窯元日記復活

奈良博三昧『灰釉短頸壺』(茨城県石岡市出土)

奈良博三昧『灰釉短頸壺』(茨城県石岡市出土)奈良~平安時代 8~9世紀
「奈良博三昧のカタログから」口径16.5高さ29.8最大径37.2 陶製

キャプションから「常陸国府(石岡市)の後背地より出土した火葬骨蔵器。愛知県猿投窯の窯で白色の素地に淡緑色の自然釉がかかる。現存する猿投の壺では最大かつ最強の迫力を持つ。被葬者も相当な人物であったと想像される。」


「奈良博三昧のカタログ・各論 奈良国立博物館の考古部門について 吉澤悟氏から」<思いで深い購入品もある。灰釉短頸壺は茨城県石岡市出土の骨蔵器であるが、個人所蔵品として長らく茨城県歴史館に寄託されていたものである。私は学生時代にこの壺の存在を知り、また古代骨蔵器の研究を通してこれほど大ぶりで力強い猿投(灰釉で有名な愛知県の古窯)は他にない。「猿投窯の王者だ」と勝手に惚れ込み、憧れていた品である。それが数年前に寄託を離れ、所有者も変わったとの情報が入り、見知らぬ地へ流れるかもしれないとあちこち探し回つた。苦労の末に所在をつきとめ、昨年、ようやく奈良博で買い取ることができた。>

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