夢の中にしか登場しない人物がいるということを友人に指摘された。
まさにそのとおり。おれの夢にそのような人物がいる。
その人は女性で、年齢はよくわからない。20代後半から中年域だろうか。
とてもよく動き、背は高くなく、髪もさほど長くはないが短髪でもない。
とにかく動き回るのが得意なのか、あれこれ人の世話をしている。
おれも、一昨日見た夢の中で、なぜか画材道具を預かってもらった。
おそらくどこかで打合せをすることになり、道具を持て余していたのだ。
それを彼女が「預かってあげるわよ」と引き取り、どこかに保管してくれた。
おれはその場から移動して、保育園か小学校の教室みたいなところへいく。
そこには人々が集まっていて、おれはその人たちに授業をするのか、
講演をするのかよくわからないが、ともかく彼らの前に立った。
そしてテキストを広げて、みんなでディスカッションを始めた。
内容はわからない。歴史や文化、あるいは絵画の鑑賞法みたいな話か。
そのレッスンが終わると、集まっていた人々が三々五々散っていく。
声を掛けられて、茶話会のような催しに参加するようにいわれるが、
おれは、預けた画材道具を取りに行かなければという気持ちがあり、
夢の中にしか登場しない彼女に迷惑を掛けられないと思っている。
だけど、道具を預かってもらった場所に行っても、彼女は不在なのだった。
ちょっと残念な思いをして、その場に突っ立っている。
思えば、彼女はいくつもの夢に、さまざまな役回りで登場するのだ。
具体的にどんな夢か憶えていないが、しばしば登場しておれは意識している。
恋愛感情というのではなく、パートナーというほど相手はこちらを意識せず、
でも、おれが何か困っていると助けてくれる。
おれには姉はいないが、もしかしたら生まれて来なかった姉かもしれない。
姉さん、いつもすみません。ありがとう。