神奈川絵美の「えみごのみ」

蒔絵でたどる歴史の旅

(前回の続き)

都内へ仕事で出たついでに寄ってみた、
三井記念美術館での大蒔絵展。



「大」とつくだけあって、
平安時代から現代までほぼ時系列に
国宝や重文もたくさん展示されており、とても見ごたえありました。

これまで蒔絵の美術品といえば
柴田是真が活躍した江戸後期~明治のころの
作品ばかりが頭に浮かんだのですが
今回は


蒔絵の古典といってもいいのでしょうか。
南北朝時代の国宝 桐蒔絵手箱などを観ると
ああ、蒔絵ってこんなに渋みのある、しかし高貴さも備えた
輝きを放つものだなあと、息をのみます。

もちろん、12-14世紀のころのものですから、経年により
色や輝きは変わってくるのでしょうけれど


でもやはり、桃山時代に入ると
秀吉の趣味を反映してか、金の主張が明らかに、その前の時代よりも
強まります。
このころ、より広い面積に金を貼る(という表現でいいのかな)技術が
確立されたそう。

桃山時代は

ポルトガルとの交易も盛んで
西洋文化と融合した、割とおおぶりな箱などの作品が数多く
観られます。
螺鈿が目立つのも特徴の一つ。

でも…

展示をずーっと順に観ていき、
明らかに「エポックメイキングだ!」とインパクトを受けたのは

泣く子も黙る?尾形光琳でした。
ホント、展示室の空気が丸ごと変わった、といっても
言い過ぎではないくらい。
琳派のオーラってすごいわあ。

この後、私の好きな江戸後期の
原羊遊斎や(酒井抱一の図案による)柴田是真が並び、
現代の松田権六まで、名品ぞろい。
また、蒔絵の数々の技法を紹介するパネルもあって
とても興味深かったです。

展示は11月13日まで。私が行った日は源氏物語絵巻の国宝は
展示されていませんでしたが
25-30日は柏木一が展示予定とのことで、ご興味ある方はぜひ。
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