厳しい環境の中で
国敗れ流民となり他国へ逃れるさまの小説に
勝者の武士が国境で敗者の権力者を探し出す
描写がある
敗者の権力者が農民などに姿を変えて逃走する
その時、関所で流民の両手を調べると言う
成る程と感心しながら秋の夜長を堪能する
ふと・・我が手を触りながら・・こんな世なら
我が身の首と胴体は離れ離れになる事だろうと
身震いする
モンゴルの街中を歩いていると美人が沢山居る
散歩していても飽きないし目の保養にもなる
同じ時間に同じ場所を歩いていると
同じ顔に出会い何時しか話しが出来るようになる
相手が美人だから老人とはいえ修多羅(ふしだら)な事を考えている
何かのきっかけを作り美人の手を触りたく握手などする
美人ではあるが地方出身の方の手は水汲み薪割り等で
手に指瘤がありごつく女性の手とは思えないほどゴツイ
私はそれだけで感動する
線路を歩いているとレールの曲がりや異常を発見するために
監視役の旗手が貨車にぶら下がりレールの異常を確認している
春や秋の心地よい季節には最高の職場かもしれないが
厳寒期の今は最悪の職場としかいえない
挨拶がてら手を振ると馬鹿野郎という顔をされる
安全確保
シベリア方面からのやってきた客車と安全確認機関車がすれ違う
全て屋外で現場作業している保線区員のお陰で安全運転されている
会社も国もこのような縁の下の労働者により支えられている
一般にこのような人たちを軽んじる傾向があるが実は大切な人材である
私はこういう人に感謝している
黙々と
今年の夏場に彼らが使う道具を触らせてもらった
枕木を固定している20cmほどの釘を抜く道具
山伏が持ち歩く六角棒のような釘抜き道具
重さが10kg以上ある鉄の棒で先が二股に分かれている
持つだけでフラフラする様な重さ
また、釘を枕木に打ち込むハンマーも持ってみた
彼らはこれらの道具を両腕で振り回し上手に使いこなす
厳寒期(マイナス20度の世界)鉄棒を何分持てるか
これは現場で作業をして見ないと実感が湧かない
私は2分も鉄棒を持ち続けると手が痺れてきて持てなくなる
彼らはこれを一日中、仕事として持ち続けているのである
彼らと握手すると同じ大人であるが負けると言う思いがする
野生動物(熊や馬等)と握手している感じである
そうだろう草原で子牛や子馬を捻じ伏せる力を持っている
彼らのお陰で列車が安全に事故もなく動いているのだから
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