若杉冽著 著者は、現役官僚で覆面作家と言う事だそうです。福島の地震による原発事故に端を発し全国の原発の停止と再稼働をめぐる電力業界と政界の癒着や再稼働に反発する人々への国家権力による圧力や不当逮捕の状況を小説の形をとって暴露してゆく。権力のなりふり構わず反対する人々を排除してゆく恐ろしさ。官僚と政権与党は、国民のためではなく金のために電力行政を推し進めて行く。その為には、問題の多い原発を再稼働してそれから利潤を得る業界と政治家を潤してゆくシステムを構築し守り抜く。今までの原子力行政の本質やその金に群がる業界と政治家のからくりを描いています。今、北海道では北電の泊原発が停止しています。電力不足は、発生していませんし他の北ガス等の電力会社の供給する電気と契約する人々も増えています。問題の電気料金原価方式で北電は利益は確実に確保することが出来る仕組みになっています。その分利用者は、原発に掛かる料金を負担し続けなければなりません。第２の電力供給会社の電力にも原発負担金を徴収しようとしている事が納得行きませんね。