1週間ぶりに図書館で日経新聞を斜め読みした。
この中で、掲題記事が気になった。
中国全土へ『アフリカ豚コレラ』が蔓延し、豚肉の供給量が30%減となり、重要食材の供給不安が出ているとの事。
連休前から北海道へ滞在中であるが、世界全体での食肉の取り合いと共に、帯広の豚丼や室蘭の焼鳥。実は豚肉。などポーク文化が根付いているこの地への感染がが心配である。
こちらへ来る前、税関の探知犬の活躍や、海外から来訪の方が持込む禁止品の取締まり状況などが、いくつかのテレビで同じ時期に報道されていた。
この時は『アフリカ豚コレラ』の脅威については、国内での『豚コレラ』への配慮のためか、あまり強く触れられていなかったが、今日公表された農水省HPから、かなり危機的な状況となって来たことが伺いとれる。
<ユーラシア大陸における拡大状況(農水省HPより)>
北海道はこれから観光シーズンとなり、中国や東南アジアからの観光客が沢山来られる事となるが、この病原菌が付着した『食物の持込』が心配である。
今日調べたネット記事では、探知犬が配備されている首都圏でもかなりの旅行者が検疫をすり抜けており、もし道内へ持ち込まれると、家畜の飼育数も多く、媒介する可能性のあるイノシシはいないが、野鼠やキタキツネはたくさん野山に生活しており、これらを介して拡散が気になる所である。
又、海外からの旅行者が無断で牧草地へ立ち入る事なども危惧される所であり、『観光と食の安全確保』をどうするかも重要な課題かとも感じている。
そしてもう一つ重要な事は、政府としての『危機管理』である。
この『アフリカ豚コレラ』は、人には感染しないとの事であるが、今年初めに名古屋地区で起こった『豚コレラ』などより感染力は強く、ひょっとすると日本全国に蔓延する可能性もあるとの記事が出ている。
昨日今日の報道で、年金不足での老後生活の不安課題が出て来たが、食糧危機の方が喫緊で深刻であり、国民の意識が上がらないと到底防ぎきれない。
天災での事前避難と同レベルで、我々の大切な食料を守る事が必要であり、畜産関係の方からは異論があるかもしれないが、もう少し情報を正確に出していく必要があるのではとも感じている。
昨年の農水省の若手が提言の『未来地図』に対しブログメモでも書いたが、
彼らが一番先に考える事は『危機管理』であり、ここから見える各省庁との連携でのリーダーシップが期待される所である。まずはこのような想定危機から『未来地図』を考えて見る事も重要との思いである。
以下、今日色々とネットで調べた事の記事抜粋を借用し、MEMOとして貼り付けておきたい。
<日経 朝刊(2019/6/11)>
『中国豚伝染病 広がる供給不安』
生産2割減、価格7割増予測も 外資、大型投資に動く
(日本経済新聞 朝刊 2019年6月11日)【大連=渡辺伸】
中国で豚肉の供給不安が一段と広がってきた。世界の約半分を占める消費大国だが、家畜伝染病「アフリカ豚コレラ」が猛威を振るい、収まる気配がないためだ。
中国での生産量は19年に前年比2~3割減となり、当局の予測では価格は年後半に前年同期比で7割上昇するともみられている。米中貿易戦争のさなか、中国経済には新たな痛手となりかねない。
供給不足への対応でロシアやタイなど外資が中国で大型投資をする動きも出るが、事態は長引く可能性がある。
・・・アフリカ豚コレラはウイルス性の感染症だ。感染力は強く、中国東北部で18年8月
に発生が確認されたが、19年春までに全土に広がった。危機感を抱く中国政府は養豚各社に対し、感染豚を隔離させる防護壁や最新の消毒装置などの早期設置を促してはいる。・・
農業農村省によると、直近4月の豚の飼育頭数は前年同月比で21%減、1990年代初頭の水準
にまで落ち込んだ。さらに「19年は18年比で2~3割減になる」(オランダ金融機関のラボバンク)とも予測される。
・・・高関税をかけた18年の輸入量こそ前年比で3割減となったが、米国産豚肉はもともと中国の輸入量全体の3割を占め、量質とも安定する主要調達先。やはり高くても米国からの輸入は避けられず、足元では米国産の輸入量は増えており「中国は米国に頼らざるをえない
状況」(中国の業界関係者)だという。
