お気に入りの噺家さんの一人、柳家喬太郎の勉強会が、いつもの三鷹の星のホールで開催されたので出かけてきた。
人気の噺家さんで、古典も新作もこなす器用さを持つが、何よりその独特の感性が天才と言いたくなるような切れ味を持つ。
いつものように満員御礼だし、終演未定の貼り紙もいつもの通り。そして開演前の場内アナウンスもいつものとおり。
さて開演だ。開口一番は、喬太郎の弟子の「おい太」。はじめたのは・・・おっ「道灌」だ。柳家は前座の最初は道灌だという。
失礼ながら睡魔に襲われてしまったが・・・テンポもイマイチ。尺をとっていいと言われたのかも知れないが、この噺で23分は長いぞ。汗だくなのもなあ・・・
そして喬太郎の登場、脚の悪いのはすっかり定着したのか、見台とヒザ隠しが置かれる。まったりとしたマクラから始めたのは・・・えっ「猫久」か。
師の腕にかかれば、この地味な噺もしっかり笑えるのだが、改めてこのネタって、存在意義って何? と。
まあ、そんなことは師にとってはどうでもいい話であろう。ここで中入り。この時点で開演から1時間経過。
中入りが15分入り、展開がちょっと心配になってしまった。さて再開だ。出てきたのは、さん喬の弟子、つまり喬太郎の弟弟子の「やなぎ」。
2025年の秋に真打昇進という。始めたのが・・・おっ「親子酒」だ。随所に工夫は感じられるが、それにしても「めんだいに」やりすぎでは・・・
さすがにこのネタで30分は長いぞ。と軽く疲労感を覚えながら、喬太郎の再登場。これまたまったりと・・・それでいて爆笑の漫談を続ける。
さすがにちょっとこれは・・・と思うところで、サッと噺に入った。おっ・・・これは知らない新作だ。
どっぷり喬太郎ワールドにハマりながら、途中から完璧な人情噺に・・・完全に涙腺崩壊してしまった。
お題は「孫、帰る」というものだった。途中の細かなセリフのひとつひとつが、後でジワジワと効いてくる。
思わずスゴイっと。さすが喬太郎である。満足というより、感激に包まれながら帰路についた。
喬太郎・・・あらためてすごい・・・そう思った。
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