木のぼり男爵の生涯と意見

いい加減な映画鑑賞術と行き当たりばったりな読書によって導かれる雑多な世界。

血と暴力の国

2012-08-24 08:38:09 | 日記


未来はどう見えているか?

『ソフィー』ガイ・ バート
ジャンル分けが難しい。
しかも下手に分けてしまうとネタバレになってしまう。
引きこもる母、帰宅しない父。
知能の高い姉。病弱な弟。
子供時代を回想しながら、弟が姉に問う。
‘子供の世界’は幸福だったのか?
姉の判断、未来図、目的は正しかったのか?
周到な計画、悪意と復讐、そして自己犠牲。
不穏な空気は、楽しい思い出と不気味な前触れによって描かれる。
状況が判明すると、恐怖は更に大きく。
これ以上無いほどリアルな悪夢に満たされる。

『悪童日記 』アゴタ・ クリストフ
『コレクター 』 ジョン・ファウルズ
上記2作品を思い出しました。


『血と暴力の国 』 コーマック・マッカーシー
世の中、どんどん悪くなる…
戦争もどんどん最悪になる。
人生において、他の選択が有ったのでは?という思い。
信念を貫くこと。相手に対する思いやり。
道徳観は失われ、信頼は軽んじられ迷惑ですらある。
相手をどんな人間と考え、誰に助けを求めるか?
酷い事件が増え続け、報道され、人間に対する不信と敗北感が増大。
かくして、血は流し続けられ、暴力は加速する。

『ポップコーン 』 ベン・ エルトン
『雪は汚れていた』ジョルジュ・シムノン
映画「告発のとき」(2007年)はまさに延長線上にあるような作品。

‘ニクソンはこの国を盗もうとしただけだが、レーガンは息の根を止めようとしているんだ~。レーガンが単にアメリカを殺しただけだったとすれば、それを完全に葬ろうとしているのはブッシュだった。’
『みどりの刺青』ジョン・アボット(エド・マクベイン)より。

う~ん。辛辣、辛辣。

‘彼は悪人と善人をどうやって見分けるの?’
‘彼はワシントンには悪人はいない──悪いことをする善人がいるだけだ、という仮定にもとづいて行動しているのさ’byアート・バックウォルド

おっと、これも辛辣。


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