図書館に予約して、かなり長く待った本
『映画を早送りで観る人たち』 ファスト映画・ネタバレー コンテンツ消費の現在形
稲田豊史 著 光文社新書
この著者は、仕事として映画をたくさん見て、その要約をするために、
早送りで、たくさんの映画を見ていた、、、という経験がある。
ところが、同じ映画を、普通の速度で見たら、受ける印象が全く違っていて
愕然とする。
そこからこの本は始まっています。
作品のことを、コンテンツ(情報の中身・量)といい。
鑑賞するのではなく、消費するという。
***P25 「鑑賞」は、その行為自体を目的とする。
描かれているモチーフやテーマが崇高か否か、芸術性が高いか低いかは、問題ではない。
ただ作品に触れること、味わうこと、没頭すること。
それそのものが独立的に喜び・悦(よろこ)びの大半を構成している場合、
これを鑑賞と呼ぶことにする。
****P28 「ファスト映画」 数分から十数分程度の動画で映画1本を結末まで解説するチャンネルが、
YouTube上に多数存在する。 ファストfastとは(迅速な・即席の)という意味。
「ファストシネマ」「あらすじ動画」などとも呼ばれる。
************引用終わり*****
著者は、速読や、抄訳とは、次元が違うと言われる。
比較ができないと言われる。
このファスト映画という言葉を聞いたときは、
私自身は出来ないのですが、速読と同じかなあと思ったりしました。
時間がかかっても、想像力を働かせて、自分の心と頭と魂を通過させたい。
そう思う私なので、「ファスト映画」を、見る気にはなれません。
それは、絵画の本物を見ることと、模写・偽造の作品を見ることの違いに
通じるような気がしています。
では、本物の絵の写真や絵画図鑑は、どうなのか?
しばらく考えてみたいことです。
いや、ずっと考えていることのような気もします。
真実と虚偽・・・・本物と偽物、模造品。
これは相反するものだと思います。
さて、この本の著者、稲田豊史さんは、どのように解き明かしていくのでしょう。
きちんと読みたい。(ページを飛ばさないで)
まだ序章を読んだだけです。
花火 一瞬で消える花火・・・・本物は迫力があって、おなかにずしんと響きます
(野口勝利さんからお借りしました)
ここ数年、いやもっと、空に上がる花火を見ていないなあ かすかな音は聞こえますが。