・・・各国の動きも活発だ。カナダは3月、中国への豚肉輸出を前年同月比で8割増やした。アルゼンチンも4月、25の国内加工施設が中国政府から新たに豚肉輸出の許可を取得したとし、EU諸国も今後、中国向け輸出を増やす見通しだ。米農務省によると、中国の豚肉輸入量は19年に18年比で約4割増えるとみられる。
・・中国では豚肉は庶民の食卓に欠かせない重要な食品の一つだ。問題の長期化は社会不安にもつながりかねず、当局も神経をとがらせ、予断を許さない状況が続いている。
<農水省HP(更新日:令和元年6月12日)>
アフリカ豚コレラについて 担当:消費・安全局動物衛生課
(内容より)
アフリカ豚コレラは、アフリカ豚コレラウイルスが豚やいのししに感染する伝染病であり、
発熱や全身の出血性病変を特徴とする致死率の高い伝染病です。
本病は、ダニが媒介することや、感染畜等との直接的な接触により感染が拡大します。
本病に有効なワクチンや治療法はなく、 発生した場合の畜産業界への影響が甚大である
ことから、我が国の家畜伝染病予防法において「家畜伝染病」に指定され、患畜・疑似患
畜の速やかな届出とと殺が義務付けられています。
我が国は、これまで本病の発生が確認されておらず、本病の清浄国ですが、アフリカでは
常在的に、ロシア及びその周辺諸国でも発生が確認されているため、今後とも、海外から
の侵入に対する警戒を怠ることなく、本病の発生予防に努めることが重要です。
なお、アフリカ豚コレラは豚、いのししの病気であり、人に感染することはありません。
<侵入対策>
<予防対策>
<動物検疫所 HP>
『アジアで発生しているアフリカ豚コレラへの対応』
2018年8月3日、中国でアフリカ豚コレラの発生が確認されました。
・・ダニや、感染した動物と接触することで感染が拡大する他、本病のウイルスに汚染された十分に加熱されていない肉及び肉製品を豚が食べることによっても感染します。
動物検疫所は本病の国内侵入を防ぐため、動物検疫の強化を実施しています。ご協力をお願いいたします。
(その後の確認状況)
2019年1月9日、モンゴルの農場
2019年2月1日、ベトナムの農場
2019年3月22日、カンボジアの農場
2019年5月2日、香港のと畜場
2019年5月23日、北朝鮮
<日本農業新聞電子版>
『アフリカ豚コレラ 発生国から肉製品 訪日客1割が違反』
持ち込み「簡単だ」 本紙調べ (2019年06月11日)
アフリカ豚コレラ(ASF)発生国からの訪日外国人旅行者(インバウンド)のうち、およそ1割が母国のソーセージなど肉製品を日本に持ち込んでいることが、日本農業新聞の調査で分かった。観光地や空港で202人から聞き取った。
分析は宮崎大学産業動物防疫リサーチセンターの末吉益雄教授の協力を得た。
日本に肉製品を持ち込むことが「簡単だ」「少し簡単だ」と考える人は3割を超えた。
ASFの原因にもなる肉製品が違法に持ち込まれている実態が浮き彫りになった。
(尾原浩子、関山大樹)
・・探知犬わずか33頭 検疫対応難しく
農水省によると、国内への農畜産物の持ち込みを調べる「検疫探知犬」は33頭。
31頭が羽田や成田など国内7空港で手荷物を調べ
2頭は国際郵便を扱う神奈川県の川崎東郵便局で検査する。
しかし現状では、探知犬の数が足りていない。
動物検疫所は「外国便が集中する時間帯は、渡航者全員に探知犬をあてがうことは困難」と説明。探知犬は地方空港に出張調査も行うが、頻度は2、3週間に1回程度。派遣頭数も少なく、担当者は「探知犬による抑止効果を期待するにすぎない」と明かす。
同省は肉製品の持ち込みを故意でなければ注意するだけだったが、4月から規制を強化。違反品を確認した場合、1回目は警告書を出し、パスポートの情報を記録する。2回目以降は必要に応じて刑事告発をする。規制を強化した4月22日から6月4日までに警告書を出した件数は239件、回収した違反品の重量は約1950キロという。
<検疫所 パンフレット>
<SankeiBiz>
『中国、肉の買いあさりに拍車
アフリカ豚コレラ代替で和牛の輸入最大に』(2019.6.9)
中国がブラジルやニュージーランドなどから豚肉、牛肉、鶏肉、羊肉を買いあさっている。
