かつて銀昆で…

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見た夢

2025-01-22 21:59:02 | お勉強
どこか、大きな展示会場のバックヤードにいる。表ではにぎやかな演出のエキシビション、マイクを通した何人もの声、おもに女性の声が聴こえてくる。何を言っているのかはわからない。そして、おれはここで何をしているのだろう。具体的な仕事、作業をしているわけではない。何人ものスタッフが行き来していて、それはおもにコンパニオンの女性たちだ。なかには展示参加企業のビジネスマンもいて、目立たないスーツを着込んでいて、邪魔にならないようにしている。しかし、ガタイが大きいのでそのあたりにいるだけで威圧感があり、はっきり言ってこのバックヤードでは邪魔な存在になっている。しかしそのことに彼ら自身は気づいていないので、行き来するコンパニオンたちは困惑した表情を時々浮かべては通過していく。そういう環境がイヤなのでおれは逃げ出す。いつも状況が困難になってくると自分は逃げてしまうのでは?という反省に似た感情になるのだが、おれはこの展示会で何の役割なのかわからない。ともかく重要な存在ではないことは確かなので、離れたのだった。無論、これも言い訳だなと感じながら。

コンパニオンではない一人の女性が、相談事があると言ってきた。これまでに一度も会ったことがない人物で年齢は30歳前後だろうか。目立たない服を着ていて大西と名乗った。歩きながら話すというので一緒に歩き出したのだが、場面は広大な畑地になっている。区画整備されているけど、農道がいくつもあって、どの畑も冬枯れしていて色彩のない風景が広がっている。その土地のなかをおれは大西さんと並んで歩いている。どうもそこは、昔の街道だったようで、幾人もの、荷物を持ったり背負ったりした者とすれちがう。決して昔の人ではない。大西さんは他愛のない話をしてくる。仕事のこと、趣味の話、両親のこと、学校時代の思い出などであるが、その内容をおれは今、まったく覚えていない。しかし、大西さんは親し気に話しかけてくる。どうやらおれのことを随分信頼しているようだが、おれは大西さんのことをあまりよく知らないので戸惑い感がある。

やがて、丸太で組まれた簡素な櫓のようなものがあり、高さは3~4階建てのビル程度であろうか。おれはそこに木製のハシゴを架けて、大西さんに「登りましょう」というと、彼女が先に登り始めた。周囲の畑地が見渡せるようになるくらいハシゴを登って行くと、農道を多くの人が行き交い、農業用の軽トラックや農作機械が見える。大西さんはおれの上にいて、やはり同じように周囲を見渡している。…風で揺れてきたようだ、そろそろ下りないといかんな…と思い、「じゃ、おりましょう」というと「はい」と答えた大西さんがゆっくりとハシゴに掛けていた足をおろし始めた。おれもゆっくりとハシゴを降下していく。無事、地上に足が付いた。大西さんも降りてきた。その後おれはそのハシゴを肩に背負って持ち歩くことになる。なぜハシゴを持ち歩く必要があるのかどうかの意味は不明だ。あとで役に立つとでも思っているのだろうか。また大西さんと草の生えた狭い農道を歩いていると正面からワゴン車がふらつきながら走行してくるのが見えた。危ないかもしれないと、農道脇の用水路を跨いで、畑の畦の生い茂る草へ身を寄せた。大西さんも少し先のあぜ道に寄っている。ワゴン車は車体を大きく揺さぶりながらもなんとかおれたちの横を通り過ぎていった。安心して道に戻ろうとすると、またもう一台のワゴン車(前のクルマが灰色だったのだが今度のクルマはクリーム色だ)が走って来るのが見えた。おれは動かずに用水路の横にある木製の柵に手をかけて通過をやり過ごそうとした。

すると、木製の柵の反対側、そこは小さな平屋建ての一軒家があり、手前は広い庭になっていて、農具などが置かれている。その庭に一台の紺色の軽自動車が走り込んできた。ずいぶんスピードが出ていて、ふと見ると、運転席にいるのは大西さんだ。なぜ彼女が運転しているのか不思議さに驚いた瞬間、クルマが一軒家の玄関に向かって突っ込んでいったのだ。玄関部分はアルミサッシの硝子の引き戸になっていて、そこに紺色の軽自動車が突っ込んだものだから、ガラスの割れる音とそこの住人の叫び声が聞こえてきた。住人は若い男女と中年の男と女、それに高齢者もいるようで、飛び込んできたクルマの周囲で叫んだりしている。おれは唖然としてその光景を眺めていたのだが、ついさっきまでおれの少し前にいた大西さんがなぜクルマを運転して他人の家に突っ込んだのかわからず、ふと前方を見るとそこに大西さんがいる。あれ?あの紺色の軽自動車を運転していたのは大西さんではないのか。彼女の前まで歩いていくと、いや、やはり運転していたのは大西さんで、彼女が興奮していることから察することができた。しかも泣いている。「いったい何が…」とおれが問いかけると、彼女は叫ぶように「あの男が悪いのよ!あたしと結婚するって言いながら別の女と一緒になって!」というような内容のことをくり返している。

