木のぼり男爵の生涯と意見

いい加減な映画鑑賞術と行き当たりばったりな読書によって導かれる雑多な世界。

SAS プリンス・マルコ・シリーズ ハイチ 黒犬に化けた男

2012-10-29 23:07:44 | 日記


『SAS プリンス・マルコ・シリーズ ハイチ 黒犬に化けた男』
ジェラール・ド・ヴィリエ

で、プリンス・マルコって誰?
長身、ブロンド、金色の瞳の上品なオーストリアの王子で、CIA特務諜報部員、通称:殿下(SAS)
………脱力。
で、この表紙…。
買いづらっ!
とか言いながら、買ってるし。

個人的には、初マルコなんですけど。
いきなり24巻目?
まぁまぁ。
言っとくけど、シリーズ195冊なんで。(今のところ)
活躍し過ぎだろ~。
まぁまぁ。

今回読んだハイチ編では…
あの、なんか、色々、“失敗”してるみたいなんですけど?
だいじょうぶ?
訳者あとがきによると、
プリンス・マルコにも限界があって当然です。との事。
いつも敗北してる訳じゃないらしい。(当たり前だ)

ハイチの独裁者やら、トントン・マクート(国家保安義勇隊)などの事実と
やたらセクシぃー美女が登場してマルコとああなったり、こうなったりするフィクションのエンターテイメント。
血なまぐさいし、女性が酷い目にあってばかりですけど。
今回だけか?
シリーズ通してか?
あっさり殺される人が多いし、マルコもあんま執着心ないし。
仕事柄そうなってるんでしょうねぇ。

映像化もされてるらしいが?
はーん。

そういや、イアン・フレミングも読んだ事ないな。
映画観るばっかで原作知らず。
読んでみるかな。

タルキニアの小馬

2012-10-28 14:20:45 | 日記


『タルキニアの小馬』マルグリット・デュラス
地中海の漁村でヴァカンス中の2組の夫婦と女友達。
うだるような暑さ。彼らを取り巻く倦怠感。
喧嘩ばかりするが離れない夫婦。
夫の裏切りにも絆は失わない夫婦。
ダラダラと過ごす日々の中、無気力に裏切りへと進む妻。
愛し合う、支え合う、思いやる─もはや惰性に生きる姿。
自分に近しい者として日常となった相手と離れる気も無いのだが…


『クリミナル・コメディ』ジュリアン・シモンズ
3組の夫婦と好奇心旺盛な友達ジェイソン。
平和な町に出回る中傷文、実弾の入った小道具、毒入りカクテル。
誰が誰を裏切り、誰と誰が組んでいるのか?
お互いに相手の事を解ったつもりでいても…
軽い読み物として楽しめるも、エピローグの辛口さには、恐れ入る。
たいていの場合、上には上がいるんですな。


『怪しげな遺産』メアリー・ウェズレー
絶世の美女を妻にしたものの、
お屋敷に一歩足を踏み入れた途端、彼女はベッドから離れなくなってしまう。
3組の夫婦。
乱れた人間関係をお望みですか?
過激な描写は無いけれど、
不可解な人間が生みだす妙な空気が漂う一作。
是非、イギリスで映像化してもらいたい。
(相関図が載ってますが、ネタバレになるので見ない方が良いかもよ。)



『口ひげを剃る男』エマニュエル・カレール
10年越しの口ひげを剃ったのに、誰も気付かない…
って朝、起きたら虫になってるのとどっちが嫌かなぁ?
不安にかられ、必死で理由を探す。
どうにかして自分を納得させたい。
妻に疑いの目を向け、友人に、同僚に不信を抱く。
そして、自分自身も信じられなくなる…
根底から崩れていく世界。
軽妙なタンタンとした語り口。
最後のグロさが、かえって小説として弱くしてしまったのでは?
読者に対する、言い訳というか、媚にすら感じる。