既にマトン(成羊の肉)やラム(仔羊の肉)の世界最大の輸入国だったが、米農務省によると牛肉輸入量も昨年、100万トンを大きく上回り、米国を抜き世界最大の市場になった。
アフリカ豚コレラ(ASF)感染拡大の影響で豚肉価格が高騰し、代替需要が拡大しているためだ。
「豚2億頭消える」
今年の中国の豚肉供給量はASFの影響で20~30%減少し、豚肉不足が予測されている。豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)の市場アナリスト、ティム・ライアン氏(シンガポール在勤)は「10年とはいわないまでも、この先数年はASFは世界の食肉市場に何よりも大きな影響を与える。ASFによる減少分を補うだけの肉を、世界が供給できるとは考えられない」と述べた。
中国の英字紙チャイナデイリーによると、中国農業農村省は、欧州連合(EU)、カナダ、
ブラジルからの中国への豚肉輸出量はそれぞれ2019年に前年比40%増の170万トンに、20年に210万トンに達すると予測している。オランダの金融大手ラボバンクのアナリスト、アドルフォ・フォンテ氏によると、ブラジルから中国への豚肉輸出は今年、61%増の25万トンに達するとみている。
<朝日新聞デジタル>
『アフリカ豚コレラ、国内で初確認 感染力あるウイルス』(2019年4月2日)
農林水産省は2日、中国から持ち込まれた豚肉製品2点から、家畜伝染病「アフリカ豚コレラ(ASF)」の感染力のあるウイルスが確認された、と発表した。
ASFはこれまで、国内に持ち込まれた肉製品からウイルス遺伝子が17件確認されていたが、検査の結果、感染力のあるウイルスが初めて確認された。
豚コレラ、ジビエ業界に打撃 亥年で人気のしし鍋も自粛ASFは現在国内で確認されている豚コレラとは別のもので、ワクチンや治療法がなく、感染すれば致死率が極めて高い。感染した豚の肉を食べても人体に影響はないが、豚やイノシシは感染する恐れがある。昨夏、アジア初の発生が中国で確認され、日本への侵入防止が課題だった。
ウイルスが確認されたのは、中国人とみられる男女が1月にそれぞれ中部空港に持ち込んだ豚のソーセージ。いずれも「土産」と説明し、放棄したという。
日本では家畜伝染病予防法に基づき、個人ではほぼすべての肉製品を持ち込めない。農水省は今後、違反者に警告書を出し、繰り返し持ち込んだり、商業目的と見なされたりする場合、警察に通報するなど厳格に対処するという。
<日経>
『回収ソーセージからアフリカ豚コレラ 関西国際空港』(2019/2/6)
農林水産省は6日、中国の吉林省から関西国際空港に到着した旅行客が持ち込もうとした豚肉ソーセージを回収し、検査したところ「アフリカ豚コレラ」の陽性反応が出たと発表した。
アフリカ豚コレラは5府県への拡大を確認した豚コレラとは別の家畜伝染病で、致死率がさらに高いとされる。
旅行者の持ち込みでアフリカ豚コレラの陽性反応が出たのは8例目。日本ではアフリカ豚コレラの感染事例は確認されていない。発生国の中国では春節(旧正月)連休を迎えて日本への旅行客が増えており、農水省は監視を強化している。〔共同〕
『荷物からアフリカ豚コレラ 新千歳、旅客のソーセージ』(2018年10月22日)
農林水産省は22日、中国から新千歳空港に入った旅客の荷物にあったソーセージから、日本では感染が報告されていないアフリカ豚コレラの陽性反応が出たと発表した。国内でウイルスの持ち込み事例が確認されたのは初で、防疫を徹底する方針だ。
・・
国内では今年9月、岐阜市で26年ぶりに豚コレラの感染が判明していた。アフリカ豚コレラも従来の豚コレラも豚やイノシシの感染症で、人間に感染することはない。
農水省によると、今月1日に中国の北京から来た外国人の旅客が、法律で持ち込みが禁じられているソーセージを保有していた。放棄してもらい国が検査したところ、遺伝子検査で陽性となった。ソーセージは約1.5キロあり、真空パックされ一定の加熱がしてあったという。豚肉が中国産かどうかは不明だ。
アフリカ豚コレラに感染した食品が入っただけなら、国内で伝染する可能性は低い。ただ、食べ残しを餌として与えるなどした場合、豚に感染が広がる恐れがある。
