ラテン系hard ripper

波を愛するラテン男の日記です。

草食君よ・・・・。

2013-01-27 11:36:59 | Weblog
またまたかなりご無沙汰してしまいました。
今更新年ってもう言えないくらい時が経ってますが、明けましておめでとうございます。
拙いブログですが、本年もどうぞ宜しく御願い致します。

前回の、うちの会社の草食君のことで、あの後心境の変化があった。
オレが尊敬する、営業のプロで日本中で有名な人のセミナーに参加した時のこと。
その人の言う「相対意識」なるものの考え方からすれば、人は叱っても動かないんだとか。
・・・どころか、叱られると自己防衛の本能が働き、「オレは悪くない。あんな、エラそう
なこと言って。」と逆に殻に閉じこもってしまうんだと。
オレは、今までの人生経験から言えば上司からは怒られるのが当たり前で育った。
そりゃあ、叱られればムカついたけど、でも自分に原因があるんだって捉えて、今度こそ
何も文句を言わせないぐらいやってやるぜ!って自分を奮い立たせてやってきた。
だから、部下を叱るのは上司の仕事だぐらいに思って・・・。
正直、叱られる方もツラいけど、叱る方もとってーーーもイヤな気持ちになる。
けど、そうしてやらないと覚えないし・・・って思っていた。
でもその人曰く、叱るんじゃなくてやさしく問いかけて、自分で考えさせて気づかせれば
押し付けじゃないから、身に染みてそのように動くんだと。

それから、会社の業績にかかわる部分でもいろんなコトがあり・・・。
オレも兄貴(社長)も今までの自分らの行動を猛省しなければいけないような事態になった。
まあ、簡単に言えば、今まで順風満帆で万事うまく行ってたのが、売上がガクっと落ちて、
なかなか盛り返せなくなったのだ。
そういう境遇になってはじめて、自分らが怠けてたんじゃないかとか、天狗になって威張っ
てたんじゃないかとか、従業員ががんばってくれてたのに文句ばっか言ってたんじゃないか
とか、とにかく猛省して・・・。
一からやり直そうじゃないけど、社員に対してもものすごい感謝の念を今更ながら抱き・・・。
一番下っ端の草食君にも、「オイ」とか「オマエ」とかえらそうな口をきくのをやめよう
ってコトになり。
結果的にセミナーで聞いたようなやり方、接し方を心がけるようにしたら、まあ驚くことに
草食君の姿勢が随分と前向きになり、若さがあるだけに声も大きくハキハキしゃべれるように
なって、それはそれはオレと兄貴は喜んだのだった。
それと供に、会社の方もガンガン盛り返して、今日現在に至っては、そういう危機に面する
前の頃よりもより筋肉質と言うか無駄がないと言うか、稼げる会社になったんじゃないか
って思う。

・・・・だけど・・・。
その後、なんでかわかんないんだけど、一時的に良くなったように感じた草食君が、会社を
無断欠勤した・・・。
しかも一日二日とかのレベルじゃない・・。
その間一切連絡もなく。
きっかけは体調崩したってコトだったんだけど・・。
でも、普通、社会人の常識として、やんごとなき事情で会社を休む際には、どう考えても
連絡してくるハズなのに・・。
連日、いろいろ思いを巡らせてカレの出社を待ったが来なかった。
その間、兄貴といろいろ話して・・。
クビにすんのは簡単だけど、まわりの従業員の感情にも配慮しようってコトで、とりあえず
みんなの意見を募ったりしてまた幾日かが経った。

それで、結局最終的には長期の欠勤を余儀なくされることがあったと言って連絡があり、
これこれこうで連絡もできなくて・・・と言って、更にダミーであるところから別の人に
なりすまして電話してきたりして、とにかく明日出社しますってコトだった。
オレは、そりゃあもう情も湧いてたし、ウソつかれたくないって思ったからカレの工作めいた
ものが真実であってくれって願った部分もあったけど、結局確信犯でウソだったってのが
わかってしまった。
この時点で兄貴はもう迷いなく解雇を決意したし、従業員もあきれるくらいな様子だった。
オレは、解雇は当たり前でしょうがないんだけど、「なんで???」って言う、残念な気持ち
悲しい気持ちが入り乱れていた。

解雇の当日、カレはまさかウソがバレてようとは思ってなかったみたいで、「まあ、怒られて
すいませんって言えば、今まで通り(会社に)いられるだろう」ぐらいの気持ちで来たよう
だったけど、オレと兄貴と3人で部屋にこもって話すうち、自分のウソを白状した。

「車のカギ、携帯、それとなにとなにを全部置いてけ」
と、兄貴はさすがに怒りを露わに言い放った。
カレに抵抗力などなく、弱弱しく指示に従うほかなかった。

まあ、わかりやすく解説するのなら、叱るのをやめて接し方を変えても、やる気があります
とか早くもっと仕事覚えたいとか、仕事が楽しくなってきたとか、全部うわべだけのウソで、
早起きして会社に行って、お客さんの相手して社内のルール守って・・・って言うことが
務まらない男だったってことだ。

オレは、兄貴が激情家ですぐカっとなって問答無用で怒っちゃう人なだけに、セミナーで
教わったこともあるし、セミナー以来叱ることなく、なるべく本人に気付かせるように、そして
プライベートな話もうんうんって聞いてあげるよう努めた。
結果、自分のストレスもなくなったし万事いい結果になったなーって喜んでただけに正直ショック
だったけど、まあ、こういうのも経営者じゃないと学べないことなのかなって、まあ切り替えて
やってくしかないかなって思うことにした。

兄貴に蹴散らされるように個室を追い出された後、最後に二人きりになって見送った時に、草食君が
見たこともないくらいに表情を崩して、わぁあっっと泣き崩れた。
「◎◎さん(オレです)、すみませんでした。
ごめんなさい。」って。
ものすごく、弱弱しく頼りない20代のヤサ男の姿だった。
ぶったたいたら折れちゃいそうなか細い肩を3回くらいバン!バン!!って叩いて
「お前さ。負けんなよ。これから。まだ、ぜんぜんだいじょぶだから。これをバネに、次で挽回
しろよ。これから大変だけど。絶対取り戻せるから。まだ若いんだからな!」って、泣きじゃくる
草食君を鼓舞することくらいしかできなかった。
最後にあいつは
「次に・・・お会いする時は・・・・恥ずかしくない自分に・・・なっていたい・・・です・・」
ってかすれた声で言っていた。

カレが会社からいなくなって少し月日が経った。
今でも空席を見ると時々あのひ弱な顔つきとか、でも顔に似合わずカラオケでは大きな歌声で歌ってた
のとか、時々面白いリアクションしてたのとかを思い出す。
でも、オレはあいつのお兄ちゃんでもなんでもない以上、経営者としての決断をせざるを得なかった
のも事実だから、後悔はしてない。
正直、これからのあいつが心配だし手を差し伸べてやりたい気もするけど、それはナシだってことも
わかってる。
だから今は、

「ああ、いい経験させてもらったなー。次、これからがまた楽しみだな」

って、清々しく歩いていくしかないって思っている。

おーーい。草食~。
絶対にがんばって、見返してやれよーーーーー!!!!