今夜にも成立しそうな『共謀罪』について、有識者の意見が載っていた。
筆者は、日本とドイツの刑事立法に携わってきた弁護士である。
氏曰く、「法案の最大の問題点は、共謀罪を導入するのに、刑法を改正せずに
組織犯罪処罰法の部分的な改正で乗り切ろうとしている」「組織犯罪対策を
刑法全体でとらえる視野が欠けている」と。
国民目線で言えば、どさくさにかこつけて無理くり法律を作ろうとしているよ
うに見える。政界は日本の政治史上、類を見ない品の無い次元で目を覆わんば
かりのスキャンダルの渦中にある。後世の笑いものになるのは間違いないとし
ても、そのレベルが群を抜いて下等すぎて話題にするのも憚れるほどである。
また、「人生フルーツ」というドキュメンタリー映画を通して、脱成長主義を
唱えている評論があった。今やどうして成長主義かと言えば、積もり積もった
借金を返す方策がないからである。パチンコに負けているものが、負けを取り
返すためにパチンコを続けるみたいで結果は明明白白である。何しろ借金は増
え続けているのだから。
周りを見渡せば、モノもの物、、、モヤシでさえ安さに悲鳴を上げているとの
報道がある。モノが溢れて安いので、生産者の賃金は上がらない。仕事時間は
減らない。という負のスパイラルが蔓延している。バブル期を凌ぐ求人だとい
うが、中身はどうなのだろう。
毎日、汗水流して働いている生活者に接していると、一部(特に世襲政治家)
の特権階級の話しているのをテレビで観ていると、違う空気を感じてしまう。
われわれ庶民の暮らしぶりを一番身近で受け止めてくれている人が、政治家
ではなく、二重橋の向こうにお住まいの方という日本の状況が、まさに救い
ようがない蟻地獄ではなかろうか。
引用=朝日2017/6/2