月乃和熊(ツキノワグマ)のささやき

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午前八字三十五分発の始発列車

2013-09-17 18:00:00 | 歴史こぼれ話
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午前八字三十五分発の始発列車

JR品川駅の高輪口のロータリーにある目立たない石碑は、明治5年(1872)5月7日に品川-横浜(現桜木町)を、1日2往復で仮開業したときの時刻表を刻んだものだ。



その石碑によると、
「鉄道列車出発時刻表 及 賃金表」は上下2往復で
上りは、午前”八字三十五分”と午後”四字三十五分”の2本
下りは午前”九字三十五分”と”午後”五字三十五分”の2本

運賃は片道、上等が1円50銭、中等が1円、下等が50銭だった。


明治時代の1円を換算すると、物価の上昇などで計算が難しいが、明治16年あたりでの中級クラスの年収はおよそ120円。
現代の年収平均がおよそ500万円であることを考慮すると、1円はおよそ40,000円ほどにもなるだろうか。

ベテランの技術者の明治30年ごろ月給は20円程度という話もあり、それだと年収は240円。これが中級クラスとして換算すると、1円はおよそ2万円になる。

いずれも、仮開業時の運賃は恐ろしく高かく、開業時の全区間の運賃は上等が1円12銭5厘、中等が75銭、下等が37銭5厘に値下げされたが、それでも高額であることにかわりはない。

ちなみに、明治5年9月12日(新暦1872年10月14日)の正式開業時は、新橋-横浜間を53分で結び、
平均速度32.8km/hで1日9往復したのでありました。

それにしても、「時刻表」と書いておきながら、”八字”と表現しているとは、おもしろい。


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