「八月の六日間」北村薫作
2014年5月刊行
主人公は雑誌の副編集長をしている「わたし」
同僚の藤原ちゃんから「明日、山、行きませんか」と誘われたのがきっかけで
山に登るようになる。
数回は藤原ちゃんのグループに参加させてもらったが
基本的には一人が好きだった。
で、驚いたのが作者の北村薫さんは、この小説を山に登らないで書いたのだという。
びっくりした!てっきり登山が趣味だから、書けたお話だと思ってしまった。
創作に当たっては、登山経験のある編集者に取材をしたり
資料やDVDを参考にしたそうです。
北村薫さんも「これを読んだ初心者の方に自分も簡単に行けると思われたら困りますね。
現実には、一人では行かないほうがいいですよ」とのこと。
あくまでもこの小説はフィクションなわけで、登山を甘く見てはいけないってことですね。
私なども読んだ直後はテンションが上がって
登山とまではいかないけれど、どこか自然の多い場所へハイキングへ行きたいって思ってしまいました。
ハイキングどころか今の私は体力、筋力がものすごく落ちているので
まずはウォーキングからなんですけどね(;^_^A
お話の中でも、急な天候不良や熊が出没したりと、なかなか怖いです。
それでも四季折々の自然はきっと心も体も癒してくれるんだろうなぁと感じました。
年を重ねてくると、体を動かすこと、自然と触れ合うことの大切さをつくづく感じさせられます。
そして主人公の「わたし」はいろいろ苦しみながらも
一人で山に登るということで、心の整理をしながら乗り越えてゆく。
やりがいのある仕事があり、なんか輝いてるなぁとちょっぴり、いえ、すごくうらやましく思ったのでした( *´艸`)