事の真相は、大西さんが結婚の約束をしていた男の家が平屋の一軒家で、そこで男は大西さんではない女性と暮らしているのを大西さんは知っていて、紺色のクルマでその玄関に突っ込んだという抗議活動だったということのようだ。おれは、大西さんが計画してこの活動をおこなったのかと感心した。彼女の横顔をのぞき込むと、やはりまだ泣き続けている。

クルマが突っ込んだ家から男が飛び出してきた。そして大西さんの下の名前を呼びながら歩いているおれと大西さんの背後に迫って来た。「○○美」と男は大西さんのことを呼ぶ。おれは、彼女がそういう名前だったのかと知る。だが、今これを書いているのだがその「○○」の部分が思い出せない。「○○美、話をさせてくれ」と、おれのすぐ背後まで迫って来たのでおれは、真横を歩いている大西さんの背中を守るように右手を差し出して、男が彼女に手をかけないようにした。おれの右手ももちろん彼女の背中に触れていない状態だ。男は大西さんのすぐ後ろを歩きながら、「○○美がもし困って、行くところがなくなってしまったら、おれの家に来てくれていいんだよ」という。おれは、こいつは頭がヘンなのかと思うが、大西さんは「そんなことはイヤ」と振り向きもせずに男に言う。「だったら…」と、あとは男と大西さんだけが知る過去の話になってきたのでおれは話を聞かないようにした。すると、おれたち三人が歩いている周囲の風景が見えてきた。農道から町の中へ進んできたようで、二階建ての日本家屋が並んでいる。やがて店も現れ始め、おれは「お、これはどこかの城下町に入ったか?」と興味津々になる。天守閣のある城はだいたいどこの城かわかるくらいの城知識はあるおれだが(そんなことは城好きの小学生ならたいがい知っている)、城下町だけではどこの城のある町なのかまではわからない。だが、街並みが全体的に茶色と黒色の重厚な造りなので、これはなかなかの城下町だな、と思っている。あいかわらずおれの右側を歩く大西さんと、その背後をついてくる男性は縦隊列のまま話をしているが、おれにしてみればそれは痴話ばなしの類なので聞いてはいけないと自制している。それよりもこの街道沿いの城下町が気になって仕方がない。どこか、入り易そうな店があれば三人の群れから離れてみたいと思っているところで目が覚めたのであった。

昨年からのこと

2025-01-08 21:11:44 | お勉強
振り返ってみれば多忙な日々が続いた上に風邪をひくというテイタラク。
11月頃からのことを振り返って日録を追ってみよう。

11月21日に農業雑誌取材で能勢の有機栽培農家を訪問した頃はまださほど忙しさを感じていなかった。
翌日にはドラッグストア仕事で枚方へ行き、26日にさくらFMで収録、
12月1日にアピアホールで音楽劇『竹取物語』を観劇した。
サックス2本による旋律は実に新鮮だった。

12月4日には「ちんどん演芸館」の録音、
翌日はエフエム宝塚で4本収録、
6日にはふたたびドラッグストア仕事で京都伏見に行った。
7日の土曜日は八番館画廊で坪内好子展とちんどん屋さんの街めぐり。

この頃から風邪の症状が出始めた。
しかも、同時期に年末進行の圧力がかかり始め、
10日は運転免許更新、11日はラジオ関西で収録、
12日はエフエム宝塚でレディースサロンの収録だった。

農業原稿の締め切りが迫っていたので、
週末は原稿書きをしていたのだが風邪の塩梅は今ひとつだった。
しかし、翌17日は下垣真希さんのランチコンサートがあり、
20日にはちんどん通信社の大感謝祭@味園ユニバース、
21日は初輝奏さんのランチコンサートと、
パスすることができないイベントが続き、
22日には自分の番組の5本収録とスーパーかあちゃんま~の録音、
クリスマスイブはさくらFMで2本収録、
26日には京都ケンプトンに出かけ、
28日は恒例マッカラン友の会、
29日は住道に西川DのロックンロールLIVEに、
30日は墓参り、
ようやく大晦日になって落ち着いた。

