東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

ヤゴって難しい 1

2024年06月28日 | ヤゴ
アキアカネとリスアカネのヤゴ

Nikon D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
野鳥公園の田んぼからお借りしたアキアカネと湿地で採集したリスアカネを見比べた。
終齢幼虫と終齢幼虫羽化前は背中の翅になる部分(翅芽)の形状に変化が見られ、それ以外の部分をじっくり観ても両種の決定的な違いが見つからない。大きさと体色には個体差があり見分けるポイントにはならない。全て同種にも異種にも見える。ヤゴって難しい...※画像をクリックで拡大表示。

ヤゴって面白い 7

2024年06月12日 | ヤゴ
終齢幼虫の撮影目的で様々な種類のヤゴを飼育。
撮影が済んだら元の水辺にリリースする前提の飼育セットを紹介。今回はヤブヤンマの飼育例。

飼育用に選んだのは100均ダイソーの長辺25cm収納ケース(別でフタ付)観察しやすいように白。

呼吸するヤゴの様子

水はカルキ抜きせずに水道水をそのまま使用でOK。ヤゴはお尻の先を水面に出して呼吸をする為、
水深は5cm程度。隠れ家用に落葉を入れる。毎日、水を交換してヤゴが落ち着いたらエサの時間。

アカムシを食べる様子

ヤゴ1匹に対してアカムシを1匹を与え、ホコリ回避のため密閉しないフタをする。それを必ず毎日行う。置き場は自分の部屋。タイマー式の照明器具はなく仕事から帰宅して部屋の電気を点灯のみ。

脱皮後と脱皮殻


終齢幼虫(左下は羽化前終齢)

1つのケースに複数入れる場合は共食いを避ける為、同じ体型で2.3頭。

ヤゴは水中に棲む小さなムシや小魚を捕食している。動かない生きものは食べない。その為、エサの入手に困ると思うが、一番手入しやすいのはアカムシ。釣具の上州屋でフナやタナゴ釣り用の活餌として販売されている。
ペットボトルのキャップ一杯220円(濡れた新聞紙に包装あり)。ちなみに脱皮前、羽化前は食べない。

アカムシ(アカムシユスリカの幼虫)

10cm角の容器に1cmほど水道水を入れ、楊枝で数ヶ所穴をあけたラップをかぶせて冷蔵庫で保存。
毎日、水交換と死骸を取り除く事。冷蔵すると黒化するが常温で戻る。この管理方法で長期間もつ。

この仕様でアキアカネ、シオカラトンボ等、トンボ科のヤゴも問題なく飼育可能。
でも毎日の管理は無理だし..羽化のタイミングも分からない方にはオススメ出来ません!
なぜ羽化まで観察しないのかというと羽化は自然の水辺フィールドで観察したい。

全てNikon D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G

ヤゴって面白い 6

2024年05月24日 | ヤゴ

Nikon D300S+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
黄昏ヤンマやぶら下がりヤンマで名高いヤブヤンマとマルタンヤンマの終齢幼虫。両種を見比べると体型や模様などの違いが分かりやすい。観察ポイントとしてマルタンヤンマの触角とヤブヤンマの脚に欠損があり一回の脱皮で再生するのかと思ったが再生しなかった。ここにネアカヨシヤンマが加われば憧れの黄昏ヤンマ御三家。でも、今のところ東京都産のネアカヨシヤンマのヤゴには辿り着けていない。

ヤゴって面白い 5

2024年05月23日 | ヤゴ

Nikon D300S+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
モノサシトンボのヤゴは他のヤゴと違い、機敏な動きはせずとにかくスローで藻などの浮遊植物になりきっている感じ。観察していると時間の経過もゆっくりにされてしまう感覚に落ちいる。その一方、キイトトンボのヤゴはとにかく機敏でちょこちょこ動き回るから一緒に撮影するのに苦労した。また、モノサシトンボもキイトトンボも水中にある微量の酸素を発達した尾鰓で体内に取り込んでいる様子にあり、エアーポンプなしの飼育環境でも尾鰓を水面に出さずに呼吸が出来ているところが凄いと感じた。
そろそろ両種の成虫が出始めているはず。

モノサシトンボとキイトトンボの生息環境

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
植生はミクリ、ヒシ、タヌキモ等。いかにもトンボが豊富そうな池。トラフトンボこないかな~

ヤゴって面白い 4

2024年04月18日 | ヤゴ
ヤマサナエ(終齢幼虫)

3頭を並べて一発撮りにこだわったヤゴのアート作品。
映画インディージョーンズに出てくる古代エジプトの紋章にありそう。

ヤマサナエの生息環境

実際にヤゴが採れた場所。前記事の秘密の谷戸に流れる細流。林に囲まれ泥と落葉が堆積した小川がヤマサナエの棲家。残念ながら区部では絶対。そろそろヤマサナエも羽化の時期だ。観察に行こう。