もう一つ、ラストが思いがけずグロい作品。
『穴掘り公爵』ミック・ジャクソン
ユーモアある文体で、公爵の日記部分は特に可笑しいのだけれど。
最後がどうも…ねぇ…。

そして、最後がグロい映画。
でも、グロさに意味がある映画。
「戦慄の絆」(1988年)
デヴィッド・クローネンバーグ監督作品。
ジェレミーアイアンズ扮する双子(一卵性)の医者が、一人二役で上手い。
技術が進んで「ソーシャル・ネットワーク」で一人二役の双子の自然さはさすがだけど。
20年以上前の作品で、この双子ぶりは素晴らしい。
我が道を行くクローネンバーグ監督。
ここ数年のヴィゴー・モーテンセンとの仕事は極めてます。
バイオレンスの緊張感と美学を硬質に、男の生き様を近過ぎず遠過ぎず描ききる力強さ。
まさかこれほどの映画を作るようになる人だとは、思ってなかったッス。
いや、失礼失礼。

Movie Mash-Ups 【スカーフェイス and...】

2012-10-23 23:03:52 | 日記


『スカーフェイス』(1983年)
くつろぎのひとときなトニー・モンタナ(アル・パチーノ)

『地獄の黙示録』(1979年)
ウィラード大尉(マーティン・シーン)

『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009年)
ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)

『ヘルボーイ』シリーズのエイブ(ダグ・ジョーンズ)

みんな、まったりし過ぎ〜。

“ティーンエイジ”“ミュータント”“ニンジャ”“タートルズ”

2012-10-22 00:59:44 | 日記


ティーンエイジャーだったんだ~、あの亀!
『ミュータント・タートルズ』B・B・ヒラー
映画のノベライゼーション…
って誰の為に?
まぁまぁ、正義の味方ならこの際、何だっていいよね?
巨大化しても、手足は短いままだと思うが…
まぁまぁ。
あ─。ちなみに師匠はネズミです…
味方なら、何だっていいから!
カラー写真もモノクロ写真も豊富に掲載。
子供向けなのに、普通のハヤカワ文庫SF…
ティーンエイジャーだし、ミュータントだし、ニンジャだし、亀だし。
しょい込み過ぎのヒーロー、四人組。
ホント、一人きりじゃなくって良かったね~。
80年代ってなんだかんだ言って平和だったなぁ。
タートルパワー!
カワバンガ!


『キノコの惑星スカー(デュマレスト・サーガ)』E・C・タブ
えっ?マタンゴ?
違います。
キノコが気になったので読んでみました。
いきなり、シリーズ5巻目ですけど。
気にしない、気にしない。
キャット・マンとか出てくるんですけど?
レッド・ドワーフ?
違います。
じゃ、ウルヴァリンだ!
違います。(狼はイヌ科だろ。)
読みやすい!
しかも何故か挿し絵つき。
すんなり入れる世界観。
全巻読もうとまでは思わんけど、たまに飛び飛びで読むにはいい。


「マッシュルーム」(1995年)オーストラリア映画
老女二人が営む下宿にやってきた強盗犯が勝手に死亡。
困ったな、さぁてどうしようか?
ブラックな内容に血の気が引く人も居るかもね。


大量発生…
『11の物語』パトリシア・ハイスミス
書斎でカタツムリを飼育する男。
どんどん殖えるカタツムリ…
かなり昔に読んだにも関わらず、その異様な光景は今だに記憶に。


「神に選ばれし無敵の男」(2001年)
ヴェルナー・ヘルツォーク監督
映画の出来はイマイチですが。
ムキムキ男と大量の蟹のシーンは忘れられず。
プチパニックになる迷?酩?名?場面…


「マタンゴ」はウィリアム・ホープ・ホジスン原作。
脱出王フーディーニと意見の相違でやり合ってたらしい。
詳細が気になる。
とりあえず、次はホジスンの『異次元を覗く家』を読むかな。

