東京都現代美術館のMOTコレクション展。
今回のテーマは「光みつる庭/途切れないささやき」。
会期は3月19日~6月19日。
1Fは、光みつる庭。
中西夏之・石川順惠・堂本右美・李禹煥などを巡る庭。
康夏奈の作品だ。
「花寿波島の秘密」は、康夏奈が小豆島で作成した沖に浮かぶ小島をめぐる海景を逆円錐形の中に落とし込んだインスタレーション。
真ん中に入れば、鑑賞者も作家と一緒に海の豊穣に身をゆだねる。
康夏奈(吉田夏奈)は2020年に44年の生を終えた。
生前の彼女は自分の画集を出すのが夢だったという。
そう伺った時は、自分の足跡をどこかに残したいということのように解釈したけど、そうだったのかな?
「一体、風景とは、空間とは、自然とは、宇宙とは、何なのだろう」
彼女は今も問いかけているのだ。
自分の足跡を残したいというより、自分のたどり着いたところを道標として残したかったのかもしれない・・・
2Fは、途切れないささやき。
東京都現代美術館のコレクションの中核というべき版画作品と船越桂の作品群の間を彷徨うように鑑賞しながら行くと、クリスチャン・ボルタンスキー。
死の表象を醸し続けたボルタンスキー。
「死んだスイス人の資料」。
積み上げられたビスケットの缶には新聞の死亡欄から切り取られた写真が貼られている。
死は産声をあげた瞬間の赤子にも齢100の老人にも等しく来る。
そして生前がどうであれやがては個から数へと置き換わりそれすらも消えていく。
メメントモリ。
とらわれていたんでは明日を生きられない。
忘れても明日を生きられない。