恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき言尽くしてよ長くと思はば 大伴坂上郎女
万葉集からとったので、資料に入れた。
万葉人は恋に率直だ。技巧に凝るということをあまりしない。
それもよいことだが、現代人にはこのような恋はもうちょっと無理だろう。いろいろなことがわかりすぎている。
恋をして、会えるときくらい、やさしいことばをかけてください、これからも長く続けていきたいと思うならば。
せっかく恋しい男に会えたのに、思うようにいいことを言ってもらえなかったのだろう。これを詠まれた男がどんな顔をしたか、想像してみた。
わがいもの袖にこもりし菊の香にゑひてつかのま言を忘れぬ 揺之