごい危険なところもどんどん入っていくしね。
彼は、小さいながらも会社社長として10年余、
医療の分野で様々な事業を展開している。
私も、まったくのフリーとして10年余、いろんな人といろんな仕事をしてきた。
結局、2人がそれぞれ言ったことは、表裏一体、同じ意味なのかも知れない。
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打ち合わせ後、元町ユニオンで買ったTAKANOの桜ジャム。
春はもうすぐそこまで……かな。
※ホテルニューグランドのHPはコチラ
※社長には“鉄人”タイプが多いんでしょうか。
未だに忘れられないあのエピソードはコチラ