東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

ミヤマクワガタの幼虫飼育

2025年01月22日 | 甲虫
昨年の夏に多摩で採集したミヤマクワガタを飼育、産卵に成功。産卵セットには前記事掲載の完熟カブトマットを使用して5頭の幼虫が採れた。プリンカップに一頭づつ小分けして飼育し4ヶ月が経過。
飼育ボトルに移し替えの時期なので、そのついでに撮影。

ミヤマクワガタの幼虫

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
5頭の計測結果は成長にばらつきがあり3グラムから10グラム。写真の個体は7グラム。
飼育マットはミヤマクワガタの幼虫飼育に定評がある八王子のショップRTNのUマットを使用。
そう言えばミヤマクワガタの幼虫は鳴く!飼育ケースに大顎をこすりつけてカエルかバッタの音に似た一定のリズムで音を出すので、奇妙だけれど鳴いている様に聞こえて面白い。カブトムシの幼虫も同様に音を出していたことがある。リュウキュウツヤハナムグリの幼虫からは聞こえない...
そうした習性を知るのもまた楽しい。

ミヤマクワガタの幼虫

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
大顎が特徴的でクワガタらしいフェイス。ミヤマクワガタの幼虫は常温飼育だと暑い夏場に蛹化不全を経験しているので、今回からはワインセラーを導入し、ゆっくりじっくりの低温飼育で目指すは東京都産の超特大ミヤマクワガタだ!でも超最小も目指してみたい。

マイメモリ:小学生の頃、クワガタ、カブトムシは夏から秋限定でペットショップに販売されていた。
ミヤマクワガタの成虫は大型3000円、オオクワガタは60mm 2万円、カブトムシの成虫は1000円、これらは全てオスのみの価格。カブトムシの終齢幼虫は200円、そんな時代だった。当時の飼育マットは1種類のみ。クヌギマットと記載された、本当にクヌギなのか怪しい紅茶色の微粒子のマットだった。それに少し加水してカブトムシの幼虫を飼っていたが、殆ど成長せずに死んでしまい、ガッカリして泣いていた記憶がある。それを機にデパートの園芸コーナーに昆虫仲間と腐葉土を買いに行き、バケツに入れてスコップでかき混ぜ、細かくしてから幼虫飼育に使用していた事もあった。その頃から比べたら今は雲仙の差。幻だったヘラクレスオオカブトの生体まで手に入り、スイカじゃなくプロゼリー等の飼育用品やアクセサリーも充実して素晴らしい進化を遂げたと思う。クワカブに人生を賭けた人達が頑張ってくれたお陰だ。あの当時はまさかミヤマクワガタのブリードが叶うなんて夢にも思わなかった…

撮影日:1月21日

リュウキュウツヤハナムグリの幼虫飼育

2025年01月21日 | 甲虫
昨年の9月に撮影したおチビちゃんな幼虫

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
飼育環境で成虫の色彩変異を観ている最中。このおチビちゃん達が終齢幼虫にまで成長した。

リュウキュウツヤハナムグリの終齢幼虫

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
大きさは500円硬貨ほど。100頭ほど飼育しているが果たして何色が多く発生するのか楽しみ。
ここで飼育用のマットを紹介したい。コスパ重視で安価なカブトマットを使用したところ育ちが悪かった事から、様々なショップ、メーカーのマットを試した結果、今はコレ。

完熟カブトマット(ショップビートロン)

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
開封時のイヤな匂いも無く、ガス抜きも不用。お好みで加水するのみ。クヌギ主体のカブトマットだけれどリュウキュウツヤの産卵と幼虫飼育にも最適。また、試しにミヤマクワガタの産卵セットとして、ブレンドせずにそのまま使用したがバッチリ産卵してくれた。2年間使い続けているが、あの厄介なキノコバエが全く発生していないのも優秀。ショップの方に伺ったところ国内外問わずカブトムシの幼虫に最適との事。価格は10Lで千円強。なるべくお金をかけずに飼育したいという方が多いと思うが、飼育するのなら生きものにとってより良い環境作りを心がけ自分なりに楽しんで欲しい。

糞だらけのマット

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
マット交換の目安は期間にすると3〜4ヶ月。マットの表面に糞が目立ったら交換する。

リュウキュウツヤハナムグリの終齢幼虫

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
体は弾力があり意外と硬いく、撮影のため体についた土を取り除くにはシャワーを浴びながらハブラシでゴシゴシ!以前にも記載したがハナムグリの幼虫は、あおむけになり背中歩行なのが特徴で面白い。

先週、以前に幼虫や土繭を採集したポイントを回ってチェックしてみたが、ん〜皆無!

