今日は湿度は高いけどなんとなく涼しく感じる。
上野の森へ。
国際子ども図書館へ。
「東洋一」の夢 帝国図書館展。
会期は3月28日~7月16日。
この図書館は帝国図書館として1906年(明治39年)に建てられた。
日本初の近代図書館は当時の文部省によって湯島聖堂内に1872年(明治5年)に書籍館が開設された。
書籍館はその後場所を移しながら市民図書館として機能していったけど、時代は大規模な国立図書館を要求するようになっていた。
1897年(明治30年)「帝国図書館管制」が交付され、新しい国立図書館の設立が始まった。
工事は、久留正道や真水英夫などの設計で三期にわけて第一期は1900年(明治33年)に始まり1906年(明治39年)に竣工して全体の1/4が出来上がり開館した。
その後、昭和期になって第二期工事が行われ全体計画の1/3が完成したけど、残念ながらそこで国の予算が尽きた。
結局完成することなく今に至り、その後平成27年2015年に新館が完成し、明治の方はレンガ棟、平成の方はアーチ棟と名付けられた。
3階の本のミュージアムが今回の展覧会の会場となっている。
残念ながら円形の後付け展示スペースが陣取っている。
けど、国の威信をかけて東洋一の国立図書館を目指した当時の様子がよくわかる。
湯島聖堂から始まって150年の歳月が流れた。
ラジオ、映画、テレビそしてインターネット。
活字離れが叫ばれて久しい上に、最近では海外からは公立図書館の選書に対する圧力から出版社が表現修正を余儀なくなされているとのニュースも伝わってくる。
図書館は、人間の知的生産物である記録された知識や情報を収集、組織、保存し、人々の要求に応じて提供することを目的とする社会的機関であるという。記録資料の保存、累積によって世代間を通しての文化の継承、発展に寄与しする社会的記憶装置であるという。
調べものをする時私のような世代は図書館に籠っていた。
家にいながらにして世界の図書館とつながることができるようになっていったことは衝撃的ですらあった。そしてなんて便利な世の中になったんだとしみじみと思った。
けど今は逆に恐怖を覚えることもままあるようになっている。
ネット情報を妄信してその情報がどこからどう出てきてるのか疑うことすらしてない世の中が怖い。
いつだったか、雑談していて誰かが言って自分が知らないことがあると即スマホで検索する人がいた。そして、ああそれ正しいのねそれ間違ってるわと言うのである。その時だけの仕事関係のランチで二度と会う相手ではなかったけど、呆れた。
生身の人間の言うことは絶対に信じない。スマホに書いてあることは幼児のように無邪気に信じる。
図書館の重要性はますますに増しているように思うのだった。
帝国図書館は「東洋一」の夢を見るか?
箱ではなく守れるか否かが「東洋一」の夢を見ることになる時代になったのかも。
今宵は三日月。