現代の表現の一側面を切り取り問いかけや議論の始まりを引き出すグループ展、東京都現代美術館のMOTアニュアルは16回目をむかえた。
今回は自然界や社会の不可視の力に着目するアーティスト5組による展覧会。
片岡純也+岩竹理恵・清水陽子・中島佑太・Goh Uozumi・久保ガエタン。
会期は2020年11月14日~2021年2月14日。
一部動画を除き撮影可能。
Goh Uozumi。
アート&テクノロジーの領域で活動するアーティスト。自律分散組織、プログラマブル・マネー、機械学習、監視社会、クリエイティブ・コーディングなどの「文明における自動化の動向」を考察する作品。
床のQRコードをスマホで読み取ってみる。
正直なんじゃらほい?という感じを受けないでもないけど、こうしてパソコンに打ち込んでいると、自律分散組織とかプログラマブル・マネーとかクリエイティブ・コーディングとかすぐに出てくる。それだけ使用頻度が高いということだ。いつの間にかそういう時代に生きてる。。
中島佑太。
人々が持っている「当たり前」について、ワークショップや遊びの要素を持った活動を通じてその再構築・書き換えを試みる。家庭内ルールから公共の在り方、社会的分断などの題材を内包し、身の周りのテーマに切り込む。
テクノロジーな隣の展示室はまるで1960年代を彷彿させる。
壁の向こう側にいる誰かが守るルールを提案してみましょう。
折り紙に提案を書いて紙飛行機にして新聞紙のバリケードの向こうに飛ばすらしい。
やってみる。
この展示を出た横の壁には提案とそれに対するコメントが書かれた紙飛行機が貼られている。
そうして、新聞紙バリケードの向こう側。
壁に貼られた提案紙飛行機のコメントは中島ばかりではなくて来場者が書いてもいいということなのかな。自分の提案に自分でコメントもありね。
そうして、向こう側を覗いてそこに見える人の顔を描いてみましょう。
描きながらなるほどね。
入館者はもれなくマスク着用。着用してなければたぶんやんわりと注意されるはずだ。マスクした顔以外の顔なんてあるわけない。。
久保ガエタン。
超常現象や自然科学的に知覚できないもの、精神分析や社会科学の中の見えない関係性について動きのある自作装置や映像作品を通して考察し、無意識の欲望や不安が噴出する瞬間を再現する。
どの展示も、難解といえば難解だけど、身につまされるといえば身につまされる。
そうして。
鈴木昭男の点音の道草でほぐすのだ。