新年明けて2日に大阪城天守閣前にちょろけんを見に行き、
3日に三輪明神大神神社に初詣。
4日5日と原稿書きをした。
予定をパスしたのは立花園遊会の忘年会と、
12月19日頃にぷよねこと行く予定にしていた近場温泉行だろうか。
飲みと湯は風邪の身体にちょっと辛かったのでご容赦頂いた次第。

そして今年の抱負であるが、映画館と美術展に行くことだ。
昨年は映画館に二度しか出かけていない。
どちらも音楽映画で、美術展は「木下佳通代展」大阪中之島美術館と、
先述した「坪内好子展」だけ、
写真展は、大阪ミナミの画廊に「野呂岳龍展」だ。
音楽系コンサートは、
自分が構成したものも含め月に2本平均で約30本近いステージに出かけた。
そのなかには西天満一座で出演した「さこ大介関西ツアー」前座@マギーもある。
音楽イベントでは、12月15日にアピアホールで開催された「シャンソン会議」が良かった。
須山公美子さんの歌に聴き入った。

毎週末、土曜日曜日に番組収録とコンサートなどが開かれることが多いので、
ウィークデイは基本、空いている。
もちろん台本作成もあるのだが、
3月まででいくつかの番組が終了することになるので、時間ができる。
今年は映画館に行くことと美術展に出かけたい。
そして、抱負のいちばんの思いは「学び直し」である。
大阪公立大学やそのほかの大学の一般講座案内を受けているので、
積極的に異分野、知らない世界の勉強をしてみたい。

そして、最後に読書について。
昨年読んだ本の冊数は調べていないのでよくわからないが少ないことは確かである。
小説は、マンディアルグとボルヘス、筒井康隆、井上ひさし、遠藤周作、辻原登などの読み直しばかりで、
新しい作家たちの本をちっとも読まなかった。
本当に新しい小説家の名前を知らない。不勉強甚だしい。
今年は書評誌や新聞・週刊誌の読書欄などに眼を通そう。
そして、評論は日常的に読んでいるのだから小説を読もう。

果たして、今年の抱負は実現するか。
小学生の頃に「今年やることはなに?」と聞かれてそれなりに賢そうなことを答えていたが、
ほぼ実現できていなかったことを今あざやかに思い出す。
これではいかんね。

自転車乗り

2024-11-21 09:08:05 | お勉強

「人生、下り坂最高!」と言っていた人が、銀の坂道をのぼって遠いところへ行ってしまった。番組の中で出会った人々は今、この役者の死を悲しんでいることだろう。「おはよう、おはようございます」の言葉で始まる朝の番組を結構よく観ていた。


DVDブックス「鬼平犯科帳」の仕事をしていた頃、中村吉右衛門主演のシリーズ全作を観た。今そのDVDNursing HomeにいるYの元にある。一話ずつ観た感想をYLINEで送って来る。


この「鬼平犯科帳」の何作かに自転車乗りの役者は出演していて、最新作にもレギュラーで出ているようだが、旧作ではワケアリのキャラクターで出演していて、いい芝居をしていた。


想い出すのは、近江八幡の水郷地帯の川のほとりでの演技だ。情けない役柄だったが、そこに魅力を溶け込ますのがうまかった。俳優にはいろいろなタイプがあるが、あまりこの役者のような雰囲気を出す者はいない。


「鬼平」の原作者である池波正太郎がみずからこの役者の名前を付けた。ゴッドファーザーである。池波正太郎から一文字取っている。なぜ命名者になったのか、そのあたりの経緯を小説家はエッセイなどに書き残していただろうか。


自転車旅の番組はこの秋からピンチランナーによって制作されていて、柄本明、田中要次、田中美佐子、照英などが自転車を漕いだ。田中美佐子の回が良かった。女優はやはり基本的に強い性格をしているのだなと感じた。


この番組は2010年にスタートして、今までに14年の歳月が流れている。その中で好きな回が5本ある。


一本は、東日本大震災から少し経った日に宮城県石巻の日和山公園を訪れた回で、近くの女子高校生との交流が撮影された。そして、それから何年か経ってからその時の女子高校生から手紙が来て、母になったと報せている回だ。年月が作る物語の面白さと深さがいい。


