Farmers Plant Seeds

🤳《不易流行》🤳あしたの詩を唄おうよ…🎵

 故郷は遠くにありて・・・忘れかけてた【遠い背景の記憶】原点回帰[69]【ひも】 

2022-07-29 | こころの旅
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 [文学者 昭和36年4月掲載) 実業之日本社=昭和56年9月25日初版発行版]
 【ひも】は、女のひもとなった男の行動を扱っているが、短編の中に男と女それぞれの心理や感覚の
ずれをとらえてストーリー性を感じさせる作風は、作者の特徴である。
 今回は、【ひも】を紹介します。






 次回は、【断崖】一の章を紹介します。

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 故郷は遠くにありて・・・忘れかけてた【遠い背景の記憶】原点回帰[68]【考えない人】 

2022-07-26 | こころの旅
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 [文学者 昭和33年5月掲載) 実業之日本社=昭和56年9月25日初版発行版]
 【考えない人】は、青年社員の服毒自殺をめぐって、その友人や恋人たちがそれぞれの思惑を交錯
させていくが、この登場人物たちは青年の死の意味を考えるより、自分たちに都合の良い解釈でどう
利用したら良いかを思案し、実行に移すドライな若者たちの世代の思考と青年の父親であり地方の保守
派の議員の思考と対置される。いずれも被害者で同時に加害者であるような人間関係を巧みに作者は
描きながら、人間のエゴイズムと欲望をとらえている。・・・【雌雄の光景】の原型を【考えない人】の中で
読み取れる作品である。・・・・・






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 故郷は遠くにありて・・・忘れかけてた【遠い背景の記憶】原点回帰[67]【鮮魚の匂い】 

2022-07-22 | こころの旅
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 [文芸 昭和32年2月掲載) 実業之日本社=昭和56年9月25日初版発行版]
 【鮮魚の匂い】は、作者が豊津高校に通学していた時代の回想をもとにした短編で、自伝的な要素
をもついくつかの作品とも共通した内容だが、その中でも早い時期に書いただけに、新鮮な味わいが
ある。特に、昭和33年に平凡出版から刊行された【雪の記憶】の原型の様な作品であると私は、確信を
持った。何故なら、冒頭の文面から察する事ができる・・・
 [十六歳の冬、豊津中学校に転校して間もなく、主人公は一人の女学生に恋した。通学に新しく越し
  てきた苅田町から、九州の東海岸を走る日豊線で行橋町に下り、田川線に乗り換えて豊津で下車
  する。敗戦直後のこととて列車の接読が悪く、早朝暗いうちから家を出なければならなかった。最初
  にその少女に遇ったのは、その日豊線の汽車のなかであった。」・・・・・日活映画《北国の街》でも
 同様の場面がある。(原作とロケ地と場所が違いますが・・・学制改革直前の頃の時期であった)・・・







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 故郷は遠くにありて・・・忘れかけてた【遠い背景の記憶】原点回帰[66]【喪家の狗】 

2022-07-19 | こころの旅
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富島健夫が文壇に登場するのは、昭和二十九年に第三十回芥川賞候補となった
【喪家の狗】からである。
 昭和二十五年秋に父親が亡くなった後、福岡県から上京し翌年、早稲田に入学し
てまもなく丹羽文雄の門をたたき彼が学友と計画していた同人誌の誌名を「街」と名付
けることを許された。創刊当初の「街」は早稲田の英文科学生を中心に出されたもの
で、丹羽も処女作「秋」を発表した由緒ある同人誌であった。
 この「街」に富島健夫は作品を執筆すると同時に、やがて「文学者」への加入をみと
められる。そして昭和二十八年十二月号の「新潮」同人雑誌推薦特集に、「街」の
代表として【喪家の狗】を発表したのが、芥川候補となったのである。この時の候補作
は、計十篇あったが、受賞作はなかった。しかし「文学者」に加入してまだ日の浅い、
二十二歳の富島健夫の作品が選ばれたことは、彼の才能を示す何よりの証拠であ
ろう。・・・・・尾崎秀樹(評論家)の解説文より・・・・・
 大学卒業後、河出書房に入社し、同社から書下ろし刊行した【黒い河】が話題と
なり、さらに河出書房の倒産をきっかけに故郷へ一次帰省した後、執筆生活に入る
のである。その頃の状況、が【故郷の蝶】の作品の中に描かれている様に思える。
 さらに、青春小説の書き手としてマスコミで活躍し始めてからも、【喪家の狗】や
【黒い河】のもつ、人間の欲望を凝視し、それをリアルに描き出すといった視点は、
失われていないように思われる。米兵相手の朝鮮人ポン引きを描いた【喪家の狗】
や【黒い河】には、異色の素材を扱っているようですが、そこには富島健夫自身の
資質の一面が視られ作家への原点とも思えてならないのである。
・・・・・【黒い河】は、昭和32年松竹にて映画化された。・・・・・

 [新潮 昭和28年12月掲載) 実業之日本社=昭和56年9月25日初版発行版]






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 故郷は遠くにありて・・・忘れかけてた【遠い背景の記憶】原点回帰[65]【夜の青葉】 第七話

2022-07-15 | こころの旅
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【夜の青葉】は、富島氏が昭和三十七年に集英社から書下ろし長編として刊行。その後、角川文庫
から昭和五十二年3月初版発行された。私が入手したのは、昭和五十二年10月再版発行された分です。
 富島氏の推理小説に取組む意欲を燃やした作品の【七つの部屋】に続いて五冊の推理長編を発表し
ている中の一冊です。
 その作品群は、【雪の中の信子】・【若葉の炎】・【二人が消えた夜】・【容疑者たち】・【夜の青葉】である。

 【夜の青葉】最終回 第七話を紹介します。・・・・・1977年《角川文庫 刊行版》






次回は、 故郷は遠くにありて・・・忘れかけてた【遠い背景の記憶】[69]【喪家の狗】 
 [新潮 昭和28年12月掲載) 実業之日本社=昭和56年9月25日初版発行版]


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