この中で、掲題記事が気になった。
中国全土へ『アフリカ豚コレラ』が蔓延し、豚肉の供給量が30%減となり、重要食材の供給不安が出ているとの事。
連休前から北海道へ滞在中であるが、世界全体での食肉の取り合いと共に、帯広の豚丼や室蘭の焼鳥。実は豚肉。などポーク文化が根付いているこの地への感染がが心配である。
こちらへ来る前、税関の探知犬の活躍や、海外から来訪の方が持込む禁止品の取締まり状況などが、いくつかのテレビで同じ時期に報道されていた。
この時は『アフリカ豚コレラ』の脅威については、国内での『豚コレラ』への配慮のためか、あまり強く触れられていなかったが、今日公表された農水省HPから、かなり危機的な状況となって来たことが伺いとれる。
<ユーラシア大陸における拡大状況(農水省HPより)>
北海道はこれから観光シーズンとなり、中国や東南アジアからの観光客が沢山来られる事となるが、この病原菌が付着した『食物の持込』が心配である。
今日調べたネット記事では、探知犬が配備されている首都圏でもかなりの旅行者が検疫をすり抜けており、もし道内へ持ち込まれると、家畜の飼育数も多く、媒介する可能性のあるイノシシはいないが、野鼠やキタキツネはたくさん野山に生活しており、これらを介して拡散が気になる所である。
又、海外からの旅行者が無断で牧草地へ立ち入る事なども危惧される所であり、『観光と食の安全確保』をどうするかも重要な課題かとも感じている。
そしてもう一つ重要な事は、政府としての『危機管理』である。
この『アフリカ豚コレラ』は、人には感染しないとの事であるが、今年初めに名古屋地区で起こった『豚コレラ』などより感染力は強く、ひょっとすると日本全国に蔓延する可能性もあるとの記事が出ている。
昨日今日の報道で、年金不足での老後生活の不安課題が出て来たが、食糧危機の方が喫緊で深刻であり、国民の意識が上がらないと到底防ぎきれない。
天災での事前避難と同レベルで、我々の大切な食料を守る事が必要であり、畜産関係の方からは異論があるかもしれないが、もう少し情報を正確に出していく必要があるのではとも感じている。
昨年の農水省の若手が提言の『未来地図』に対しブログメモでも書いたが、
彼らが一番先に考える事は『危機管理』であり、ここから見える各省庁との連携でのリーダーシップが期待される所である。まずはこのような想定危機から『未来地図』を考えて見る事も重要との思いである。
以下、今日色々とネットで調べた事の記事抜粋を借用し、MEMOとして貼り付けておきたい。
<日経 朝刊(2019/6/11)>
『中国豚伝染病 広がる供給不安』
生産2割減、価格7割増予測も 外資、大型投資に動く
(日本経済新聞 朝刊 2019年6月11日)【大連=渡辺伸】
中国で豚肉の供給不安が一段と広がってきた。世界の約半分を占める消費大国だが、家畜伝染病「アフリカ豚コレラ」が猛威を振るい、収まる気配がないためだ。
中国での生産量は19年に前年比2~3割減となり、当局の予測では価格は年後半に前年同期比で7割上昇するともみられている。米中貿易戦争のさなか、中国経済には新たな痛手となりかねない。
供給不足への対応でロシアやタイなど外資が中国で大型投資をする動きも出るが、事態は長引く可能性がある。
・・・アフリカ豚コレラはウイルス性の感染症だ。感染力は強く、中国東北部で18年8月
に発生が確認されたが、19年春までに全土に広がった。危機感を抱く中国政府は養豚各社に対し、感染豚を隔離させる防護壁や最新の消毒装置などの早期設置を促してはいる。・・
農業農村省によると、直近4月の豚の飼育頭数は前年同月比で21%減、1990年代初頭の水準
にまで落ち込んだ。さらに「19年は18年比で2~3割減になる」(オランダ金融機関のラボバンク)とも予測される。
・・・高関税をかけた18年の輸入量こそ前年比で3割減となったが、米国産豚肉はもともと中国の輸入量全体の3割を占め、量質とも安定する主要調達先。やはり高くても米国からの輸入は避けられず、足元では米国産の輸入量は増えており「中国は米国に頼らざるをえない
状況」(中国の業界関係者)だという。