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
メタルグリーンの仮面はヤマトタマムシの頭部。東京湾岸初代の産地の林床では、幼虫の成長に必要な栄養素が不足してきているのか?年々、分布を更に拡大している様子にあり見つけづらくなっている気がする。また、以前にも記載したが、林床の至る所の落ち葉を退かすとフンが拡がり分解されずに残っている為、いずれ問題化されそうだ。ワイルド個体は冬場、幼虫と土繭内の成虫の両方見られるが、今のところ飼育個体の冬場は幼虫のままで4月下旬頃に土繭となる。何故ワイルドは冬場に土繭内で成虫になっている個体が出るのか?成虫の活動は夏期のみなので、幼虫の成長過程に何か違いがあるのは確か。その真相にはまだ時間が必要。今のところ飼育環境が室内の常温飼育のみなので、次期からは屋外飼育も試みたい。また幼虫でのオスメスの見分けも不明なのでそれも含めて検証を楽しんで行きたい。

1月中旬のホソミイトとホソミオツネン

2025年01月20日 | トンボ
先週の水曜日が暖かかったので、ホソミイトトンボが移動していると思い、この土曜日も沿岸部の越冬トンボチェック。すると案の定、以前の場所には皆無。また一から再捜索。すると...

ホソミイトトンボ 雄(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
上から下がる枝にべったり寄り添っているのを発見。広角映えする場所にいた個体のみを撮影。

ホソミイトトンボ 雌(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
日影で越冬中の個体は変化なし。自分の知見ではホソミイトトンボの場合、気温が10℃を上回ると、朝から陽当たりが良い場所で越冬している個体は移動する。越冬と言うと、その場でじっと動かないイメージだけれど、成虫や幼虫で越冬している昆虫は、ある程度、気温が上昇すると移動する事がある。沿岸部のフィールドで成虫越冬するウラギンシジミ、キタキチョウ、ホソミオツネントンボと比較すると越冬期でもホソミイトトンボが最も活動的な特徴を持つ事が判明。

ホソミオツネントンボ 雄(未成熟)

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
毎回同じだと面白味が無いので今回はDX40mmマクロで撮影。13日の午後にチェックした時は、この場所から離れて横の樹木に静止していたのを確認したので、移動してしまったかと思い、恐る恐るこの週末に再確認すると!よっぽどここがお気に入りらしく再び同じ場所に戻っていた事に驚愕した。
暖かい日になると居場所を変えるホソミイトトンボとはまた違った面白い習性を見せてくれた。

撮影日:1月18日

モズのはやにえ

2025年01月18日 | その他
モズのはやにえ(ニホンカナヘビ)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
ハンノキでコミミズクの幼虫を探している時に、あ!っと見つけたのはモズのはやにえ。
今まではやにえにされていたのを見たことがあるのはコバネイナゴ、クビキリギス、キムネクマバチ。
このニホンカナヘビもはやにえとしてお馴染みのターゲット。肝心なコミミズクの幼虫、いないな~

撮影日:1月13日

晴れでも曇りでもホソミオツネントンボ

2025年01月16日 | トンボ
沿岸部で見つけた越冬個体の確認を毎週楽しむ最中。陽当たりが良い場所だけれどいつものまんま。

曇りの日

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
野鳥の眼をあざむく擬態スタイルでススキの一部になりすまし冬を乗り越えようと頑張っている。

晴れの日

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
トンボそのものが好きな人にとってはもっと近づいたアップの姿が見たいと思うかもしれないが、
自分はトンボと周りの雰囲気を見せたい人だから、マクロレンズでもこんな撮り方になる。
はたしていつまでいるかな...

撮影日:1月12日、13日