北海道の岬へ向かう道を自転車で走った少年とその家族の回で、その少年が亡くなってしまったことを追慕する親からの手紙に沿って、同じ道を行く回だ。小さな自転車を漕いで親の後を付いてきた少年の姿が目に浮かんだ。


岩手県花巻市にある宮沢賢治記念館の回も、やはり亡くなった少年のことを思い出す内容で、館内の椅子に座った少年の写真と同じ構図でこの役者が座って、「来たよ」という内容だった。余計なセリフを言わずに、ただ座っていた姿がよかった。


桃の産地を走っていて収穫している農夫とその娘に出会い、桃の実をもぎ取った回があり、それから数年後、農夫が亡くなったことを娘からの手紙で知らされ再訪するというもの。


もう一本は、熊本県のどこかの街を訪れ、とある一軒の家でお茶を飲ませてもらってから数年後、同じ場所を訪れると、お茶を淹れた女性と偶然に出会うというもので、寡婦なのだろうか、一人暮らしに見える老いた女性が、この自転車乗りの訪問にきらめくように喜ぶその姿がステキだった。


よく、「人誑(たら)し」というが、誑すというのは、たぶらかし、騙すことであり、言葉で相手の心をヘンにしてしまうことだが、この自転車乗りは言葉ではなく、声、そして人柄で、相手をその気にさせてしまうとしか言いようがない気がする。


何度も書き替える劇中歌

2024-11-01 22:39:58 | お勉強
花ざかりの森

(壱番)
花ざかりの森には いつも妖気が立ち込めて
花ざかりの森には 忘れられない人がいる
戻れるならば戻りたい 二度と還れぬあの世界
聞くも涙 語るも涙の 十四歳の純情詩集


(弐番)
神隠しの径には いつもそよ風吹き抜けて
神隠しの径には 後ろ姿のあの人が…
交わせるものなら交わしたい いつか夢見たあの褥
寄せては返し 返せば寄せる 少年少女の夏の友


(科白)
私を花ざかりの森へ帰してください。私はもう長い間、ここにいます。
もうあなたは満足したでしょ?
これ以上私を引き留めておくことはないはずです。

(葎番)
胸騒ぎの夜には 空が見事に澄み渡り
胸騒ぎの夜には 星が幾つも降り濯ぐ
愛せるならば愛したい 愛の意味など解からずに
いつか逢える 必ず逢える おんなじ匂いのあの人に

(科白)
私はまたあの花ざかりの森へ帰り、なつかしい人達に逢います。
やはりそれがサダメなのですわ。
眼の前に一本の光り輝く道が伸びていて、その向こうは霧にまみれた世界
足を踏み入れた途端、私の新しい物語が始まります。
新たに始まった物語には、とうとう終わりがありません。

(伍番)
花ざかりの森には やはり妖気が立ちこめて
花ざかりの森には 二度と戻れぬ霧世界
出逢ったことが運命か これが芝居の幕開けよ
聞くも涙 語るも涙の 百歳老婆の恋愛詩集


作詞:上野卓彦
作曲:山崎秀紀
唄:銀色昆蟲館少年少女絶唱歌舞音曲團

思い出そうとしても

2024-07-13 23:59:58 | お勉強
思い出そうとしても
もう思い出せないことがあるんだ
大事な記憶なのに甦って来ない
まるで春霞の向こうに広がる草っ原
だけど甘い匂いだけは漂ってくるのさ
思いは深いのに思い出せないこのカイリ
愛するおまえも誰かわからなくなるのか

思わせぶりな顔をして
恥じ入るような声でささやいた人よ
いじけて暗い顔をしてたあの夏
まるでネパールの平原に吹き渡る風
雨雲がやってくるのが目視できるんだ
杖もなしに歩いていた頃のまぶしい日々
愛するおまえが誰かわからなくなってきた

 油断してはいけないよ 遠い記憶はあくまで遠い
 踏み外してはならないよ 
 下っていく階段はキョーフキョーフキョーフ!

トウヘンボクになったいま
掌の中の秋の胡桃を握りしめながら
指を使えばボケないという言葉を信じてる
もちろん車の運転は絶対にしたくないんだ
見上げた空が青く澄み渡っているから
世紀が変わっても時間の流れは同じ
思い出もやがて上書きされて消え去りそう
この記憶はどこかの惑星に収蔵されるのか

 断言してはいけないよ 言ったそばから嘘になる
 欲張ってはいけないよ
 慌てて飲みこめばすぐにゴエンゴエンゴエン