思想の達し得る限り

2012-10-19 02:55:11 | 日記


「『メトセラへ帰れ』では十七歳で卵から出てきて、いきなり数カ国語を喋るの」(『乱れた大気』アーウィン・ショー)
なんだって!?
という事で、読んでみました。

『思想の達し得る限り(原名 メトセラ時代に帰れ)』バァナァド・ショウ
アダムとイヴから始まり、未来(三万年後)までを描く五幕の戯曲。
肉体と思想と寿命の問題。
三百年生きるって、どう?
千年、数千年だったらどうでせう?
──凄く浪費すると思う。
あと、二百年あるし~とか言ってダラダラするな、きっと。
精神的に成長するかどうかも疑わしい。
バーナード・ショーが当時のイギリスを皮肉ってる感が炸裂。
詳しいトコまでは解らないのが残念。
リアルタイムだったら、どんな反応してたでせうか?


『ラベンダー・ドラゴン』イーデン・フィルポッツ
騎士とドランゴンの活躍するファンタジーだよね?
これっぽっちも疑わず購入。
あっという間に理想郷の話に。
いやぁ、ドラゴンに説教されるとは思ってなかったっす。
このドラゴンがなんとも知的で魅力的。
考え方もご教訓もなかなかのもの。
思わず、村への移住も頭をよぎる。
にしても、お互いに隣人の庭を世話しあうってのは、ちょっと面白い。


『カリタ教授の奇妙なユートピア探検』スティーヴン・ルークス
政治・社会倫理学の教授が書いた理想の国家を探す旅。
登場する国がいささか誇張され過ぎ。
カリカチュアし過ぎてかえって興味がうすれる。


そ・し・て─
本家本元
『ユートピア』トマス・モア
明らかに、素晴らしい国ではあるが─。
住みたいとは思わんな。
とは言え。
何故、そういう制度なのか?何故そうなのか?
というユートピア人の考え方が詳しく説明されていて刺激的。
しかも、
モアが語る当時の世相が‘現在’とたいして違わない、という衝撃。
社会思想の古典と言われているが、古くない。
古典というより、基本か?
考え方について考えさせてくれる一冊。


『His Dark Materials THE AMBER SPYGLASS』Philip Pullman
(琥珀の望遠鏡 ライラの冒険III フィリップ・プルマン)
パラレルワールド、生死感、魂、宗教。
テーマの深さに驚く。
価値観の違う世界。
成長物語であり、爽やかな切なさの残るラブストーリー。
思想の達し得る限りのファンタジー。


誰でもが丁寧にお辞儀してくれる、社会の上層部に納っている間は、世間というものは、実によくできているように見える。しかし一度その世間の下敷きになれば、社会などというものは悪魔に食われろという気がしてくる。
byスティブンソン『旅は驢馬をつれて』


‘~とうてい読みこなせない法律、まったく難解で全然何のことやら見当もつかぬ法律、およそこういう法律に人間ともあろう者が縛りつけられるとは不合理も甚だしい’トマス・モア『ユートピア』より

なぜか『ソドム百二十日』

2012-10-17 00:42:40 | 日記


マルキ・ド・サド選集『ソドム百二十日』澁澤龍彦 譯
サドと言えば、ジェフリー・ラッシュ(私だけか?)。
映画「クイルズ」(2000年)でサド侯爵役。
映画自体の出来は、それなり。

とは言え、‘サディズム’甘くみてました──。
酒池肉林+ご乱交は覚悟してましたけど。
汚物、拷問、虐殺…ぎゃ、ぎゃくさつ?
オーマイガッ。
登場人物の嗜好、体型、経験を、懇切丁寧に教えてくれる気遣い。
実際の大饗宴の進行は無いものの。
規則という箇条書きのような物で伺い知る、‘それ’は…
充分頂きました─。
‘お替わり’とか要らんから~。
リピーターとか無いから~。

同時収録の[悲惨物語]も近親相姦、はなはだしく。
ソドムよりか断然‘汚物率’が低いし。
物語としては面白いんだけど、ね…

附録として収録[ゾロエと二人の侍女]はサドが書いたのではないそうですが。
だからか?読みやすい艶物語といった感じ。

ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の「ソドムの市」(1975年)
観る勇気を挫かれる。
一生観られそうにないな…


