豊川稲荷東京別院(港区元赤坂)では、毎月18日に「読誦会」を開催しています。
かつては、駒澤大学で教鞭を取られていた永久先生、高橋先生なども勤められていた講師を
中野天徳院の東堂(前住職)、大藪正哉老師の後任として推挙をしていただき
平成21(2009)年3月から、講師を勤めて参りました。
★豊川稲荷東京別院 読誦会
以来、7月8月はお盆のため会がお休みであったことの他には
代役を勤めていただいたことも何回かありましたが、
満15年間、右往左往しながら勤めさせていただきました。
何をお話してきたかなと振り返ると、
経典の意味内容をお伝えするお話
ひとつの経典に限らない禅のお話
教誨師や布教師として研鑽したこと
災害ボランティアの現場のお話
時事問題・諸研修会で感じたことに対するお話
など、教義・宗旨に限ることなく、
なんでもお話させていただく機会でありました。
このたび、そのような15年に及ぶ学びに感謝の念を抱きつつ、
豊川稲荷院代老師、総代さまのご了解をいただいた上で
令和6年3月の読誦会にて講師の任を退き、
4月から将来有望な若手の宗師にお譲りすることに致しました。
この15年間、毎回一貫して感じてきたこと、心に浮かぶことは、
ご参加下さる方々の道を求める熱さと、人に向き合った時の心の温かさでした。
どんな天候・体調の時でも、必ず通ってくださった方もいました。
私のお話にしばしば感想、アドバイスを下さる方もいました。
読誦会がご縁となって、拙寺の坐禅会・写経会・旅行や、
講座「禅といま」(夏期大学講座「禅といま」)に参加してくださった方もいました。
院代老師、総代さまをはじめ読誦会を主催して下さった方、
そして、毎回美味しいお茶を淹れて下さったお茶所の方。
これまで一度でもご参加下さったすべての受講生みなさま。
豊川稲荷にご信仰を寄せ日々お参りをされている総ての方々。
そして、私のそばで万事支えて下さった知客寮の皆さまに
心よりの感謝の念を表して最後の挨拶とさせていただきます。