「人生の目的」五木寛之作
2019年3月刊行
この作品は、『人生の目的』(1999年刊)を再編集した新書オリジナルです。
五木さんの作品は好きでよく読みます。
いろいろ行き詰まったときとか、落ち込んだときに読むと
エールを送られた気分になります。
「人生の目的」というタイトルですが
この本を読んでも、人生の目的の明確な答えは出てこないかもしれません。
それでも心に訴える内容がいくつもあります。
「あとがきにかえて」より
『人生の目的は、「自分の人生の目的」をさがすことである。
自分ひとりの目的、世界中の誰ともちがう自分だけの「生きる意味」を見出すことである。
変な言いかただが、「自分の人生の目的を見つけるのが、人生の目的である」と言ってもいい。
私はそう思う。
そのためには、生きなければならない。生きつづけていてこそ、目的も明らかになるのである。
人生の目的とは、おそらく最後まで見出すことのできないものなのだろう。
それがいやだと思うなら、もうひとつ、「自分でつくる」という道もある。
自分だけの人生の目的をつくりだす。
それは、ひとつの物語をつくることだ。
自分で物語をつくり、それを信じて生きる。』
🍀🍀🍀
なるほど、私は「自分の物語」をつくることを人生の目的にしてみようかな?
以前読んだときはそんなこと思わなかったのに不思議。
そして五木さんが繰り返し言われていることは、生きること、生きつづけること。
みっともなくても生きる、苦しくとも生きる。
「本文より」
『生きるとは「運命」と「宿命」の挟間に身をおきつつ
それを素直な気持ちで受容することである。
耐えて、投げださずに、生きつづける。それしかない。
そうすれば運命と宿命の結び目が、ひょっとして思わぬもつれかたや
ほどけかたをする場面に、出会うかもしれない。。。』
🍀🍀🍀
不運な出来事が続くと、だんだん人生投げやりになってきて
もういいやってあきらめてしまうこともあるけれど
それでも生きていれば、もしかしたら結び目が思わぬもつれかたをして
良い方向に変わる時が来るかもしれない。
だから生きつづけてこそなんでしょうね…