「セクレタリー」(2002年)
上司(ジェームズ・スペイダー)と秘書(マギー・ギレンホール)のSMな関係を前向きに描く。
この内容で、ここまでラブストーリーに!
これ以上ラブコメ度をあげるのは難しかろう。
「ピアニスト」(2001年)とは対照的。


「最後の晩餐」(1973年)フランス/イタリア映画
深夜にたまたまTVで観て。
眠気、吹っ飛んだ。
いや、眠いんだけどサ、なんか画面に目が座ってる感じ…
観終わって、どうすればいいのでしょう?
見事な企画書だったんだろうな。


「マクナイーマ」(1969年)ブラジル映画
誰が何の為か判らんけど、デジタルリマスター!
何が起こっているの?
真っ白な状態で観ても、予備知識総動員しても変わらんと思うぞ。
面白いとこも有り、興味深いとこも有るが。
長い。流れがゆったりなので余計長い。
そのくせ、物語を追えない…


妙ちくりんな映画を観る良さとは。
‘表現出来ない気持ちの状態に陥る楽しさ’です。

そして『密偵』

2012-10-15 12:39:10 | 日記


引き続き。
『密偵』コンラッド
コンラッドの人物描写は素晴らしい。
外見の表現の仕方のお手並みは相当。
たぶん、道ですれ違ったら、判ると思う、この人だって。(ってまぁ、フィクションなんですけど)
行動やら思考、セリフに至るまで、人物が浮き彫り。
アナーキストとつるんで某大使館に情報を提供しているヴァーロック氏。
ご都合主義で狡い人間が蠢くロンドン。
‘自分が一番大事’な人々の、余りにも小心な姿。
‘自分が正しい’と考えている人々の身勝手さ。
人間のショーモ無さに泣けてくる逸品。


『ヒューマン・ファクター』グレアム・グリーン
このスパイ小説に登場するスパイは、可哀想。


そしてラストの壁のシーンで余りの可哀想さに愕然とした映画。
「寒い国から帰ったスパイ」(1965年)
あぁ、無情…


映画「インファナル・アフェア」3部作。
警察と香港マフィアにそれぞれ潜入する警察官とマフィア。
1の興奮、冷めやらず。
2は新鮮で良かった。
3はちょっと無理もあったけど、テーマは継続。
トリロジーを通してテーマは一貫。

ハリウッドリメイク版「ディパーテッド」(2006年)で、
いきなりテーマが綺麗さっぱり消え失せてたのには震撼。
いやぁ、これぞハリウッドマジック!
さすが映画の都。


「第十七捕虜収容所」(1953年)
ドイツの捕虜収容所でのアメリカ兵の日常と脱走計画。
(この場合、脱走計画は限りなく日常に含まれてます)
そして捕虜の中に紛れ込んだドイツ側スパイ。
道化役がかなり濃いし、クドいので苦手な人居そうですけど。
ウィリアム・ホールデンがいい味出してるし(というか、儲け役)。
若かりし頃のピーター・グレイヴス(スパイ大作戦TVシリーズ)の姿が見られます。


「ゴーストライター」(2010年)
意味深で不穏。
出てくる人全員、隠し事が有りそうな…
ポランスキー監督のお得意な演出が居心地の悪いサスペンス。
真相に迫る謎解きを楽しむミステリー。
解いた甲斐は?


“この世の不幸は、だれもかれもが自分が正しいと思っていることにある”
byジャン・ルノワール

Movie Mash-Ups 1コマ劇場【転職エージェント】

2012-10-14 23:51:53 | 日記


『悪いことしましョ!』(2000年)
悪魔(エリザベス・ハーレイ)

『オースティン・パワーズ』シリーズ
Dr.イーヴル(マイク・マイヤーズ)

『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ
デイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)

『ゴッドファーザー』シリーズ
マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)

『Weed~ママの秘密』(TVシリーズ)
マリファナ栽培中のナンシー(メアリー=ルイーズ・パーカー)