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「人生の目的」五木寛之

2023年08月17日 | 本 レビュー

「人生の目的」五木寛之作

2019年3月刊行

この作品は、『人生の目的』(1999年刊)を再編集した新書オリジナルです。

 

五木さんの作品は好きでよく読みます。

いろいろ行き詰まったときとか、落ち込んだときに読むと

エールを送られた気分になります。

 

「人生の目的」というタイトルですが

この本を読んでも、人生の目的の明確な答えは出てこないかもしれません。

それでも心に訴える内容がいくつもあります。

 

「あとがきにかえて」より

『人生の目的は、「自分の人生の目的」をさがすことである。

自分ひとりの目的、世界中の誰ともちがう自分だけの「生きる意味」を見出すことである。

変な言いかただが、「自分の人生の目的を見つけるのが、人生の目的である」と言ってもいい。

私はそう思う。

そのためには、生きなければならない。生きつづけていてこそ、目的も明らかになるのである。

 

人生の目的とは、おそらく最後まで見出すことのできないものなのだろう。

それがいやだと思うなら、もうひとつ、「自分でつくる」という道もある。

自分だけの人生の目的をつくりだす。

それは、ひとつの物語をつくることだ。

自分で物語をつくり、それを信じて生きる。』

 

🍀🍀🍀

 

なるほど、私は「自分の物語」をつくることを人生の目的にしてみようかな?

以前読んだときはそんなこと思わなかったのに不思議。

 

 

そして五木さんが繰り返し言われていることは、生きること、生きつづけること。

みっともなくても生きる、苦しくとも生きる。

 

「本文より」

『生きるとは「運命」と「宿命」の挟間に身をおきつつ

それを素直な気持ちで受容することである。

 

耐えて、投げださずに、生きつづける。それしかない。

そうすれば運命と宿命の結び目が、ひょっとして思わぬもつれかたや

ほどけかたをする場面に、出会うかもしれない。。。』

 

🍀🍀🍀

不運な出来事が続くと、だんだん人生投げやりになってきて

もういいやってあきらめてしまうこともあるけれど

それでも生きていれば、もしかしたら結び目が思わぬもつれかたをして

良い方向に変わる時が来るかもしれない。

だから生きつづけてこそなんでしょうね…