・・・各国の動きも活発だ。カナダは3月、中国への豚肉輸出を前年同月比で8割増やした。アルゼンチンも4月、25の国内加工施設が中国政府から新たに豚肉輸出の許可を取得したとし、EU諸国も今後、中国向け輸出を増やす見通しだ。米農務省によると、中国の豚肉輸入量は19年に18年比で約4割増えるとみられる。
・・中国では豚肉は庶民の食卓に欠かせない重要な食品の一つだ。問題の長期化は社会不安にもつながりかねず、当局も神経をとがらせ、予断を許さない状況が続いている。
<農水省HP(更新日:令和元年6月12日)>
アフリカ豚コレラについて 担当:消費・安全局動物衛生課
(内容より)
アフリカ豚コレラは、アフリカ豚コレラウイルスが豚やいのししに感染する伝染病であり、
発熱や全身の出血性病変を特徴とする致死率の高い伝染病です。
本病は、ダニが媒介することや、感染畜等との直接的な接触により感染が拡大します。
本病に有効なワクチンや治療法はなく、 発生した場合の畜産業界への影響が甚大である
ことから、我が国の家畜伝染病予防法において「家畜伝染病」に指定され、患畜・疑似患
畜の速やかな届出とと殺が義務付けられています。
我が国は、これまで本病の発生が確認されておらず、本病の清浄国ですが、アフリカでは
常在的に、ロシア及びその周辺諸国でも発生が確認されているため、今後とも、海外から
の侵入に対する警戒を怠ることなく、本病の発生予防に努めることが重要です。
なお、アフリカ豚コレラは豚、いのししの病気であり、人に感染することはありません。
<侵入対策>
<予防対策>
<動物検疫所 HP>
『アジアで発生しているアフリカ豚コレラへの対応』
2018年8月3日、中国でアフリカ豚コレラの発生が確認されました。
・・ダニや、感染した動物と接触することで感染が拡大する他、本病のウイルスに汚染された十分に加熱されていない肉及び肉製品を豚が食べることによっても感染します。
動物検疫所は本病の国内侵入を防ぐため、動物検疫の強化を実施しています。ご協力をお願いいたします。
(その後の確認状況)
2019年1月9日、モンゴルの農場
2019年2月1日、ベトナムの農場
2019年3月22日、カンボジアの農場
2019年5月2日、香港のと畜場
2019年5月23日、北朝鮮
<日本農業新聞電子版>
『アフリカ豚コレラ 発生国から肉製品 訪日客1割が違反』
持ち込み「簡単だ」 本紙調べ (2019年06月11日)
アフリカ豚コレラ(ASF)発生国からの訪日外国人旅行者(インバウンド)のうち、およそ1割が母国のソーセージなど肉製品を日本に持ち込んでいることが、日本農業新聞の調査で分かった。観光地や空港で202人から聞き取った。
分析は宮崎大学産業動物防疫リサーチセンターの末吉益雄教授の協力を得た。
日本に肉製品を持ち込むことが「簡単だ」「少し簡単だ」と考える人は3割を超えた。
ASFの原因にもなる肉製品が違法に持ち込まれている実態が浮き彫りになった。
(尾原浩子、関山大樹)
・・探知犬わずか33頭 検疫対応難しく
農水省によると、国内への農畜産物の持ち込みを調べる「検疫探知犬」は33頭。
31頭が羽田や成田など国内7空港で手荷物を調べ
2頭は国際郵便を扱う神奈川県の川崎東郵便局で検査する。
しかし現状では、探知犬の数が足りていない。
動物検疫所は「外国便が集中する時間帯は、渡航者全員に探知犬をあてがうことは困難」と説明。探知犬は地方空港に出張調査も行うが、頻度は2、3週間に1回程度。派遣頭数も少なく、担当者は「探知犬による抑止効果を期待するにすぎない」と明かす。
同省は肉製品の持ち込みを故意でなければ注意するだけだったが、4月から規制を強化。違反品を確認した場合、1回目は警告書を出し、パスポートの情報を記録する。2回目以降は必要に応じて刑事告発をする。規制を強化した4月22日から6月4日までに警告書を出した件数は239件、回収した違反品の重量は約1950キロという。
<検疫所 パンフレット>
<SankeiBiz>
『中国、肉の買いあさりに拍車
アフリカ豚コレラ代替で和牛の輸入最大に』(2019.6.9)
中国がブラジルやニュージーランドなどから豚肉、牛肉、鶏肉、羊肉を買いあさっている。
