以心伝心 from Bolivia

青年海外協力隊として2年間、ボリビアの小学校で活動。

元気いっぱい一年生

2011年04月21日 | 日記
きょうは2時間だけの授業。

本当はきょうはどの学校もお休みなのだけれど、先週ずっと先生たちの給料を上げろス

トライキでお休みになってしまったので、校長がきょうはやると決めたのだった。

いつもどおり予定していた1-Dクラスに行ってみると、いつまでたっても先生が来な

い。校長に電話してもらうも、家には誰もいないとのこと。

きょうは授業がないと思って家族でどこかにいっちゃったみたい。

リリアナ~たのむよ~。

とりあえずこの時間は算数だし、いつもはリリアナがはりきって教えているけれど、わ

たしが代わりを務めることにした。

みんな2時間だけの授業に腑抜けてしまったのか、ノートも持ってきていない・・・。

1年生ののクラスで授業をするとき、わたしは3倍ぐらいテンションを上げて挑む。

それから表情も3倍ぐらい意識して挑む。

なぜなら1年生は、あなたを見ているのよオーラをとことんださないと、とても太刀打

ちできない。

高学年を持っていたので、ボリビアに来て全学年を見れることはとても勉強になってい

る。

1年生で授業をやるときがほんっっと一番疲れる。。。けれど一番楽しい。

反応がとにかく素直。

何色にも染まっていないそのまっすぐな心で、おもいきり発言しおもいきり間違えるか

と思いきや、柔らかな思考力で吸収するのが早い。

きょうのめあて。数字で遊ぼう!!

ノートはなくても、数字を使っていろんな活動ができる。

9までのドットカードを一人ひとりに配り、ランダムに示した数字のカードをさがす。

この活動のよさは、一人ひとりが取り組める点にある。

そして、子どものつまずき。3と4、6と7である。

わたしは何も言わないで、ミニ黒板に「3」の数字をはる。

すると子どもは、「トレス!と」言って探し始める。

●●●と●●●●は、ちゃんと数えないとパッと見ただけでは間違えてしまう。

だからここで、「ゆっくり一つずつ数えようね」ということをおさえる。

みんながカードを出すことができたら、つぎは代表で一人、ミニ黒板にドットを並べて

もらう。

ここでも代表の子がやっているとき、他の子は全然違うことをやってしまうから注意。

そこで、代表の子がはるのに合わせてみんなで声をあわせて数えるようにした。

ドットカードのよさは、例えば「7」の数字であれば、

●●●●●●● ではなく、●●●●●
                 ●●
と表示されていることだ。

5のまとまりというのは子どもたちにとって認識しやすい。

しかし5を超えたときから、「6!」「7!」「8!」と答えが分かれるのである。

5のまとまりをつくることで見やすくなり、子どもも数えやすい。

小さいことだが、つまずきはとても勉強になる。

最近つけ始めた各学年ごとの「つまずきノート」は、自分が教材を作るときや授業をつ

くるときの味方になってくれている。

それから、子どもたちのおどろきの行動。

何も言っていないのに自分から終わったカードを順番に並べる子がほとんどだった。

まだ数の段階で、無意識のうちに大小を意識して並べていたのだ。

その後、ミニ黒板に示した数のグループをつくる活動をした。

例えば「4」と示したら、子どもたちが4人グループをつくる。

もちろん数によっては、足りないグループが出てくるわけだが、それも勉強。

2人余った子達がいたら、「4人にするためには何人足りない?」と質問をする。

まだたしざんではないけれど、自然に2+□=4の感覚を身につける。

この活動のよさは、子どもたちがものすごく楽しみながら学ぶことができること。

同時に気をつけないといけないことは、友達のひっぱりあいごっこではないというこ

と。これ最初に言っとくのが大事。

そんな感じで続いて、号令リズムゲーム。

一人ひとりに数字を言い、自分の数字を覚える。

そして、テンポよく1から9までを発言していく。

このよさは、集中力を高めることができる。

9までいったら、また1から戻るということもあって、常に意識し聞きながら自分の番

を待つ。

本当はここで終わりたかったが、1時間半もあったので100玉そろばんを一人ひとり

に渡す。

一番上の段しか使わないということ、そしていつも玉を全部右側にやってから始める

ことを確認。

このよさは、一つひとつを丁寧に数えることにある。10までが一列並びというのが気

になるが、5までの色が緑、6からの色が赤という風に分かれているので分かりや

すい。

気をつけることは、ギターのようにかき鳴らしたくなる教材だということ。笑

きょうは数字をノートに書くことはできなかったけれど、「体を使って数字で遊ぶ=数

字を学ぶ」ことはできのかなと思う。

昨日の1-Aでは、けしごむを○○がとっただの、このおかしは俺のもんだだの、その

カードどこで買っただの、ひっちゃかめっちゃかだった。担任のグアダルーペも、スペ

イン語の宿題のために、子どものノートにお手本を書くのに必死になっていて放任状

態。

もちろんわたしのことばも届かなくて、終わったときには声が枯れていた。

「きょうはだめだったなぁ」って肩を落として帰った。

そう、これが1年生。本当に小さな積み重ねで、そのクラスの状態にあわせて、ことば

が心に届くように言っていくしかない。

でもね、この子達のよさは、心が素直で真っ直ぐなところ。

だから、自分もあきらめずに積み重ねることができる。

そう思わせてくれる子どもたち、ありがとう。

まだまだ修行は・・・続きます。

分かち合う

2011年04月08日 | 日記
スクレで算数の勉強会を立ち上げてから1週間。

今日、やっとワークショップを開くことができた。

本当はまず自分の学校でやりたかったのだけど、なぜかここから始まってしまった。

1年生の先生から8年生の先生まで、学年は様々だけれど、勉強したいと思って来てく

れている。

日本にいるときは研究会とか嫌いだったけど、ここボリビアでその見方がちょっと変わ

ってきた。

刺激を受けながらやっていくって先生のやりがいにもなるし、子どもたちのためにもな

るし、大事なことだと思う。

形にはめて、わからない子を置いていくような研究だけは、いまも絶対に嫌だけど。

今日は、教員達のデモがあったにもかかわらず、そのあと駆けつけてくれた先生たち、

本当に嬉しかった。そしてその中に一人の中学生が参加していた。

その中学生は、他の学校から参加した先生の娘で、将来先生になりたいそうだ。

ものすごく一生けん命に聞いてくれていた。

そしてそんな若い子が参加してくれたことに、感動した。

ここ1週間は朝から仕事が終わって夜中までずっと資料作りをしてきた。

伝えたいことがたくさんある中で取捨選択をし、それを構成してスペイン語になおし

て、先生に見てもらい、自分の書いてきたような言葉じゃ伝わらないんだと痛感し、何

度も何度も書き直して・・・。

当日に何度も何度も庭で読む練習をし、当日に資料を印刷して用意する相変わらずの土

壇場ぶり。でもなんとか間に合った。

先生たちに子どもの気持ちになって考えてもらうことは、自分にとっても勉強になる。

いつもそうだけど、人に何かを伝えるときまでの道のりで、自分自身がとてもいい経験

をさせてもらっていることを忘れてはいけない。

それは自分の頭の中を整理することでもあり、もう一度自分にとって教育で何が大切か

を見つめ直す機会でもある。

ワークショップの最後に、1年生の教材を紹介し詳しく見るために回したつもりが、お

土産と思って持って帰られてしまい、うちの1年生一人ひとりの教材が半分に減ってし

まった。

がーん。でもこれがよい刺激になるとして、また、週末作り直せばいっか。

今日は、「分かち合うこと」に挑戦した一日でした。