2013年4月1日(月)晴れ 朝起床すると、窓越しに明るい太陽光線が床を照らしている。
窓を開け、外を眺めると青い空が広がり、清々しい空気が漂っている。
南大阪周辺の桜の開花も満開に近い情況になって、桜の名所では花見客で賑わいそうである。
こうした中、以前に新聞で報道されていた山桜の名所が泉南市にあることを思い出してくる。
桜の名所は自宅近辺にも沢山あるが、山桜の名所は知らなかった。
午前11時00分頃、妻と二人でカメラを持って愛車で出かけて行く。
自宅から一般道を走行し、JR阪和線新家駅を通り、山沿いの道に入ってしばらく走行すると、報道されていた山桜が、山一面に色彩り彩りの美しい色彩を放っている光景が目に映ってくる。
鶯などの小鳥の鳴き声も数多く聞こえ、山全体が賑やかで自然界の活気のようなものと春の季節を感じさしてくれる。
私は、これだけの山桜が山一面に広がっている光景を目にするのは初めてである。
まるでカラフルな色彩の絨毯を敷きつめたようである。
山桜は桜(染井吉野)と違って、一本一本の木によって、色や花の形、葉の形状も、それぞれに独特の表情をもっているようである。
桜の名所といわれる所に行って桜を見ていると、花の色や葉の形状もほとんどが統一されている染井吉野が多いが、山桜はそれぞれに個性があり、特徴がある。 花や葉の色や花の形状も木によって違っている。
それに、木の周りには、桜以外の木も多く、自然界に生き抜く力強いパワーを持っているようにも感じる。
桜の原点といわれる山桜、木ごとに色彩り彩りの美しい色彩を放つ山桜の群落。
染井吉野は花から咲き始め、花が散った後に葉がでるが、山桜は花と葉が同時に開花してくる。 雑木の中に咲く山桜の強い生命力に関心する。
周囲を雑木に囲まれた中で、柿色とピンク・白の美しいコントラストを見せる山桜の群生地。
山の傾斜地の上流側を見上げるとこのように山桜が咲き誇っている。
谷の両サイドに山桜が群生し美しいコントラストを見せている。 奥は造成されて公園になっている。
柿色の葉に可憐な白い花を咲かしている山桜
谷を少し登り右側を見るとこの様に山桜が群生している。 山の斜面中央は道路でグレイのコンクリートで固められている。
道路側から眺望した山桜の群生地
数本の山桜の境を見ると、こんなにも違った表情を見せている。
山桜の群生地上部から眺めると谷の両側に山桜が群生、左後方には関西空港への連絡橋が見えている。
ピンク色の色合いの濃い山桜の群生地
高台にある公園から見る山桜の群生地と後方のりんくうータウン(泉佐野市)
高台にある公園からのりんくうタワン方面の眺望
山桜とりんくうタウン方面の眺望
山桜と関西空港連絡橋方面の眺望
美しい色彩を放つ山桜の群生地
山桜と関西空港連絡橋方面の眺望
今回の泉南市にある山桜の景勝地を初めて訪れ、山桜の美しさや生命力、力強さを感じ、私の山桜への興味や素晴らしさが一気に深まっていった。
本来、日本人にとって桜といえば吉野で、吉野の桜は、名前からいって全国的に植樹されている染井吉野の桜と思われがちであるが、吉野の桜のほとんどは山桜である。
桜の寿命も染井吉野は50年~100年といわれるのに対して、山桜は500年以上ともいわれている。
自然の山桜は、概ね標高500m以下の地域に自生するといわれ、それ以上の標高にある山桜は人間の手によって植樹されたものである。
標高の高い吉野山の山桜は、信仰の対象として、多くの信者たちによって植樹されている。
山桜と小鳥の関係も非常に重要で、山桜の種子は小鳥によって運ばれるといわれ、小鳥の生息する地域が山桜の自生する地域となる。
群生する山桜の花の蜜を求めて、小鳥の鳴き声がやまないのも、小鳥たちが山桜の自生を助けているからである。
南大阪や和歌山の紀ノ川周辺にも、山桜の群生地が多く見られるが、これも小鳥たちとの強い絆が想像される。
私は今まで山桜に対してあまり関心を示さなかったが、今回、山桜の群生地を訪れ、通常の桜以上に山桜に興味が湧いてくる。
日本人にとって、古の時代から樹木一面に咲く桜は、花の頂点で、春の訪れとともにやってくる花見は最高の楽しみでもあった。
全国各地で桜の名所は、現在でも多くの人たちに親しまれ花見客で賑わっている。
こうした賑わう桜の花と違って、人里を離れ静かに咲いている山桜に自然と心をひかれていく。
そして、山林の多くの樹木の中で、自分の個性を発揮し、堂々と自分を際立たせ、生きている山桜に、染井吉野の桜にはない美しさや、人生の生きざまのような姿を感じさしてもらった。
お時間のある時などのお立ち寄りや、ご気軽にコメントをいただけば幸いに存じます。
今後ともよろしくお願いいたします。
希間々兼行