昨夜から今朝にかけて断続的に雪が降った長野盆地。
盆地の雪は昼前にはほとんどとけたけど、山地はかなりの積雪。
水野美術館の四季彩MIZUNOさんで昼飯を食べて、どこかで散歩して帰ろうと思ったのだけど、外はおっそろしく寒い。
昼飯ばかり食ってないでたまには展覧会。
水野コレクション「時をとらえるー大観の朝焼け、春草の夕暮れ」。
会期は2月10日~3月24日。
展示室の撮影は禁止。
水野美術館は3階展示室から2階展示室が順路になっている。
3階展示室ドアを開けた瞬間、心が震えたように思った。
明るさを落とした畳敷きの小あがりに平松礼二の「月光の曲」があった。
月に照らされた静かな空間に桜が揺れる。
横山大観も菱田春草も素晴らしいコレクションだし斎藤俊雄も牧野伸英もいい。
でもどういうわけだか加山又造の「朧」に見入ってしまった。
なんで今日はこんなに桜を題材にした絵ばかりに心が行くのだろうと不思議に思いながら運転していて、ハタと気が付いた。
雪景色は美しい。
けど雪がなければただの冬枯れが茫洋とあるだけ。
観光客誘致のために色々と咲かせるし、私自身もそれを楽しんでいるけど、本来の今頃の景色って色彩に乏しいものだったんだ。
だから美術館の桜の絵に惹かれる。
そして日本画でなければ描けない情緒がある。
そして常日頃これでもかと様々な作品と出会う首都圏で観るより、その土地その土地の風土の中で観ると違うものだったんだと思ったのであった。