「イヌネコにしか心を開けない人たち」2008/1/1
香山リカ(著)
作者の香山リカさんも、当時はイヌ1匹、ネコ5匹と暮らしていて
子供の頃から、実家では常にイヌやリス、鳥などをたさん飼っていたそうです。
この本は精神科医としての立場から、書いたというよりは
香山さん本人の体験をもとに
感じたこと、考えたことなどが中心となって書かれているのかな?と感じました。
この本は15年前に出版されているので、人とペットが一緒に入れるお墓については
まだまだ異論があった頃のようです。
香山さんのこの本は何度か読み返していたんですが
この中で、仏教の教えでは、「人間道」と畜生道」とはっきり分けられているため
両者が一緒に埋葬されるのは、仏教的な感情とは相容れないということになるとのこと。
スピリチュアル・カウンセラーの江原啓之氏は、ペットと一緒のお墓に入ることについて
「そこまで来ると、執着が強すぎるのではないか、と危惧しています」と言っていたそうです。
う~ん、そうかなあ?別に普通じゃん(私の感想)
そこで、前回の記事の最後に書いたように、現在ではペットと一緒に入れるお墓がどうなっているか調べてみたのです。
「ペットと一緒に眠れる霊園・墓地」は私が住む県では39か所ありました!
こんなにたくさんあるんですね!
我が家も歴代の猫たちのお骨が、今も自宅にあるので、できれば一緒にはいりたいですね(=^・・^=)
養老先生も、まだ、まるの遺骨を家に置いていて
いづれ自分がお墓に入るとき、一緒に埋めてほしいと言っていましたし
やっぱりペットは家族ですもんね💛
第7章の「予言通り深刻な社会問題に」の中に、ああ私と同じだあと思った箇所が!
香山さんが以前、獣医学者の鷲巣月美氏に招かれシンポジウムに出席したとき
そこに出席していたペット研究家のひとりがたまたま高名な精神医学者の妻であったのだ。
彼女が「いちばん癒されるのは、飼っているウサギのふわふわの毛に顔を埋めているとき」と語ったそうだ。
おお!私もうちの猫のお腹に顔を埋めて匂いをクンクン嗅ぐのが癒しなのだあ😻
と喜んでいたら…
香山さんが言うには「ふわふわの毛に包まれたい」というのは、精神医学的には
「母親に抱かれていた子ども時代に戻りたい」という退行願望と解釈されるそう。
しかも、その相手が表情の乏しいウサギというのは、その願望はかなり強烈らしい。
あの立派な精神医学者の妻でさえ
強い退行によってしか救われないようなストレスがあるのか、と驚いたとのこと。
(そうなのかなあ?ただウサギがかわいいだけなんじゃないの?とひねくれた考えの私)
ペットロス問題に関しては、香山さん自身もかなり深刻な経験をされていらっしゃるのですが
最終的に新しい犬を飼うということで、解決したようです。
精神科医である香山さんでさえ、感情鈍麻や侵入性想起などの症状がでて
食事の味がしないとかかなり大変だったのだなあと…
さらに立ち寄った本屋で「ペットたちは死後も生きている」という
スピリチュアル系の本をつい買ってしまったというんだから
本人が言うように精神医学の知識さえ役に立たなかったということですね。
私自身も何度かペットロスを経験していますが、何度経験してもすごく悲しいし
特に私にいちばん懐いていた子が死んだときは、茫然自失で
これからどうやって生きていったらいいのかわからなくなりました。
夜は一緒に寝て、仕事から帰ればお出迎えをしてくれて
悩みも聞いてもらってました。
実は死んでからの数か月間の記憶があいまいで、覚えていないことが結構あります。
消えたいとか〇にたいとか考えていた時期もあります。
私の場合ペットロスにいちばん効いたのは時間でした。
日にち薬って言葉をよく聞きますが、時間がたつにつれ自然と立ち直ってきました。
香山さんも最後のほうで、書かれています。
「ペットとの別れは、どうにもならないほど悲しい。
でも、どうにかしなければならないのが、
そしてどうにかできるのが人間、というものでなくてはならないのではないか。」