既にマトン(成羊の肉)やラム(仔羊の肉)の世界最大の輸入国だったが、米農務省によると牛肉輸入量も昨年、100万トンを大きく上回り、米国を抜き世界最大の市場になった。
アフリカ豚コレラ(ASF)感染拡大の影響で豚肉価格が高騰し、代替需要が拡大しているためだ。
「豚2億頭消える」
今年の中国の豚肉供給量はASFの影響で20~30%減少し、豚肉不足が予測されている。豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)の市場アナリスト、ティム・ライアン氏(シンガポール在勤)は「10年とはいわないまでも、この先数年はASFは世界の食肉市場に何よりも大きな影響を与える。ASFによる減少分を補うだけの肉を、世界が供給できるとは考えられない」と述べた。
中国の英字紙チャイナデイリーによると、中国農業農村省は、欧州連合(EU)、カナダ、
ブラジルからの中国への豚肉輸出量はそれぞれ2019年に前年比40%増の170万トンに、20年に210万トンに達すると予測している。オランダの金融大手ラボバンクのアナリスト、アドルフォ・フォンテ氏によると、ブラジルから中国への豚肉輸出は今年、61%増の25万トンに達するとみている。
<朝日新聞デジタル>
『アフリカ豚コレラ、国内で初確認 感染力あるウイルス』(2019年4月2日)
農林水産省は2日、中国から持ち込まれた豚肉製品2点から、家畜伝染病「アフリカ豚コレラ(ASF)」の感染力のあるウイルスが確認された、と発表した。
ASFはこれまで、国内に持ち込まれた肉製品からウイルス遺伝子が17件確認されていたが、検査の結果、感染力のあるウイルスが初めて確認された。
豚コレラ、ジビエ業界に打撃 亥年で人気のしし鍋も自粛ASFは現在国内で確認されている豚コレラとは別のもので、ワクチンや治療法がなく、感染すれば致死率が極めて高い。感染した豚の肉を食べても人体に影響はないが、豚やイノシシは感染する恐れがある。昨夏、アジア初の発生が中国で確認され、日本への侵入防止が課題だった。
ウイルスが確認されたのは、中国人とみられる男女が1月にそれぞれ中部空港に持ち込んだ豚のソーセージ。いずれも「土産」と説明し、放棄したという。
日本では家畜伝染病予防法に基づき、個人ではほぼすべての肉製品を持ち込めない。農水省は今後、違反者に警告書を出し、繰り返し持ち込んだり、商業目的と見なされたりする場合、警察に通報するなど厳格に対処するという。
<日経>
『回収ソーセージからアフリカ豚コレラ 関西国際空港』(2019/2/6)
農林水産省は6日、中国の吉林省から関西国際空港に到着した旅行客が持ち込もうとした豚肉ソーセージを回収し、検査したところ「アフリカ豚コレラ」の陽性反応が出たと発表した。
アフリカ豚コレラは5府県への拡大を確認した豚コレラとは別の家畜伝染病で、致死率がさらに高いとされる。
旅行者の持ち込みでアフリカ豚コレラの陽性反応が出たのは8例目。日本ではアフリカ豚コレラの感染事例は確認されていない。発生国の中国では春節(旧正月)連休を迎えて日本への旅行客が増えており、農水省は監視を強化している。〔共同〕
『荷物からアフリカ豚コレラ 新千歳、旅客のソーセージ』(2018年10月22日)
農林水産省は22日、中国から新千歳空港に入った旅客の荷物にあったソーセージから、日本では感染が報告されていないアフリカ豚コレラの陽性反応が出たと発表した。国内でウイルスの持ち込み事例が確認されたのは初で、防疫を徹底する方針だ。
・・
国内では今年9月、岐阜市で26年ぶりに豚コレラの感染が判明していた。アフリカ豚コレラも従来の豚コレラも豚やイノシシの感染症で、人間に感染することはない。
農水省によると、今月1日に中国の北京から来た外国人の旅客が、法律で持ち込みが禁じられているソーセージを保有していた。放棄してもらい国が検査したところ、遺伝子検査で陽性となった。ソーセージは約1.5キロあり、真空パックされ一定の加熱がしてあったという。豚肉が中国産かどうかは不明だ。
アフリカ豚コレラに感染した食品が入っただけなら、国内で伝染する可能性は低い。ただ、食べ残しを餌として与えるなどした場合、豚に感染が広がる恐れがある。