私は地球で楽しく遊ぶために生きている

心はいつも鳥のように大空を飛び 空に吹く風のようにどこまでも自由に

善人の背中 ~4~   

2017-11-07 01:18:23 | ミステリー恋愛小説
それは、すぐに二人の関係に表れました.
キオは強者に君臨したのです。
職場でも、私生活でも不遜なほどに私に対してぞんざいな態度をとります。
廊下ですれ違った時の見知らぬ他人のような無表情さ、
可愛い女子社員と楽しそうに話す態度は、私を挑発しているようです。
もやもやとした感情をキオにぶつけないのは、私はキオにとって弱者だからです。
惚れているからです。惚れた方が負けなのよ、
かつて高校の先輩が自嘲ぎみに話していたことが今はよく理解出来ます。
惚れてはいけなかったのです。しかしすべてが遅すぎました。
どっぷりと危険地帯の沼にはまってしまった女は
自分か相手の存在をなかったことにする以外はないのです。
私が私のまま生きていくにはキオと同じ世界では息ができないのです。
殺意というものは人間にとってすぐ近くに息がを潜めて存在していることを知っていますか?
まるでミルフィーユのように重なりやがて、形を残さず崩れた時は終幕なのです。
キオの不信感そして不快から憎しみへと変貌していく感情は簡単に説明できるものではありません。
さまざまなことの要因が重なり殺人へと繋がっていくのでしょう。
そのさまざまな要因をいつくか語りましょう。


to be continue